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六甲アイランド/ポートアイランドに架かる大阪湾岸道 西伸部の橋梁は、主塔/径間数の異なる2形式の斜張橋に
2019年12月10日 15:28
- 2019年12月10日 発表
国土交通省 近畿地方整備局と阪神高速道路は12月10日、大阪湾岸道路 西伸部の技術検討委員会で、海上長大橋の形式に関する中間とりまとめ結果を公表した。
大阪湾岸道路 西伸部とは、2018年12月22日に着工した、六甲アイランド北~ポートアイランド~駒栄を結ぶ延長14.5kmの道路(関連記事「阪神高速3号神戸線の渋滞緩和に期待。国交省と阪神高速が『大阪湾岸道路西伸部』に12月22日着工」)。6車線(片側3車線)の自動車専用道で、渋滞が激しい阪神高速3号をバイパスして神戸市中心部を通過できるなどの効果が期待されている。
今回発表されたのは、橋梁の形式などで、これまで3回の本委員会と、のべ21回の小委員会を開催し、計画最適な橋梁形式選定と、橋梁/構造計画のための議論が行なわれてきたもの。路線計画に求められる要件を元に設計された計画コンセプト案への適合性を勘案し、複数の候補のなかから検討が進められた。
同区間の海上橋としては、六甲アイランド~ポートアイランド間の新港航路/灘浜航路に架かる橋梁と、ポートアイランド~駒栄間の神戸西航路に架かる橋梁がある。
六甲アイランド~ポートアイランド間の新港航路/灘浜航路に架かる橋梁については、4本主塔/5径間の連続斜張橋を採用することになった。支間長は約650mで、世界最大規模。2つの人工島を結ぶ一本の線としての連続性を有するデザインで、等径間となっているのもポイントになる。
また、新港航路、灘浜航路それぞれをまたぐ形式ではなく連続斜張橋としたことで地震時の損傷リスクが高まる桁端部を減らし、海上橋脚を最小限に留められるなどの優位性が挙げられている。
ポートアイランド~駒栄間の神戸西航路に架かる橋梁については、ポートアイランド寄りに1本の主塔を配置する単独斜張橋を採用。最大支間長は約480m。構造上の課題は主塔を2本にする形式の方が少ないとされたが、海上部の非対称な橋梁配置に馴染むデザインになるなどの景観性や、走行快適性に優れるとして選定された。