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阪神高速6号大和川線、全線開通。鉄砲入口から走ってみた
1号環状線の迂回道路として混雑緩和に期待
2020年3月30日 11:54
- 2020年3月29日16時 開通
阪神高速道路は3月29日16時、6号大和川線 鉄砲~三宅西間の延長7.7kmを開通した。これにより6号大和川線は全通し、「大阪都市再生環状道路」構想の一部が形成されることとなった(関連記事「阪神高速、3月29日に全線開通する6号大和川線を報道公開。関西初採用のすべり台式非常口など長大トンネル内部を紹介」)。
開通日には鉄砲(東行)入口でセレモニーを開催、開通を待つドライバーへ花束を贈呈した。
6号大和川線は、松原市と堺市を東西ほぼ直線に結ぶ。全線開通で、大阪府の東西が、さらに広く捉えれば名古屋・奈良方面と和歌山・関西空港方面、姫路・神戸方面がよりスムーズに行き来できるようになった。
当初は開通記念イベント、開通式典、テープカットなどを予定していたが、新型コロナウイルス感染症、拡大防止のため中止。フラワーフォトパネルを設置し、初めて利用するドライバーへ花束をプレゼントした。なお、フラワーフォトパネルは「鉄砲(東行)入口」「常磐(西行)入口」「天美入口」の3か所に、それぞれ3月30日17時まで設置する予定。
開通の約1時間前には鉄砲(東行)入口料金所で、阪神高速道路 建設事業本部 堺建設部の杉江功部長から、一般車両の通り初めに参加するドライバーへ花束が贈呈された。
鉄砲入口からの一番乗りを果たした星野さんは「ながい年月を重ねてここまで来たと思いますので、(その道路を)一番に通れるのは非常に光栄なことだと思っています。うれしいです」と笑顔だ。日常的に利用しないものの、中部や関東方面に移動する際には利用したいという。
二輪車での一番乗りを果たした後藤さんは、6号大和川線の開通は知っており、仕事の帰りに寄ってみたそう。通勤では使用しないが、仕事で名古屋方面に向かうこともあり、その際にはぜひ活用したいとのこと。「阪神高速6号に携わった方々には感謝しています。今日はそれを噛みしめて走ろうと思います」と話した。
17時の鉄砲入口、常磐入口、天美入口オープンに先立ち、15時40分に6号大和川線本線(今回開通区間)の供用を開始した。数分後、14号松原線や4号湾岸線から流入してきた一般車が本線を通過、取材していた鉄砲(西行)出口にも次々とクルマがやってくる。やがて16時になり、星野さんの乗用車、後藤さんのバイクを先頭に、鉄砲(東行)入口からも次々とクルマやバイクが6号大和川線に入っていった。
6号大和川線全線開通について、阪神高速道路の杉江部長に話を聞いた。杉江氏はまず、工事が長くかかり沿道の住民などに大きな迷惑をかけたことに触れるとともに、あらためて感謝の意を表わした。また、「この大和川線は、阪神高速にとっても非常に大きな開通でありまして、(中略)大阪の、関西の交通事情が大きく変わることになろうかと思います。(開通により)どんな変化が起こるのか、どれくらい効果が期待できるのか、明日から楽しみにしております」と述べた。
6号大和川線の開通により、1号環状線の迂回道路として都心部の混雑緩和が期待されている。「例えば、奈良から神戸に行かれる場合に、今までですといったん環状(1号環状線)に入って通り抜けていただく必要がありました。環状線は非常に混んでいる道路ですから、これを迂回する形で、(中略)大和川線、湾岸線を経由して神戸に行けるということで、非常に効果が高いと考えています」と杉江氏。朝のラッシュ時などは14号松原線の渋滞も目立っているが、これらも大きく改善される見込みだという。