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国交省、名古屋/中京圏の新たな高速道路料金の具体方針策定。都心部と環状道の交通分散図る。名二環開通に合わせて導入

2020年2月5日 発表

国土交通省は名古屋/中京圏の料金体系改定変更について具体方針を策定した

 国土交通省は2月5日、検討が進められている名古屋/中京圏の高速道路の料金体系変更について、具体方針を発表した。2020年度内を予定している名二環(名古屋第二環状自動車道)の開通に合わせて導入する。

 同地域の高速道路料金は、名古屋高速、NEXCO中日本(中日本高速道路)と管理事業者の違いや路線などで料金水準が異なることから、「利用度合いに応じた公平な料金体系」「管理主体を超えたシンプルでシームレスな料金体系」「交通流動の最適化のための戦略的な料金体系」の3原則をもとに、料金体系の整理や統一、起終点を基本としたシームレス料金体系の検討を進めていた。

 具体案では、東海環状自動車道の内側において大都市近郊区間の水準を基本とする対距離制を導入し、これまで名古屋高速とNEXCO中日本で分かれていた車種区分を5区分に統一。

 対距離制料金は「経路によらず、起終点の最短距離を基本に料金を決定」としており、例えば、都心部周辺を経由するよりも東海環状道や名二環を経由した方が高額になる場合には東海環状道経由の料金を引き下げる。ただし、交通分散を図る観点から都心部周辺経由料金の方が高い場合には引き下げない。

車種区分を5区分に統一
経路によらず、機中点の最短距離を基本に料金を決定する方針
新料金の具体例

 名古屋高速においては、ETC割引も見直し。物流を支える車両の負担が大幅に増えないよう、現在の名高速ETCコーポレートカード割引を継続。夜間割引については、中型車に限定して適用する。また、都心環状線が一方通行であるため、放射路線から都心環状線への流出入において特定の出入口の利用に集中することを避けるため、放射路線~都心環状 錦橋/丸の内/東新町の料金を同一にする「都心環状割引」の案も提示している。

 また、現在は均一料金となっている名二環については、激変緩和措置として、当面のあいだ上限料金を設定。このほか、混雑状況に応じた機動的な料金やETC2.0を対象とした割引などについても検討するとしている。

 今後、高速道路会社らから新たな料金の具体案が示され、それに対するパブリックコメントを募集。地方自治体の同意や、国交省からの事業許可/料金認可を経て、名二環開通と同時に新料金体系をスタートさせる予定となっている。

名古屋高速の割引案
名二環の激変緩和措置
検討を進める戦略的な料金体系
新料金体系導入までのスケジュール