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ANAとヴァージン・オーストラリアが提携。日豪国内線のコードシェアやマイル提携など順次展開
2020年1月17日 16:15
- 2020年1月17日 実施
ANA(全日本空輸)とヴァージン・オーストラリアは1月17日、包括提携契約の調印式を実施した。ANAにとって豪航空会社との提携は約20年ぶり、ヴァージン・オーストラリアが日本の航空会社と提携するのは初めてのこと。
ANAの豪州路線は羽田~シドニー線、成田~パース線を運航。2020年3月の羽田の昼間国際線枠拡大後には、羽田~シドニーを増便する計画を発表している。
一方のヴァージン・オーストラリアは、3月29日の羽田国際線枠拡大で提供される豪州路線のスロットを活用し、羽田~ブリスベン線を開設し、ANAとコードシェアを行なうことを発表している。
今回の包括提携では、まず、1月30日からヴァージン・オーストラリアが運航する豪国内のシドニー~メルボルン、ブリスベン、ゴールドコースト、アデレード、キャンベラの6路線でコードシェアを開始し、ANAの羽田~シドニー線でシドニーに到着した利用客が6都市へ乗り継げるようになる。
今春以降は、両社それぞれ運航する日~豪間の国際線や、ANAが運航する日本国内線においても開始するほか、豪国内のコードシェア便も拡大する予定となっている。
また、今春以降はマイレージプログラムでも提携。マイレージの積算や、両者特典航空券、プレミアム会員向けサービスなどの各種サービスを提供する予定としている。
包括提携契約調印にあたってあいさつしたANA 取締役 専務執行役員の藤村修一氏は、まずオーストラリアで猛威をふるう森林火災について触れ、ANAとしてお見舞い金などを用意したことを紹介。
その日豪市場については、「2018年のお客さまの数を見ると、日本を訪問した豪人が55万人、豪を訪問した日本人が47万人、合わせて100万人を突破した。非常に大きな市場として成長してきている」との認識を示したほか、以前は新婚旅行客などが多かったのに対し、「最近は資源ビジネスなどのビジネス渡航客が増えており、ビジネスにとって重要な市場と思っている。パース線もビジネスの方々にかなりご利用いただいている」と紹介した。
ヴァージン・オーストラリアに対しては、「卓越したサービスで知られているフル・サービス・キャリア。サービスの品質の高いパートナーに恵まれ、お客さまに一層の快適性、品質の高いサービスを提供できるようになると考えている。提携を機に日豪を結ぶ架け橋を強化し、願わくば日豪間のさらなる発展に共同で寄与していければ」との期待を示した。
ヴァージン・オーストラリアからは、チーフ・コマーシャル・オフィサーのジョン・マクラウド氏があいさつ。「5スター航空会社であるANAと提携できることを誇りに思う」と述べたうえで、自社について「サービスの質や安全性、定時性の高さ、オーストラリアでもっとも欠航が少ない」といった魅力を紹介。
羽田~ブリスベン線の開設については、「オーストラリアから日本へのインバウンドは成長しており、2019年はさらに10万人増えると予想している」と話し、日本人の訪豪については「クイーンズランドへのダイレクトアクセスを提供する。またヴァージン・オーストラリアはオーストラリア39地点、ニュージーランド5地点、南太平洋諸島7地点のネットワークを提供している」と自社ネットワークを紹介。
「ヴァージン・オーストラリアはオーストラリア人のフレンドリースピリットを体現する航空会社であり、旅行者を目的地につなぐ最良の方法」とアピールした。
また、会見には駐日オーストラリア大使のリチャード・コート氏も臨席。森林火災への日本からの支援、寄付に感謝を述べる一方、「私の今日のキーメッセージは、オーストラリアは世界をリードする非常に安全な観光地であり続けるということ。旅行者に素晴らしい観光体験を提供する多くの地域がある」とアピール。
そして、「ヴァージン・オーストラリアの羽田~ブリスベン線の立ち上げは、ANAのほかの便を補完するものであり、今後数か月でさらに楽しみになる」と期待を述べたあ。
なお、今回の発表では、コードシェアについて豪国内線6都市のみの発表となっているが、このほかのコードシェアについても早い時期に公表できるとし、藤村氏は「できる範囲ですべてやりたい。シドニー、パースは南の方の都市なので、やや迂回するようなルートになるかもしれないが、そのような都市も含めて全面的にやっていきたい」とコメント。また、羽田を経由した国際線~国際線乗り継ぎについての可能性も示している。
一方、ヴァージン・オーストラリアの羽田~ブリスベン便は日本到着が20時と、日本の国内線に接続するには遅い時刻となる。この点についてコメントを求めると、マクラウド氏は「確かに最初の段階では遅い時刻の到着になるので多くの(日本国内)都市に乗り継ぐのは難しい。今後はもっと少し早く羽田に到着できるようダイヤを変更したいと思っているので、そうなればブリスベンから羽田に来た人が乗り継ぎやすくなる」と、運航ダイヤを変更する可能性を示唆した。