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ANA、全席にシートモニターや電源装備の国内線ボーイング 777-200型機を公開。11月16日就航
2019年11月14日 17:00
- 2019年11月16日 就航
ANA(全日本空輸)は、11月16日に国内線に導入する、AC電源やUSB電源、シートモニターを全席に備える新シート搭載のボーイング 777-200型機を報道公開した。
ANAでは国内線の主力機と位置付けるボーイング 777-200型機とボーイング 787-8型機に新シートを導入することを表明しており、シートそのものは5月にプレミアムクラス、普通席ともに仕様を発表していた(関連記事「ANA、国内線777と787の新シート公開。プレミアム/普通席にタッチ式モニターとAC/USB電源を完備」)。
計画では、ボーイング 777-200型機の8機、ボーイング 787-8型機の11機に新シートを導入する予定で、その新仕様初号機となるボーイング 777-200型機(登録記号「JA715A」)が、11月16日の羽田~福岡線から運航を開始する。11月~12月の導入便は下記の予定となっている。
国内線新シート搭載機の運航スケジュール(11月16日~30日、12月27日~31日)
ANA243便: 羽田(08時20分)発~福岡(10時15分)着
ANA250便: 福岡(11時20分)発~羽田(13時00分)着
ANA27便: 羽田(14時00分)発~伊丹(15時05分)着
ANA32便: 伊丹(16時00分)発~羽田(17時10分)着
ANA75便: 羽田(18時00分)発~新千歳(19時35分)着
ANA82便: 新千歳(20時30分)発~羽田(22時10分)着
国内線新シート搭載機の運航スケジュール(12月1日~26日)
ANA241便: 羽田(07時25分)発~福岡(09時30分)着
ANA248便: 福岡(10時20分)発~羽田(11時55分)着
ANA65便: 羽田(13時00分)発~新千歳(14時35分)着
ANA68便: 新千歳(15時30分)発~羽田(17時10分)着
ANA75便: 羽田(18時00分)発~新千歳(19時35分)着
ANA82便: 新千歳(20時30分)発~羽田(22時10分)着
初導入となったボーイング 777-200型機は、プレミアムクラス28席、普通席364席の計392席仕様となっており、従来のプレミアムクラス21席、普通席384席の計405席から、プレミアムクラスを増席したのが特徴となる。時刻表などでは従来仕様機が「772」、新仕様機が「722」と表記して区別されている。
また、今後導入を予定しているボーイング 787-8型機も、現行のプレミアムクラス12席、普通席323席から、プレミアムクラス28席、普通席284席へと、プレミアムクラスを増席した仕様となる。
新仕様機は、シートモニターやAC電源、USB電源を全席に備えるのが特徴となる。ANAの国内線ではエアバス A321neo型機にシートモニター搭載シートを導入したのに続くもので、双通路の大型機への展開がスタートすることになる。
シートモニターを使ったコンテンツは、ライブTVや動画、電子書籍など、国内線機内Wi-Fiサービスで提供しているものを、旅客自身のスマホやタブレットだけでなく、シートモニターで楽しむことができると考えると分かりやすい。もちろんスマホやタブレットで無料のインターネット接続サービスを利用することも可能だ。
増席で広々。ディバイダとヘッドガードでパーソナルスペースを確保したプレミアムクラス
従来機の21席から28席へと増席されたプレミアムクラスは、2-3-2の7アブレストで4列のレイアウトとなった。座席が1列増えたことでプレミアムクラスのエリア全体の開放感が高まっている。国際線で先行して導入された「The Suite」とトーンを統一しており、濃いブラウンやグレー、ブラックを中心にした落ち着いた色合いの空間となっている。
シートは仏サフラン(Safran Seats)の製品をカスタマイズしたもの。表面はファブリック素材を採用し、柔らかすぎず堅すぎない、適度なクッション性を感じられた。また、レッグレスト、フットレストを備えるほか、リクライニングを電動化しており、離陸時の姿勢とリラックスした姿勢をボタン一つで切り替えることができる。
シートとシートの間には、ディバイダーに加え、ヘッドレストの外側に固定されたガードを装備。ディバイダーも固定式となっているがそれほどサイズは大きくなく、ヘッドガードとの組み合わせで隣席が気にならない一方で、閉塞感もそれほどではないサイズ感となっている。
シートモニターは15.6型で、タッチ対応。AC電源とUSB電源は手元に近い位置に設置されており、アームレスト部にAC電源とUSB電源を一体化したユニットを搭載している。また、ここに小物入れも備えており、充電中のスマホなどを入れておくスペースなどに活用できる。
シートテーブルもアームレストに内蔵。大きさはそれほどでもないが、これは出し入れのしやすさを重視しているという。そのために、テーブルそのものも軽くなっており、それほど力を入れなくてもアームレストから引き出すことができる。また90度回転することで、テーブルに物を置いた状態でも座席に出入りしやすくしている。
普通席も全席にAC電源、USB電源、シートモニターを装備
364席を備える普通席は、3-4-3の10アブレストで、従来機同様に最後方窓側5列は各1席減の2-4-2の8アブレストとなる。普通席は3つのエリアに分かれており、それぞれの最前列はシートモニターや電源位置などの仕様が異なっている。
シートはトヨタ紡織と共同開発したもので、すでにボーイング 767-300型機の一部に採用しているもの。2019年度のグッドデザイン賞を獲得したものとなる(ANAプレスリリース「ANAとトヨタ紡織が共同開発した国内線普通席の新シートが2019年度グッドデザイン賞を受賞」参照)。表面はファブリック素材で、青色を基調にさまざまな柄の表面デザインを採用している。
シート設計の面では、骨盤と臀部をしっかり支えてリラックスできる姿勢を保持し、背もたれのフレーム形状にもこだわり、痩身の人で顕著な背骨下部の特記を逃がす構造としている。また、どのような体格の人でもシートモニターが見やすい角度となるような設計を施している。
そのシートモニターは11.6インチで、タッチ操作に対応。最前列席はバルクヘッド埋め込みまたは、アームレスト部に収納されたモニターを取り出して利用する。
AC電源は1席につき1個ずつ装備。最前列は自席の足下となるが、2列目以降は前席の足下で着脱時の視認性はよい。USB電源はシートモニター下部に搭載している。ちなみに最前列席は、自席足下にAC電源とUSB電源が一体化したユニットを搭載しているのに加えて、シートモニター部にもUSB電源を備えるので、水平飛行中はUSB電源を2ポート利用できることになる。
シートテーブルは1枚板タイプで、手前に引き出すこともできる。向かって右側にカップホルダーが設けられているが、この形状をクローバー型とすることで取り出しやすくする工夫が凝らしてある。