ニュース

ソラシドエア、天草地域PR機「VISITあまくさ号」就航。熊本県 蒲島知事「﨑津教会とくまモンのコンビは最強」

世界遺産登録1周年を記念したコラボ

2019年10月30日 式典実施

ソラシドエアが天草地域観光推進協議会とコラボして、2代目の「VISITあまくさ号」の運航を開始した

 天草地域観光推進協議会は10月30日、ソラシドエアが実施する地域振興を目的とした機体活用プロジェクト「空恋~空で街と恋をする~」の第25弾となる「VISITあまくさ号」を就航し、記念セレモニーを熊本空港で実施した。

 空恋プロジェクトは、飛行機の機体や機内を利用して九州や沖縄の自治体を全国にPRするもので、熊本県では過去に、熊本県の「くまもんGO!」(2013年3月26日~2014年4月2日運航)、天草地域の「VISITあまくさ号」(2015年4月28日~2016年10月28日運航)、水上村の「水上スカイヴィレッジ号」(2018年8月1日~2019年9月18日運航)を展開してきた。

 ソラシドエアの空恋プロジェクトで同じ地域を取り上げるのは(震災復興応援機などを除くと)初めてのこと。2度目の登場となった天草地域の「VISITあまくさ号」は、2018年7月に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成要素としてユネスコの世界文化遺産に登録された、「天草の﨑津集落」の世界文化遺産登録1周年記念事業の一環として実現したものとなる。

セレモニーの開場には天草地域を紹介するパネルが展示された

 機体は登録記号「JA808X」を用い、約1年間運航。乗降機に利用するL1ドアの脇には、イルカに乗ったくまモン、機体後方に「天草の﨑津集落」のレタリングと、「世界遺産2018」のメッセージとともに「﨑津教会」とくまモンが描かれている。

 また、CA(客室乗務員)がイルカに乗ったくまモンを描いたエプロンを機内で着用するほか、座席ポケットへの天草の情報誌の設置などを行なう。

ソラシドエアの「VISITあまくさ号」。登録記号はJA808X
機体前方のL1ドア脇に「イルカに乗ったくまモン」が描かれる
機体後方には「天草の﨑津集落」「世界遺産2018」といったレタリングとともに、﨑津集落とくまモンのコラボイラストを描いている
CA(客室乗務員)は「イルカに乗ったくまモン」デザインのエプロンを機内で着用する
機内のシートポケットに上天草市のガイドブックを設置

 この就航を記念し、10月30日のSNA16便(熊本14時45分発~羽田16時20分着)の搭乗口でセレモニーが行なわれた。

 主催者を代表してあいさつした熊本県天草市 市長で天草地域観光推進協議会の副会長を務める中村五木氏は、「天草地域では2018年5月に九州本土と天草を結ぶ天城橋が開通し、7月には﨑津集落が世界文化遺産に登録されるなど、地域を内外にPRする絶好の機会を迎えている。こうした機会を新たな発展の契機とするため、天草市、上天草市、苓北町など天草の経済観光団体を含めたオール天草の体制で、一層の誘客拡大に向けた取り組みである『あまくさ”旅”プロジェクト』を展開している。具体的には、世界文化遺産登録1周年を記念したイベントやキャンペーンの実施、外国人観光客の取り込みに向けた海外の旅行博への出展、サイクルツーリズムの推進などをとおして、より多くの方々に天草に訪ねていただき、そのよさを実感していただきたいと期待を寄せているところ」と、昨今の観光施策について紹介。

 そうした取り組みの一環として運航するVISITあまくさ号については「空から天草の魅力を発信するものであり、本日の就航によって世界文化遺産登録1周年が広く知れわたってほしい」との期待を示した。

熊本県天草市 市長・天草地域観光推進協議会 副会長 中村五木氏

 続いてあいさつした熊本県知事の蒲島郁夫氏は「(参列者を挙げて)天草一体となって就航を喜んで折られることが分かる。私はなぜか来賓になっているが、どちらかというと主催者に近い来賓なので、大成功に終わることを心から願っている」と笑いを誘いつつ、「﨑津集落だけでなく、山と海の美しい天草の景観、美味しい海の幸、イルカウォッチングなどさざまなな観光資源が天草にある。それを知っていただきたいと(の思いが)、VISITあまくさ号就航になったと思う」とコメント。

 また今回、くまモンが描かれることについても触れ、「きれいな﨑津教会と、そしてくまモン。くまモンは熊本の宝。このコンビネーションは最強。くまモンの2018年の関連商品の売り上げはは1507億円。これにあやかって、さらに天草地域の観光客が増え、経済的な豊かさに大きく貢献することをお願いしたい。そして、VISITあまくさ号就航で天草がさらに知れ渡り、多くの方が天草、熊本にいらっしゃることを期待している」との期待の言葉を述べた。

熊本県知事 蒲島郁夫氏

 最後にマイクの前に立ったソラシドエア 代表取締役社長の髙橋宏輔氏は、「再度活用いただいて感謝」と切り出し、「2015年4月に最初のVISITあまくさ号を運航して、4年数カ月ぶりとなる。今回は機体後方の横に﨑津集落の教会とくまモン、前方ドアの脇にはイルカに乗ったくまモンが描かれており、前回に増して魅力的。熊本のシンボルであるくまモンと、イルカと教会が天草を象徴しており、アピールになるのでは」と期待を寄せた。

 また、最近天草地方を訪れたとのエピソードを開かし、「﨑津集落は天草市にあるが、上天草氏も最近はリゾラテラスなど新しい魅力的な施設ができている。苓北町はなんといっても富岡城があるし、窯元めぐりも有名。そういったさまざまな魅力を、いろいろな形で発信して、ともに天草を盛り上げていきたい」との意欲を示した。

株式会社ソラシドエア 代表取締役社長 髙橋宏輔氏

 その後、司会者から「さらにお二人がセレモニーの応援に駆けつけてくれていますので紹介します。営業部長兼しあわせ部長のくまモンと上天草市特命係長の上天草四郎くんです!……とご案内しているんですが姿が見当たりません。2人とも大きすぎて保安検査場を通れなかったとのことで……」と、搭乗口でのセレモニーには登場しないが、後ほど地上からお見送りに参加することを紹介。続いて、来賓がそろってテープカットが行なわれた。

テープカットに参加したセレモニー出席者。左から株式会社ソラシドエア 代表取締役社長 髙橋宏輔氏、熊本県 天草広域本部長 古森光津代氏、苓北町長 田嶋章二氏、上天草市長 堀江隆臣氏、天草市長 中村五木氏、熊本県知事 蒲島郁夫氏、国土交通省 大阪航空局 熊本空港事務所 総務課長 高橋英司氏、熊本国際空港 取締役副社長 田中康徳氏、熊本県 企画振興部 地域・文化振興局長 倉光麻里子氏、熊本県 企画振興部 交通政策・情報局長 内田清之氏
テープカット

 続いてセレモニーでは、天草コレジヨ館に復元展示されている西洋古楽器を使った演奏グループ「コレジヨの仲間」による演奏会が行なわれ、「イムヌス・アヴェ・マリス・ステラ」「アリエッタヴィータ」の2曲が搭乗ロビーに響き渡った。

 そして、搭乗客には、搭乗時に記念品や搭乗証明書を配布。機体後方にデザインされている「﨑津協会とくまモン」をデザインしたピンバッチや、ちりめんじゃこ入りのかりん糖、天草灘の海水から採られた「あまくさン ソルト」、観光パンフレットなどがプレゼントされた。

コレジヨの仲間による「イムヌス・アヴェ・マリス・ステラ」の演奏
コレジヨの仲間による「アリエッタヴィータ」の演奏
搭乗客代表への記念品プレゼント
関係者が並んで搭乗客一人一人に記念品をプレゼントした
配布された記念品
搭乗証明書
機体後方にデザインされている「﨑津協会とくまモン」をデザインしたピンバッチ
ちりめんじゃこ入りのかりん
天草灘の海水から採られた「あまくさン ソルト」

 セレモニー参列者はその後、機体の脇へと移動。司会者から予告があったとおり、くまモンと上天草四郎くんも現われ、出発する機体の見送りに参加した。

 この日のSNA16便には155名(幼児1名含む)が搭乗。ほぼ定刻どおりの14時46分に出発し、青く晴れた熊本から東京・羽田へと飛び立って行った。

くまモンや上天草四郎くん、関係者が地上が「VISITあまくさ号」をお見送り
SNA16便、「VISITあまくさ号」が離陸