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JR西日本と瀬戸内海汽船、せとうちエリア観光用の高速クルーザー「SEA SPICA(シースピカ)」建造に着手

2020年夏竣工予定。広島港(宇品)~三原港間に就航

2019年10月16日 発表

JR西日本グループと瀬戸内海汽船グループが新造する観光型高速クルーザー「SEA SPICA(シースピカ)」

 JR西日本(西日本旅客鉄道)と瀬戸内海汽船らは10月16日、「せとうちエリアの海事観光の振興に向けた連携協定」(2019年5月8日締結)に基づく、観光型高速クルーザーの名称、デザイン、仕様などを発表した。間もなく建造に着手し、2020年夏のオリンピック・パラリンピック開催時期に合わせて竣工、お披露目を予定している。

 船舶の名称は「SEA SPICA(シースピカ)」で、「豊穣の女神を象徴する乙女座の一等星で、日本名を真珠星と言います。この船が、瀬戸内の海で、青白く美しい輝きを放ちながら、お客様を自由で開放的な旅にいざないたい」との願いを込めたという。

 デザインはえちごトキめき鉄道の「リゾート雪月花」なども手がけた、イチバンセンの川西康行氏によるもの。外観は濃い青色と真っ白なボディを対比させたカラーリングを基調に、瀬戸内の夕焼けをイメージする金色をポイントにあしらった。

 仕様は「瀬戸内の多島美を贅沢かつ効率よく楽しむための設備および高速性能を具備(デッキを含めたバリアフリー対応)」「外国人観光客にも快適にご利用いただける船内案内設備」「旅行会社によるチャーターにも適した90人程度の座席定員」が主なポイント。

 1階の客室には特注のソファ型座席を採用し、各席にテーブルやドリンクホルダーを設置。窓側の座席は窓からの景色が見やすいよう外側に傾けるなどの工夫を施す。このほか、Wi-FiやAC電源も装備する。

 2階はフリースペースとしての屋外デッキとなっており、瀬戸内の島をイメージしたユニークなソファを配置するという。また、1階と2階の間には車いすでも昇降できるバリアフリー設備を用意する。

 同船は、JR西日本グループのJR西日本イノベーションズと、瀬戸内海汽船グループの瀬戸内シーラインが共同出資する瀬戸内島たびコーポレーションが、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の支援を受けて建造、保有。竣工後は瀬戸内シーラインへ譲渡し、広島港(宇品)と三原港とを結ぶ「瀬戸内しまたびライン」として運航する。

船内イメージ(1階客室)
船内イメージ(1階客室)
船内イメージ(2階デッキ)