旅レポ

「ウィズコロナ時代」の新スタンダードな旅行を東京発~広島への旅で体験してみた

ウィズコロナ時代の旅行は何に気を付ければいい?

 ロックダウンや自粛などを経て、新スタンダードな生活が必須となった昨今。日常生活だけでなく、旅のスタイルも新たな領域へ。10月1日より東京発着の「Go To トラベル」も解禁となり、旅の計画を立て出した人も多いのでは!?

 とはいえ、何を持っていくと安心で便利? 密をなるべく避けるには? と疑問はつきません。ということで新幹線を利用して1泊2日の国内旅行へと出てみました(関連記事「秋はGo To 広島&瀬戸内! 1泊2日で列車と船とグルメの旅」)。そんななかで便利だったサービス、持っていてよかったグッズ、訪れたエリアでの対策などをレポートします。

旅に向けてアプリのダウンロード&ポーチに衛生用品をイン

 出発前に、ウィズコロナ時代の新しい旅のあり方をきっちり理解するために、観光庁の「新しい旅のエチケット」をチェック。Go Toトラベル運営事務局の動画も分かりやすかったです。一度見ておけば安心な、新しい生活様式での旅エチケットを知ることができます。

「新しい旅のエチケット」動画

 着替えやメイク道具とともに、いつものポーチには、消毒スプレーやウェットティッシュ。マスクの予備も含めて2~3枚ほど。使い捨てタイプ、洗って繰り返し使えるタイプはお好みで。個人的にはハンディのハンドソープもあると◎。そして毎朝の検温に必要な小さめの体温計も入れて準備は万全。お財布には本人確認用の免許証が入っているかも確認。海外旅行をするときのような感覚でした。また、厚生労働省公式アプリ「COCOA」のダウンロードも忘れずに。あわせてBluetoothをオンにしておきましょう。

ポーチには消毒スプレー、ウェットティッシュ、マスク数枚と体温計
厚生労働省公式アプリ「COCOA」をダウンロードし、Bluetoothもオンに

新幹線の行き帰りの駅弁は、ネット予約で密を避けて確実にゲット!

 そして旅のお楽しみ駅弁! 店舗での密を避けるためにあらかじめ予約をすることにしました。今回初めて利用したのが、ジェイアール東海パッセンジャーズが提供する駅弁予約サービス。東京駅で受け取れるお弁当のなかから「秋味満載」(1200円)をチョイス。当日10時以降受け取りならばWeb予約で、それより早い時間帯なら電話で1個から注文できるので便利。注文は受け取りの3日前まで。今回は電話予約で指定された駅のホームの売店で支払い、受け取りました。

ジェイアール東海パッセンジャーズが提供する駅弁予約サービス
東京駅をはじめ各駅で予約&受け取ることのできる駅弁がラインアップされています
ホームの売店で当日支払いで受け取ります

 もちろん帰路の駅弁も出発前に予約済み。山陽新幹線指定席駅弁お届けサービス「駅弁デリ」で密を避けつつ、夕方以降でも確実にお目当てが手に入れられる方法を選択しました。利用方法はとても簡単。乗車3日前までに無料登録後に乗車する日時と新幹線ナンバー、号車&座席などを登録し、注文可能な駅弁をチョイスするだけ。乗車する新幹線の時間帯により注文できる駅弁が限られますが、肉や魚系、キャラ弁に幕の内と種類も豊富。前日ならばおまかせ幕の内セット、3日前までならば、JR西日本各駅の人気の駅弁が選べます。

座席までお届けしてくれる車内販売と連携した「駅弁デリ」を利用しました
ラインアップは各駅の人気の駅弁が中心。肉系、魚系に幕の内といろいろあります

 支払いは当日指定座席にて。もちろん混雑もゼロです。駅弁は出発から約15分ほどで座席にお届けしてくれるので、ちょっぴりVIPな気分にも。今回は広島駅で購入できる「夫婦あなごめし」(1300円)が手元に。もちろん車内販売のため、乗務員はマスク着用としっかりと感染拡大防止対策もバッチリ。トレーでの金銭やり取りで安心して購入ができました。

事前に注文していた駅弁が到着!
支払いはトレーで金銭のやり取り。電子マネーやクレジットも推奨
混雑を避け、お目当てをゲット!それではいただきま〜す

移動中も対策をしっかりと。車内販売でのマスク着用や換気で安心

 今回の移動は約4時間ほど。車内で長時間過ごすからこそ、新幹線内の感染予防の取り組みが気になります。事前に調べたところ6〜8分程度で車内の空気を入れ替えているとのこと。実際に乗車中も空気のこもりを感じることなく、同時に車内販売も含め乗務員のマスク着用が徹底されていたため、安心してお目当ての「オーボンヴュータン/プティ・フール・セック」(590円)を購入できました。また、トイレタイミングで席を立ったときには、手すりなどを消毒する乗務員の姿を見かけました。詳しい対策は、JR西日本/東海のWebサイトでも紹介されています。

ワゴン販売時も乗務員はマスク着用で対応してくれます
新幹線スイーツとして話題の「オーボンヴュータン/プティ・フール・セック」を購入

この秋イチオシ! 海と陸が楽しめる観光列車&クルーザーでの対策をチェック

 今回の旅のメイン2つ。まずは10月3日デビューの「etSETOra(エトセトラ)」への乗車。こちらの対策もチェックしました。往路約3時間、復路約2時間半の旅のため気になるところです。車両内のバーカウンターには衝立を設置し、カウンター下には手洗い用のシンク。抗ウイルス、抗菌処理済のステッカーも確認できました。消毒液の設置や密にならないような空間作り、乗務員の各号車への配置で乗客があまり動くことなく過ごせる工夫も。

10月3日デビューの観光列車「etSETOra(エトセトラ)」
バーカウンターには衝立を設置しています
カウンター下にはシンクもあり、すぐに手が洗えます
抗ウイルス、抗菌処理済を示すステッカーも発見しました

 そしてもう一つのメイン、瀬戸内観光型高速クルーザー「SEA SPICA(シースピカ)」。広島と三原の間を往復するクルーザーへの乗船です。乗務員全員のマスク着用はもちろんのこと、船の出入口には消毒液を設置。足で踏むタイプで直接触れることなく使用ができました。そして正面の4面モニターも活用して、観光案内やアナウンスも自席でしっかり見て&聞き取れる工夫もされていました。こちらでも、しっかり抗ウイルス、抗菌処理済のステッカーを確認。

瀬戸内でアイランドホッピングが楽しめる「SEA SPICA(シースピカ)」
足元を踏んで消毒液を出すタイプでした
船内のどこからでも見える正面の4面モニターで案内をして密を避けます
抗ウイルス、抗菌処理済のステッカーも確認

 さらに物販エリアにはシールドを設置。そしてスマホからお土産が購入できる「みやげっと in SEA SPICA」も提供。QRコードから専用サイトにアクセスし、お土産を直接相手や自分へと配送できるなど、多くの人がお土産に手に触れることで感染拡大にならないよう、直接配送で安全に届ける形に。なお、室内だけでなくデッキに行けば開放感のある時間も過ごせるなど、屋外部分を活用した密を避ける旅も楽しめると感じました。

「みやげっと in SEA SPICA」で直接商品に触れることなくお土産を購入できます
専用サイトでは海産物や重量の大きい商品を中心にラインアップ
デッキにいけば空気の循環をあまり気にせずに船の旅が楽しめます

 なお、移動で利用した在来線でも、抗菌処理や自動換気を示すステッカーを見かけるなど、日常生活に溶け込む形で対策がしっかりとされていることも実感できました。

在来線を利用した際にもきちんと対策がされていること示すステッカーが貼られていました

訪問先でも安心&安全に旅を楽しみたい! 各所の感染防止策をチェック

「広島ならではの食事が食べたい!」と旅行中に訪れたのは「ひろしまお好み物語 駅前ひろば」の「そぞ」。JR広島駅南口から徒歩3分で本格的なお好み焼きが味わえるスポットです。こちらでは、従業員のマスク常時着用などともに入口での消毒。鉄板のアツアツお好みを目の前にすると思わずワイワイしがちですが、逆にこの状況下だと黙々とお好み焼きを味わうことに集中できました。

「ひろしまお好み物語 駅前ひろば」の「そぞ」でランチ!
マスク姿のスタッフが丁寧に焼いてくれるお好み焼きをじっくり眺める
マスクを外すタイミングもあるため消毒などは念入りに

 続いては人気のスイーツが味わえる「八天堂カフェリエ」。こちらは入店時のアルコール消毒。全スタッフのマスク着用。トング&カゴの消毒に店内混雑を避けるための対応なども。「くりーむパンづくり」に関しては、もともと食品を扱うため消毒も徹底、マスクの着用も必須、衛生管理も行き届いているため、大きな変化も感じることなく自然にできました。

「八天堂カフェリエ」でくりーむパンづくり
入店時のマスク着用とともにパン作り前には入念な手洗い
パン作りを指導するスタッフも手袋&マスク姿

 そして「旅先の地酒もたしなみたい!」と西条酒蔵通りへ。屋外のため、ほかの観光客との距離はあり、当日は雨模様のため想像以上に快適。雨のなか趣のある街並みをゆったり歩くのは風情があっていいものです。立ち寄った「賀茂鶴酒造」のエントランスには消毒液とマスク着用のお願いのポスター。見学部分の樽椅子も距離があり、試飲エリアのシールドや使い捨てカップでの提供など徹底されている印象でした。

「賀茂鶴酒造」のエントランスには消毒液などを設置
入り口手前にはマスク着用をお願いするポスターも
映像エリアの椅子も密を避けて余裕のある配置になっています
試飲スペースではシールドや衝立なども設置

滞在先に到着。ホテルでは検温、消毒。自室からレストランの混雑状況もチェック可能に

 1泊したのは「ホテルグランヴィア広島」。JR広島駅直結で利便性の高いホテルです。感染拡大防止対策もしっかりされており、エントランスでは検温と手の消毒が必須。カウンターでは、検温などを実施。従業員のマスク着用の徹底はもちろんのこと、使用頻度の高い場所のこまめな消毒。飛沫防止シールドの設置やキャッシュレス決済の推奨、エレベーターの使用人数の制限など細やかな部分にも配慮を感じました。

宿泊した「ホテルグランヴィア広島」。駅近で旅の拠点にぴったり
エントランスでは消毒液での消毒からスタート
チェックイン時には体温測定を実施
ロビーカウンターのシールド。足元にもソーシャルディスタンスマークがありました

 滞在中に特に対策を感じたのが食事の場面。朝食では「3密見える化サービス」を導入して、客室内タブレットから混雑具合を確認することができました。手元でサクッとチェックができるため、密を避けてレストランを利用できます。ディナーではメニューがQRコードでの読み取り式にもなっていました。

「3密見える化サービス」を提供。自室から混雑具合をタブレットで確認できます
レストランの入り口前で体温チェック
QRコードでメニュー提供。食事中のマスクカバーも提供されます

新スタンダードのなかで初めての旅を終えて思ったこととは?

 新しい旅のエチケットとルールを意識しながら旅した1泊2日。約9か月ぶりの旅のため、出発前の不安はもちろんありました。ですが事前に準備をしっかりし、列車&クルーザーに訪問先、滞在ホテルでの感染症拡大防止対策を調べ、現地での徹底度合いを間近に体感したことで、想像以上の安心と安全のなか楽しめました。

 コロナ前の旅とまったく違うと痛感したのは、いつも以上の配慮が必要なこと。手洗い、マスク、頻繁な消毒に会話の頻度など、旅先の対策に従い、自分ができることをしっかり行なうことは、自分自身のためであり、受け入れてくれる旅先への必要最低限のマナーであると感じました。

 個人的に注意するポイントだと思ったのは、食事途中の席外し。トイレに立つ際にマスクをしない状態でそのまま行きそうになり慌てて戻ったりも1度だけありました。また、ご飯に夢中になりマスクを席下に落としてしまうことも……。以上の経験から、予備のマスクやマスクケースの準備、目につく場所にケースに入れたマスクを置いておくといった工夫が大事だと痛感。

 なお、本当に「マスクをなくしてしまった!」というピンチの際でも山陽新幹線の車内販売にて「デニムマスク」(1320円)や「今治タオルマスク」(1430円)の購入ができます。現地のコンビニを数か所巡りましたがマスクの在庫もしっかりありましたし、予備に買い足すことも今回できました。

 また、観光地に対して一番大切な、しっかりお金を使うことも忘れずに。自分のできる範囲で無理をせず、でも「また来られるように!」の気持ちを込めてちょっと奮発してみると、また違う旅のおもしろさが見えてくるのではないでしょうか。ぜひ、自分なりに工夫をして新スタンダードな生活のなかでの旅を楽しんでみてください。

相川真由美

フリーライター/鉄鋼業やIT系やエンタメ関連の雑誌やWeb媒体の編集者を経て、フリーの記者として活動中。海外は一人旅がほとんど。趣味は世界のディズニーのパーク&リゾート巡り。最近は年間パスポート片手に日々舞浜通い。うなぎとチョコレートが好物で、旅の基本は“出されたものは全部食べる”。激辛とうがらしから謎の木の実まで挑戦するのがモットー。