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成田空港、第3ターミナルの新たな到着ロビー公開。待合所や手荷物宅配カウンターなど新設。9月5日供用開始

出発/到着を分離して混雑緩和図る

2019年9月4日 公開

2019年9月5日 供用開始

NAA(成田国際空港)が9月5日に供用を開始する、拡張した到着ロビーを公開

 NAA(成田国際空港)は、既報のとおり、第3ターミナル1階の到着ロビーを拡張し、9月5日に供用を開始する。供用開始に先立つ9月4日、拡張部を報道関係者に公開した。

 これまで、第3ターミナルの到着ロビーは、到着旅客専用のエリアとなっており、到着した旅客は出口を抜けたあと、すぐに2階出発ロビーへと移動。出発旅客の動線を逆流する形でターミナルの外へ進むルートとなっていた。しかしながら、第3ターミナルの設計上の年間取り扱い能力である750万人を2017年に突破、ピーク時には出発ロビーの混雑が深刻となっていたことから、到着客と出発客の動線を分離する構造へ変更。2018年8月から拡張工事を進めてきた。

 ちなみに、NAAでは2019年度末までに第3ターミナルにスマートセキュリティとインラインスクリーニングシステムを導入して年間取り扱い能力を900万人に高めるほか、2020年度にはターミナルを拡張。年間取り扱い能力を1500万人にまで高める計画としている。

 新たに拡張された到着ロビーは、以前にターミナル間連絡バスの発着場があったエリアを利用したもの。面積は1600m 2 で、国際線/国内線出口を抜けて新たな到着ロビーを通過し、以前にターミナル間連絡バスの通路として使われていた動線を利用して第3ターミナル入り口前へ、出発ロビーを経由せずに行くことができる。

 到着ロビーの出口の先はエスカレータまたはエレベータで2階へ上がることになるが、このエレベータも先進性を持たせたものを採用。聴覚障害者に配慮し、すべてのボタンは点字に加えて、ボタンそのものをエンボス加工。「電話マーク」ではなく「SOSマーク」とすることでボタンを押す際の気持ちの面でのハードルを下げ、かつ電話ではなくテレビ電話を採用し、筆談やジェスチャーでコミュニケーションを行なえるようにした。

第3ターミナルの新たな到着動線(NAAのニュースリリースより)
出口の先に拡張された到着ロビー。赤いマットで示されたルートに沿って進むと、出発ロビーを経由せずに屋外へ。そのまま、第3ターミナルの入口に行くことができる。また従来のようにエスカレータやエレベータ、階段を使って2階出発ロビーへ行くことも可能で、この階段は従来は禁止されていた2階から1階への移動も可能になる
エスカレータを使った移動は真っ直ぐ進むだけ。出迎えの人は、ここを逆流して、到着ロビーへ直接向かうこともできる
第3ターミナル入り口前に直結。以前にターミナル間連絡バスの乗降場へ向かう際に利用していたルートを利用している
1階と2階を結ぶエレベータ
聴覚障害者に配慮した先進的なエレベータを採用。エンボス加工された「SOS」マークの採用やテレビ電話によるサポートが大きな特徴で、呼び出しに応じない場合は係員が必ず現場に行く運用とし“係員が向かっていること”を表示する仕組みも設けている。ちなみにエンボス加工された「SOSボタン」は、このエレベータのために特注したという

 面積の拡張に伴い、施設面も充実。特に大きな変化となるのは待合エリアとして利用できるようなった点だ。先述のとおりこれまでの第3ターミナル到着ロビーは到着旅客専用となっており、出迎えの人も出発ロビーで待つ必要があった。新たな到着ロビーには約120席のシートを設け、旅客以外の立ち入りも可能とすることで待合エリアとして利用できる。

 出迎えの人は、先述の到着旅客の動線を逆流することで、出発ロビーを経由せずに到着ロビーに行くことができるほか、これまで禁止されていた出発ロビーから到着ロビーへ階段を使って下りることもできる。逆にフードコートや商業施設など、出発ロビーにしかない施設もあることから、到着旅客が従来の動線で出発ロビーに行くこともできる。

 ちなみに、拡張されたエリアは2階建て構造だが、2階部分は現在使用されていない状態となっている。この2階部分を利用して出発ロビーにあるフードコートを拡張することなどを検討しているという。

 このほか、バス乗車券売り場や京成電鉄の券売機を2階出発ロビーから移設。これまで第2ターミナルにある店舗の利用が案内されていた手荷物の宅配カウンターが新設されるほか、SIMカード販売/Wi-Fiレンタルカウンター、ATM、外貨両替所なども設置される。

拡張後の第3ターミナル1階到着ロビー店舗

・免税店(Fa-So-La ARRIVAL DUTY FREE)、※国際線到着ロビー内
・外貨両替所(みずほ銀行)、6時~24時
・バス乗車券販売(グリーンポート・エージェンシー)
 【リムジンバス】6時30分~23時
 【京成バス】7時~22時
 【JRバス関東】7時~22時
・鉄道乗車券自動券売機(京成電鉄)、7時~21時
・手荷物宅配(グリーンポート・エージェンシー)、6時30分~最終便
・手荷物一時預かり(グリーンポート・エージェンシー)、6時30分~22時
・Wi-Fiレンタル/SIMカード販売(SKY/GLOBAL WiFi)、9時~18時、※スマートピックアップのみ6時~21時
・SIMカード自動販売機(グリーンポート・エージェンシー/U-NEXT)、0時~24時
・ATM(セブン銀行/千葉銀行)、0時~24時

3か所に計120席のシートを設置。到着客を出迎える待合エリアとしても利用できるようになった
案内所は人が常駐して対応
SIMカードの自販機
SIMカード販売/Wi-Fiレンタルカウンターに加え、これまで第3ターミナルになかった手荷物宅配カウンターが新設される
空港のナビゲーションなどを行なえるデジタルサイネージ端末「infotouch」
バス乗車券の販売所や京成電鉄の券売機など、公共交通機関に関する施設/設備は2階から移設
ターミナル別の航空会社や、ターミナル間連絡バスの案内板
多機能トイレは2か所。奥にあるブースにはオストメイトを備えている
授乳ブースやおむつ替え台、洗面台、給湯施設を備えるベビールームを新設。授乳ブースのみ女性専用
女性用トイレには洗面台とは別にパウダーコーナーも設置している