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本日オープン! 成田空港「第3ターミナル」出発・到着ロビーをチェック
4月8日3時30分に供用開始、LCC 4社が利用
(2015/4/8 00:00)
- 2015年4月8日 3時30分 供用開始
成田空港は4月8日、LCCターミナルとして整備を進めてきた「第3旅客ターミナル」(第3ターミナル)の供用を開始する。供用開始に先立ち、館内のオープンスペースの模様や、アクセス通路の様子などを写真を中心にお届けする。
成田空港・第3ターミナルは、LCC(Low Cost Carrier、格安航空会社)向けに整備されたターミナルビルだ。成田空港ではLCCのシェアが急増しており、2012年冬ダイヤでは9.5%だった発着回数ベースのシェアが、2014年冬ダイヤで21.5%と初めて20%を超え、3月29日にスタートした2015年夏ダイヤでは24.1%にまで増加。この夏ダイヤの国内線シェアは69.8%と、実に7割近くをLCCが占めている。
中でもジェットスター(ジェットスター・ジャパンなどグループ含む)、バニラ・エア、Spring Japan(春秋航空日本)は成田空港を事実上のハブ空港(拠点空港)としており、国内線、国際線ともに多くの便を発着させている。この3社の週間発着回数は、ジェットスターは国際線32回/国内線414回、バニラ・エアが国際線84回/国内線98回、Spring Japanが国内線50回となっている。
このほか、韓国のチェジュ航空も第3ターミナルを利用することになっており、国際線のみの運航で、週間発着回数は28回。一方、国内の主要LCCの1つであるピーチ(Peach Aviation)は従来通り第1ターミナルを利用し、第3ターミナルへは移転しない。
LCCの旺盛な需要に対応し、かつLCC旅客がよりシンプルに利用できるターミナルとして整備された第3ターミナルは、旅客取り扱い能力が年間750万人で、延べ床面積は約6万6000m2。本館と、搭乗ブリッジを備えるサテライトで構成される。場所は第2旅客ターミナルビルの隣(北西約500mほどの場所)で、クルマで成田空港を訪れる人の多くが利用している第2ゲートを通過した目の前に構えている。
ただし、自家用車で直接第3ターミナルへアクセスすることはできず、第2ターミナル隣接の駐車場なりに停めてから移動することになる。交通アクセスについて、詳しくは後述する。
第3ターミナルの本館の主要機能は1~3階の3フロアにまとめられている。1階は到着フロアで手荷物引き渡し所と2階へアクセスするためのエリアが設けられる。この一部は非セキュリティエリアとなるが、原則として乗客以外は立ち入れず、出迎え客は2階のロビーで待つ必要がある。
3階は全てセキュリティエリアとなっており、主に国際線の出国手続き後のエリアで占められている。免税店などはここに並ぶ。
ちなみに国際線乗客の動線は、2階のセキュリティチェック通過後、3階へ進み、3階で出国審査、その後、本館2階のボーディングゲートまたはバスゲートラウンジを経由して飛行機へ搭乗する流れとなる。出発バスゲートは、時間帯により国際線、国内線を切り替えて運用される。
国内線出発客は2階のセキュリティチェックを通過後、3階を経由して4階から伸びる連絡ブリッジを利用し、サテライト側のボーディングブリッジから飛行機へ搭乗。先述の通り、一部はバスを利用しての搭乗となる。3階部分はトイレがある程度で、スルーするフロアと考えてよい。
なお、ボーディングゲートは、本館にある国際線用が5カ所(151~155)、サテライトにある国内専用が9カ所(161~164、171~175)となっている。
2階のワンフロアに出発・到着ロビーを集約
さて、第3ターミナルの大きな特徴は2階部分にある。セキュリティチェックの手前までは国内線/国際線を問わず、出発ロビーと到着ロビーの機能を全てこのワンフロアに統合している。出発する人、到着した人、見送りの人、出迎えの人、全てが、この2階に集まるというシンプルさが第3ターミナルの特徴だ。別の側面では、搭乗する旅客以外が立ち入れるのも2階部分のみとなる。今回見学したのは、この非セキュリティエリアである2階部分だ。以下、順に紹介していく。
なお、後述の連絡通路も含め、動線は陸上のトラックをイメージした、色分けされたルートが示される。出発時は青色、到着時は赤色のラインに沿って進むことになる。
エントランス部分
第3ターミナルに入ると、正面にチェックインカウンターが見える。右手には案内所、右手後方にはコインロッカーや証明写真機、左手後方にはコインロッカー、祈祷室、警察の交番がある。
コインロッカーは小型、中型、大型の3種類で、それぞれの6時間まで、6時間超24時間以内の価格は、小型200円/300円、中型300円/400円、大型400円/500円となっている。
チェックインカウンター
2階ロビー部の多くを占めるのが、航空会社のチェックインカウンターだ。入り口側から順にA~Fが割り振られ、カウンターと航空会社の割り当ては下記のようになっている。
A:チェジュ航空
B:Spring Japan
C:ジェットスター(国際線)
D:ジェットスター・ジャパン(国内線)
E:バニラ・エア(国際線)
F:バニラ・エア(国内線)
また、A~Fカウンターの両脇には大型手荷物の検査場が設けられており、入り口に近い側が国際線用、奥が国内線用と区別される。このほか、入り口寄りの壁側には、団体カウンターも設けられている。
チェックインカウンターの周囲
ここで、チェックインカウンターの周囲にある施設や、目に留まったものを紹介する。あえて“チェックインカウンターの周囲”のエリアに限定して紹介するのは、ここがカートを利用できるエリアである点で、その先とは利用上の違いがあるからだ。
第3ターミナルでは、チェックインカウンターエリアの先がやや下り坂となっているためか、ここでカートから荷物を下ろさなくてはならない。その先にあるフードコートなどではカートを利用できない点に注意を要する。
チェックインカウンターの先からセキュリティチェックまでの動線
続いては、チェックインカウンターの先のエリアだ。ここから出発客と到着客のルートが分かれており、出発客はここを右に折れてセキュリティチェックへ進む。到着客は1階から2階へ上がってきて、ここから入り口へと進む流れとなる。
まずは、モバイルルーターのレンタルショップや旅行保険会社、外貨両替カウンター。そして、到着客側レーンの脇には、成田空港から各地への鉄道、バスの乗車券売り場がある。乗車券売り場は、JR東日本と京成電鉄の自動券売機と、行き先別にレーン分けされたバス乗車券窓口が用意されている。
出発客は、ドラッグストアやお土産物屋、航空会社のショップを通り抜けてセキュリティチェックへと向かう。
第3ターミナルへのアクセス
最後に、第3ターミナルへのアクセスについてまとめておきたい。
まず、バスについては、第3ターミナルの前に乗降場が設けられており、成田空港へのアクセスバスを運行している多くの路線が第3ターミナルへも乗り入れる。東京駅からの格安バスを始め、路線がある地域から第3ターミナルを利用するならバスが便利だ。また、タクシーもこの乗降場の横に乗り入れスペースが設けられている。ここのエスカレータから第3ターミナルまでは約80mと記載されていた。
第2ターミナルからのアクセス
一方、自家用車は乗り入れできない。そして、鉄道駅が設けられていないため、これらの交通手段で利用する場合は、第2ターミナルから徒歩もしくはターミナル連絡バスを利用して来ることになる。
ターミナル連絡バスは第2ターミナル~第3ターミナルの直行バスが、4時30分~23時に5~12分間隔で運行される。所要時間は第2ターミナル発~第3ターミナル着が10~15分、第3ターミナル発~第2ターミナル着は5分。また、第1ターミナル~東成田を巡回するターミナル連絡バスも第3ターミナルに停車する。
徒歩の場合は、第2ターミナルからの連絡通路を利用する。ここも陸上のトラックをイメージした舗装になっている。第2ターミナル「北口1」~第3ターミナル出入り口の距離も示されており、その距離は630m。かなり距離があるため、途中に4カ所の休憩スペースも設けられている。