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NEXCO東日本、定例会見。蓮田SAは開業2日間で5万人が利用、オリンピックに向けた交通規制試行で最長18kmの渋滞が発生

2019年7月31日 開催

東日本高速道路株式会社 代表取締役社長 小畠徹氏

 NEXCO東日本(東日本高速道路)は7月31日、2019年度2回目の定例会見を東京・霞が関の本社で開いた。

 代表取締役社長の小畠徹氏、取締役兼常務執行役員 管理事業本部長の髙橋知道氏、取締役兼常務執行役員 サービスエリア事業本部長の萩原隆一氏がNEXCO東日本の取り組みなどについて説明した。

NEXCO東日本管内最大規模の蓮田SAがオープン

 東北自動車道(E4)でこれまでから約2.5km東京側へ移して7月29日13時にオープンした蓮田SA(サービスエリア)は、NEXCO東日本管内で最大規模を誇るSAとなった。

 開業した7月29日と30日の2日間で約5万人の利用者があり、一般道側から利用できる92台の駐車場は同2日間で約2000台の利用で「夜間を除いてほぼ満車の状態」だったとのこと。蓮田駅とSA間でシャトルバスを運行しているので利用を検討してほしいと呼びかけた。

GW10連休などがよい影響を及ぼし交通量、売上高は増加

東日本高速道路株式会社 取締役兼常務執行役員 管理事業本部長 髙橋知道氏

 NEXCO東日本の4月から6月の営業概要については、髙橋氏と萩原氏が説明した。
1日あたりの交通量を表わす日平均交通台数は、前年同期比2.7%増の約297万2000台。料金収入は2.5%増の約2152億1100万円となった。これは2018年6月2日に開通した外環道(東京外かく環状道路)三郷南IC(インターチェンジ)~高谷JCT(ジャンクション)間(延長15.5km、4車線)などの新規供用開始の影響が「非常に大きい」うえに、ゴールデンウィークが10連休だったことも要因だとした。

 NEXCO東日本管内199か所のSAとPA(パーキングエリア)の状況については、売上高は前年同期比5.1%増の約394億5800万円。内訳では「飲食商品販売部門」が3.8%増の約258億4800万円、「ガソリンスタンド部門」が7.6%増の約136億900万円となった。10連休や4月から5月にかけての安定した天候などがよい影響を与えたほか、軽油の単価が約3円上昇したうえに販売が順調に増加したことなども要因だとした。

東日本高速道路株式会社 取締役兼常務執行役員 サービスエリア事業本部長 萩原隆一氏

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた交通規制試行の結果

NEXCO東日本、首都高、一般道の一部で交通規制試行を実施した

 続いて東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、NEXCO東日本、首都高(首都高速道路)、一般道の一部において7月24日と26日に実施した交通規制試行について、NEXCO東日本管内での混雑状況を報告した。

 この交通規制は「TSM(交通システムマネジメント)」と呼ばれるもので、東京2020組織委員会(公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会)と東京都が、2020年大会時に交通混雑が想定される箇所に対し、流入調整などで交通量を調整して円滑な交通を維持することを目的に試行したもの。

東京2020大会に向けた交通対策テストの概要(NEXCO東日本管内)

2019年7月24日/26日の終日(0時~24時)本線料金所のレーン規制を実施:
・東北自動車道(E4))上り 浦和本線料金所
「通常:専用5レーン/一般3レーン」→「テスト:専用2レーン/一般1レーン」
・常磐自動車道(E6)上り 三郷本線料金所
「通常:専用5レーン/一般3レーン」→「テスト:専用2レーン/一般2レーン」
・第三京浜道路(E83)上り 玉川本線料金所
「通常:専用4レーン/一般2レーン」→「テスト:専用2レーン/一般2レーン」

2019年7月24日の朝方に車線規制を実施:
・外環道(東京外かく環状道路:C3)内側 川口JCT手前
「通常:2車線」→「テスト:1車線」

2019年7月26日の夕方に車線規制を実施:
・関越自動車道(E17)上り 鶴ヶ島JCT手前
「通常:3車線」→「テスト:2車線」

東京2020大会に向けた交通対策テストによる交通混雑状況(7月24日)

2019年7月24日の終状況:
・東北道(E4)上り 浦和本線料金所付近で渋滞長最大約12km・通過所要時間最大約30分(9時40分~20時35分)
・常磐道(E6)上り 三郷本線料金所付近で渋滞長最大約15km・通過所要時間最大約90分(9時5分~21時10分)
・第三京浜(E83)上り 玉川本線料金所付近で渋滞長最大約5km・通過所要時間最大約20分(6時30分~8時40分)
・外環道(C3)内側 川口JCT付近で渋滞長最大約15km・通過所要時間最大約80分(6時5分~10時20分)

2019年7月26日の終状況:
・東北道(E4)上り 浦和本線料金所付近で渋滞長最大約15km・通過所要時間最大約20分(5時35分~21時15分)
・常磐道(E6)上り 三郷本線料金所付近で渋滞長最大約5km・通過所要時間最大約10分(5時50分~7時30分)
・常磐道(E6)上り 三郷本線料金所付近で渋滞長最大約17km・通過所要時間最大約160分(9時10分~22時10分)
・第三京浜(E83)上り 玉川本線料金所付近で渋滞長最大約6km・通過所要時間最大約20分(6時25分~8時45分)
・関越道(E17)上り 鶴ヶ島JCT付近で渋滞長最大約18km・通過所要時間約100分(15時20分~19時15分)

 NEXCO東日本管内では以上のような結果になり、組織委員会で全体の評価を行なっていく。ちなみに7月26日常磐道の「約160分」は渋滞内で追突事故が発生するなど複合的な要因により長時間化してしまったとのこと。そういった事故を除けばおおよそ想定していた渋滞規模であり、「2020年の大会本番に向けて安全、安心、快適な高速道路サービスを提供できるように最大限努めていきたい」と髙橋氏は述べた。