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NEXCO東日本、社長会見。台風19号で被災した上信越道 碓氷軽井沢IC~佐久ICの完全復旧は「かなり時間を要する」、小布施スマートIC/水戸北スマートICは「遅くとも年内には再開」

2019年10月28日 会見

東日本高速道路株式会社 代表取締役社長 小畠徹氏

 NEXCO東日本(東日本高速道路)は10月28日、2019年度3回目の定例会見を東京・霞が関の本社で開いた。

 代表取締役社長の小畠徹氏、取締役兼常務執行役員 管理事業本部長の髙橋知道氏、取締役兼常務執行役員 サービスエリア事業本部長の萩原隆一氏が会見に出席し、台風15号・19号、10月25日の大雨の影響などについて説明した。

東日本高速道路株式会社 取締役兼常務執行役員 管理事業本部長 髙橋知道氏
東日本高速道路株式会社 取締役兼常務執行役員 サービスエリア事業本部長 萩原隆一氏

 9月9日に首都圏を直撃した台風15号では、各地で暴風雨に見舞われ、管内高速道路では、特に風の強かった東京湾アクアライン(CA)をはじめとして最大12路線・約500kmが通行止めとなった。

 10月12日から13日にかけて東日本の広い地域を襲った台風19号では、各地で河川が氾濫・決壊するなど、甚大な被害をおよぼした。管内高速道路では、強風や大雨により、関東・東北地方を中心に約2200kmの高速道路が通行止めとなった。これはNEXCO東日本管理延長の半分以上になったという。

上信越自動車道 碓氷軽井沢IC~佐久IC間や、小布施スマートIC、常磐自動車道 水戸北スマートICなどの被災状況

 上信越自動車道(E18)碓氷軽井沢IC(インターチェンジ)~佐久IC間では、10月23日に通行止めが解除されたものの、上り線を使った暫定2車線での運用となっている。

 これは、佐久市香坂地区の盛土に変状が確認され、地下水位が上昇・亀裂が進行するなどしており、下り線の盛土が崩落する危険があるため。今後の早期開通再開に向けて有識者を含めた「上信越自動車道・長野自動車道 のり面対策技術検討会」を設置。現場視察も行なっているが、従来の4車線への復旧には「かなり時間を要する」見通しだ。

上信越道 碓氷軽井沢IC~佐久IC間は、従来の上り線を使った暫定2車線で運用中

 台風19号の大雨によって河川が氾濫し、上信越道 小布施スマートIC、常磐自動車道(E6)水戸北スマートICが浸水。ICの運用に必要な受配電設備など、「施設設備のすべてが損傷」した。土砂の撤去を行ない、代替となる仮設受配電設備を手配・調達を進めているが、グループ内では所有していない機材も多く、その手配・調達も含めてかなり時間がかかる見込みであり、「遅くとも年内には再開できるよう」作業を進めているという。

 10月25日の大雨では、千葉東金道路(E82)で時間雨量101mm、連続雨量342mmを記録。この大雨に、25日10時45分から圏央道(首都圏中央連絡自動車道)、東関東自動車道、常磐道など、ピーク時は最大7路線32区間・約320kmを通行止めにした。のり面崩落・路面の冠水が20か所で発生したが、成田空港へのアクセスから優先して復旧活動を行ない、25日20時に空港から東京方面、26日4時40分に東京から空港方面のアクセスを確保。最終的には26日22時30分の圏央道 市原舞鶴~茂原長南間をもって、全区間の通行止めを解除した。

 NEXCO東日本ではボランティアを対象にした通行料無料措置を継続し、被災地に対し義援金を拠出する予定。また、グループ全体の社員からも義援金を募りつつ、管内のSA(サービスエリア)/PA(パーキングエリア)にも募金箱を設置していると協力を呼びかけた。