東北道上り線に新しい蓮田SAが7月29日13時オープン NEXCO東日本(東日本高速道路)とネクセリア東日本が東北自動車道(E4)の上り線に建設していた、新しい蓮田SA(サービスエリア)が7月29日13時にオープンした。
新しい蓮田SAは以前の蓮田SAより約2.5kmほど東京方面に寄った場所で、規模はNEXCO東日本管内では最大級。駐車マスも広く、従来の蓮田SAでは大型車31台、小型車139台だったところ、新しい蓮田SAは大型車127台(うちバス優先20台)、小型車352台、トレーラー5台、身障者マス7台(小6台、大1台)という規模になる。
蓮田SAは利用者が多かったので、時間帯によってはかなり混雑することがあったが、広くなった蓮田SAでは混雑緩和が期待できる。
駐車マスは小型車139台から352台へ。トイレは個室が4倍に
これまでの蓮田SAより約2.5kmほど東京寄りに作られた NEXCO東日本では最も広いSAとなる。これは宇都宮方面の端から駐車場を見ている こちらは東京方面から見た風景。広さが分かってもらえるだろう SAへの進入路は路面の色を普通車と大型車で分けしていて分かりやすい。逆走を防ぐ看板は大きめ 身障者用の駐車マスは7台分。奥はオートバイ用の駐輪スペース SA出口のところにガソリンスタンドがある。24時間営業でフルサービス ガソリンスタンドのみの利用なら本線に沿って走れば駐車場をパスできる トイレ設備も拡張されている。トイレ棟は2棟作られており、規模は以前の蓮田SAと比べ、男性用は小で2倍、大は約4倍。女性用も約4倍だ。
内訳は大型車駐車マス側のトイレ棟には男性用小が16基、大が13基。女性用が46基となる。そして小型車駐車場側のトイレ棟は男性用小が16基、大が12基。女性用が53基という数である。
トイレの配置。男性用、女性用ともこれまでの蓮田SAより大幅に拡張されている 身障者用トイレもある。壁沿いには高さが2種類の手すりが設けてあるので、足腰の弱い方でも利用しやすいようにしている 忘れ物防止機能。大便器の後ろの棚にはセンサーが付いていて、ここにものを置いたまま扉のロックを外すと「忘れ物はありませんか」というアナウンスが流れる ホールには使用状況を表示するモニターがある。赤が使用中を示す 商業施設も以前の蓮田SAから約2倍の規模になる。この商業施設はNEXCO東日本が展開する道ナカ施設の「Pasar(パサール)蓮田」となり、出店店舗は高速道路初出店の11店舗を含む22店舗で、レストランが1店、ベーカリーが1店舗、テイクアウト専門店が4店舗ある。フードコートも6店舗と充実しており、席数は従来が約150席だったのに対し、Pasar蓮田では約330席と倍以上になっている。
そして、Pasar蓮田の特徴として生鮮ゾーンがあり、ここには地元蓮田の農産物を扱う八百屋から精肉店、鮮魚店が入っている。蓮田SAは東京に最も近いSAなのでドライブの帰りにPasar蓮田に寄れば、夕食用の食材も買って帰れるということになる。スーパーマーケット代わりに利用できそうだ。
なお、Pasar蓮田は高速道路外からも利用できるよう、一般道から入れる駐車場(90台分)も用意されている。
Pasar蓮田の外観。建物面積は約3580m2(別棟含む)。以前の蓮田SAは約1540m2だった 22店舗のにぎやかな出店で、そのうち高速道路初出店が11店もある 約330席の広さとなったフードコート。フードは店舗ごとに店前で注文&会計というシステム Pasar蓮田は一般道からも利用できる。こちらは一般道側のエントランス 一般道側の駐車場は約90台の駐車スペースがある。2輪車用の駐輪スペースも設けてあった 駐車場から施設までは高低差があるので、階段のほかにスロープが設けてあった 「絶対寄りたいSA」と思えるような施設に
さて、そんな新しい蓮田SAでは7月28日に報道向けの内覧会が開催された。
内覧会ではまずNEXCO東日本 サービスエリア事業本部 サービスエリア事業部長の城方 修氏が登壇。あいさつと新しい蓮田SA(上り線)の施設紹介を行なった。
城方氏は蓮田SAの概要を紹介したあと、「当SAの特徴は、まず防災拠点としての機能を持つことです。首都直下型地震など、大規模な広域災害が発生した際には、緊急出動機関の前線基地として活動支援できるよう、防災倉庫、発電設備、ヘリポートなど防災機能を強化しています」とこのSAならではの特徴を挙げた。
また、商業施設については「ここ蓮田SAの商業施設は29日よりPasar蓮田として営業開始いたします。Pasarは弊社のSA/PAのなかでは、規模が最も大きくフラグシップ施設と位置付けていて、首都圏に近いエリアを中心に展開しています。今回のPasar蓮田は7か所目となります。そしてPasar蓮田は多様化するお客さまのニーズに対して商業機能を充実させると同時に、東北自動車道の上り線における最後の休憩地として、くつろげる空間作りを目指しました」と語った。
東日本高速道路株式会社 サービスエリア事業本部 サービスエリア事業部長 城方修氏 続いてはネクセリア東日本 総館長補佐 猪股理恵氏からPasar蓮田の特徴が語られた。
猪股氏は「Pasar蓮田は高速道路を利用するお客さまだけでなく、一般道からの皆さまにも大変便利な施設となっています。NEXCO東日本では最大となる92台の一般道側の駐車場を整備するとともに、JR蓮田駅からPasar蓮田までのシャトルバスを運行します。また、店舗は地域の皆さまに日常的なお買い物で気軽にご利用いただけるよう、青果、鮮魚、精肉の専門店で構成する『旬撰市場(しゅんせんいちば)』を初めて導入しました。焼鳥や点心、おこわなどお総菜を取り揃えた店舗も複数あります」と紹介。
そしてさらに「東北道という高速道路のつながりから、仙台の名店『牛たん炭焼利久』が出店しているほか、東北各県、栃木県、埼玉県の銘菓やお土産物を取り揃える『旬撰倶楽部』があり、この蓮田という地域とのつながりを感じていただくため旬撰市場内の青果売り場には、地元の農家の方が作った農作物の直売コーナーも設けています」と、買い物に関してもほかのSAとは違った特徴を持つことをアピールした。
ネクセリア東日本株式会社 総館長補佐 猪股理恵氏。東北自動車道の利用者に「絶対に寄りたいSA」と思ってもらえるような施設になったと語った 内覧会の後半はゲストが登場してのトークショー。ステージに現われたのはNEXCO東日本SA・PAグルメアンバサダーを務める「もえのあずき」さんだ。
もえのあずきさんはつんく♂氏が楽曲を提供するアイドルグループ「エラバレシ」のメンバーだが、大食いグルメタレントとしても活躍している。
NEXCO東日本SA・PAグルメアンバサダーの活動では、各地のSA・PAを巡ってその場所ごとのグルメ情報を発信する。今回もいろいろな店舗をまわり、試食なども行なって食の部分が充実しているPasar蓮田のよさをPRしていた。Pasar蓮田を見て回った感想は、食事が美味しいということだけでなく、肉、魚、野菜などの生鮮食品が買えるところに驚いたとのこと。
NEXCO東日本SA・PAグルメアンバサダーを務める「もえのあずき」さん 地元蓮田から出店のうどん、そば専門店「翁の郷(おきなのさと)」から差し入れのうどんも試食。ファミリー向けでシェアして食べる用の超大盛り 商業施設「Pasar蓮田」の22店舗を紹介
ここからは、各店舗の写真を中心にPasar蓮田の見どころを紹介していこう。
Pasar蓮田唯一のレストランは、牛たんの本場である仙台にある「牛たん炭焼き利久」。高速道路初出店。営業時間は11時~21時30分(ラストオーダー21時) 蓮田の製麺会社「岩崎食品工業」の特製麺を使用するうどん、そば専門店が「翁の郷」。こちらは24時間営業 明治18年(1885年)に創業した蓮田屈指の老舗がプロデュースする定食・丼専門店の「ひのでや食堂」。地元食材を活かしたメニューを用意している。営業時間は7時~21時30分(ラストオーダー21時) 元祖すたみな丼の「伝説のすた丼屋」。秘伝のにんにく醤油ダレに絡めたジューシーな豚バラ肉を大盛りご飯に盛る「すた丼」が人気。営業時間は7時~21時30分(ラストオーダー21時)。NEXCO東日本初出店 「せたが屋」は魚介醤油ラーメンの人気店。厳選した煮干しや鶏肉をふんだんに使ったスープが特徴。営業時間は7時~23時30分(ラストオーダー23時) 本場の味をリーズナブルに味わえる韓国料理専門店の「韓美膳(ハンビジェ)」。営業時間は10時~21時30分(ラストオーダー21時)。こちらも高速道路初出店 首都圏に20店舗以上展開する「鳥どりグループ」が運営する鶏料理専門店の「焼き鳥丼と親子丼 鳥どり」。営業時間は8時~22時30分(ラストオーダー22時)。高速道路は初出店 ベーカリーの「アンデルセン」はNEXCO東日本には初出店。Pasar蓮田オリジナルのパンも用意する。営業時間は8時~20時 こちらは「日本橋 一平」。昭和4年(1929年)創業の伝統を持つ、おでん・和食の「一平」による「揚げかま」と自慢の「黄金出汁」のテイクアウト専門店。営業時間は9時~21時。高速道路初出店 元祖「羽根つきたい焼き」が看板メニューの「たいやき神田達磨」も高速道路初出店。お煎餅のようにパリパリの薄皮ともっちり生地の食感が特徴。餡は北海道十勝産のエリモ種で甘さ控えめ。営業時間は9時~21時 建物外に面しているのが「MOMI&TOY'S」。スイーツ専門店で埼玉が誇る「WATABOKU(わたぼく)」の牛乳を使用したソフトクリームにクレープやタピオカをあわせた商品も用意。営業時間は10時~21時で高速道路初出店 高速道路では初となる生鮮3品ゾーンである旬撰市場。このコーナーの営業時間は10時~21時 青果店の「フレッシュダイトー」。地元の野菜も販売する。フルーツは関東、東北の銘産品をメインに旬なものを取り揃えている。高速道路初出店 創業45年以上の精肉専門店「ニュークイック」。人気商品のお店で作っているソーセージも置いてあるがこちらは売り切れが予想されるので、買いたい人は早めに行きたい。高速道路初出店 「魚の北辰」は首都圏の百貨店や駅ビルを中心に出店している鮮魚専門店。目利きが毎日市場で仕入れしていてそれが並ぶ。鮮魚は調理もしてくれる。また、お寿司も販売している。高速道路初出店 東北各地の名産品、お土産を扱うショップが「旬撰倶楽部」。東北ドライブで買いそびれたものがあればここに寄りたい。営業時間は7時~22時 旬撰倶楽部の店舗デザインは「Gensler(ゲンスラー)という世界に48か所の事務所を持つグローバルなデザイン事務所が手がけている。商品だけでなく店舗デザインも見どころだ。天井にはモニターが埋めこまれ東北の風景などが映される 旬撰倶楽部を運営する「日の丸サンズ株式会社」の代表取締役社長 富田浩安氏。入り口にあるクマの人形は昭和40年(1965年)ごろに日本でも放送された「ヨギ・ベア(日本タイトルはクマゴロー)」で富田氏がアメリカにいったとき、遊園地にあった当時のものを買い付けてきたという貴重なもの ほかにも店内には古い海外のオモチャがさりげなく飾ってあるのでお店に行ったときは探してみては 最上級の国産もち米と旬の具材を贅沢に使ったおこわ専門店の「おこわ米八」。営業時間は9時~21時 明治33年(1900年)創業、名古屋コーチンをはじめとした焼き鳥、から揚げ、鶏惣菜などを提供する「鶏撰(とりせん)」。営業時間は9時~21時。高速道路初出店 厳選した黒豚と和豚もち豚を使用した手作りの本格点心のお店が「PAOPAO(パオパオ)」だ。並んでいる点心はお店のなかで作ったできたてのもの。営業時間は9時~21時。NEXCO東日本初出店 日本の伝統的な帆布を使用し、米沢にある工房で一点ずつ職人の手作業で作られているカバンや小物の「日乃本帆布(ひのもとはんぷ)」。写真の手提げは試作車などのカモフラージュに使われる模様をあしらったものという。営業時間は9時~21時。高速道路初出店 グラフィックを中心としたオリジナル商品をリーズナブルな価格で展開するTシャツショップの「グラニフ」。自社デザイナーのものだけでなく、国内外のアーティストとのコラボデザインも行ない、それを毎週リリース。行くたびに覗きたくなるお店だ。営業時間は9時~21時。NEXCO東日本初出店 催事コーナーもあり、こちらではさまざまな催しが行なわれる。まずは蓮田や埼玉にフォーカスしたフェアを開催している スターバックスコーヒーも入っている。こちらはフードコートやショップエリアから一度出たところにある。営業時間は7時~22時 コンビニはローソンが入っている。ローソンでも土産物を販売している。また、セルフレジも導入している。ATMもあり、お店は24時間営業 以上がPasar蓮田に入っている全店舗の紹介だ。個性的なお店が多いので、行かれるときは時間に余裕を持ち、じっくりと見て回っていただきたい。では、あとはそのほかの施設を再び写真で紹介して、新しい蓮田SAのレポートを終了しよう。
フードコート内のインフォメーションコーナー横にはベビーケアルームがある スターバックスコーヒーの裏手にはドッグランも用意されていた 蓮田SA(上り線)は首都圏に大規模災害が発生したときには防災拠点になるように作られている 上水道だけでなく井戸水もくみ上げている。平時は上水と混ぜてトイレ用などに使用する 手前が井戸水ポンプで隣が上水と混ぜるタンク。奥は上水のみのタンク 【お詫びと訂正】初出時、「伝説のすた丼屋」を高速道路初出店としていましたが、NEXCO東日本初出店でした。お詫びして訂正いたします。