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パラオ政府観光局、「パラオセミナー/ワークショップ」開催。刺さないクラゲと一緒に泳ぐ「ジェリーフィッシュレイク」が復活
2019年4月10日 19:45
- 2019年4月9日 開催
パラオ政府観光局とJATA(日本旅行業協会)は4月9日、旅行業界向けの「パラオセミナー/ワークショップ」を都内で開催した。
前半のセミナーでは、パラオ政府観光局 日本事務所 代表の芝村剛氏がパラオ観光の概要を説明した。
ミクロネシアに入るパラオは日本から南へ約3000kmにあり、時差はなし。使用言語は英語とパラオ語で、電源のコンセントの形状も電圧も同じ。治安もよく、親日的な国で、「円をドルに替えるだけ」と日本人がなじみやすい国だと説明。
日本からの直行便はないが、繁忙期にはANA(全日本空輸)やJAL(日本航空)がチャーター便による直行便を運航している(直行便の所要時間は約4時間30分)。定期便ではグアム経由のユナイテッド航空、仁川経由のアシアナ航空、台北経由のチャイナエアラインを利用する。
パラオは586の島があると言われていて、人が住むのは9つの島。サンゴの隆起でできたロックアイランドという島々が特徴で、2012年にユネスコの世界複合遺産に「南ラグーン・ロックアイランド群」として登録されている。複合遺産は文化遺産と自然遺産の価値があるものという意味で、東京都の半分ほどの面積の登録エリアには400以上のサンゴ礁由来の島々、淡水湖と海水湖の52個のマリンレイクがあり、746種類の魚、386種類のサンゴ、13種類のサメが生息している。また、ミクロネシア唯一のマンタの生息地でもある。
やはりロックアイランドを巡るツアーが人気で、サンゴ礁が長い年月堆積し、微生物によって分解された真っ白な泥が沈むミルキーウェイは、その泥に美肌効果があるとされ、女性に人気のスポット。
ジェリーフィッシュレイクは地殻変動によってサンゴ礁が隆起してできた島々が連なってできた汽水湖で、外敵がいない湖で毒や刺す機能が退化したクラゲとともに水中を漂う体験ができる。実は3年前のエルニーニョ現象の影響でクラゲが激減していたため、ジェリーフィッシュレイクへのツアーは中止されていたが、クラゲの数が増えたため、この4月からツアーを再開している。
また、パラオの周囲は深い海溝に囲まれており、深い海溝から湧き上がるプランクトンを多く含む海水を目指して豊富な魚がやってくるため、「ブルーコーナー」や「ブルーホール」といった世界中のダイバーが憧れるダイビングスポットも多い。
ちなみに4月5日から7日まで東京・池袋で開催していた「第27回 マリンダイビングフェア 2019」では、ベストダイビングエリア海外部門において8年連続でパラオが1位に選ばれたというニュースも紹介された。
南北約10km、東西約3kmの小さな島・ペリリュー島は、第二次世界大戦では日本軍とアメリカ軍の激戦地となった島。2015年4月には天皇皇后両陛下が慰霊の旅で訪れており、ペリリュー州はご訪問を記念して4月9日を祝日にしている。ペリリュー島は今でもいたるところに戦跡があり、これらは州の法律で手を加えることが禁止されている。そのため生きた歴史博物館として多くの観光客が訪れている。
そのほかにも大きな滝、古い建築物などを見学するバベルダオブ島のツアーや、カヤックに乗ってマングローブなどが生い茂る水域を探検するネイチャーツアーなどが人気と紹介した。
パラオの自然環境への姿勢を表わす一例として、パスポートスタンプがパラオの自然を守ることを宣誓する文章になっており、署名することで来訪者一人一人の意識へ働きかける取り組みがあることを紹介。この環境保護誓約「パラオ・プレッジ」は、2018年の「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」のSDGs部門など3部門でグランプリを受賞している。