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重要文化財でコーヒーが飲める「スターバックス コーヒー 門司港駅店」内覧会。旧三等待合室に鉄道駅ならではの内装で3月10日開業

2019年3月10日 開業

門司港駅の1階にオープンする「スターバックス コーヒー 門司港駅店」

 JR九州(九州旅客鉄道)は報道関係者に向けて3月10日にグランドオープンする門司港駅の内覧会を行なった(関連記事「JR九州、3月10日オープンの『門司港駅』内覧会。大正時代の面影を色濃く残す駅舎や『みかど食堂』に注目」)。

 ここでは、併設する「スターバックス コーヒー 門司港駅店」を紹介する。

店舗はコンコースの横にあり、3月10日より営業を開始する
立て看板も鉄道を連想させるようなデザイン
「スターバックス コーヒー 門司港駅店」概要

オープン日: 2019年3月10日
営業時間: 8時~21時
所在地: 福岡県北九州市門司区西海岸1-5-31
延床面積: 139.68m 2
席数: 48席(店内32席、テラス16席)

 スターバックス コーヒー ジャパンとJR九州ファーストフーズのライセンス契約に基づき、「スターバックス コーヒー 門司港駅店」は、門司港駅の1階に3月10日オープンする。

 門司港駅が竣工した当時(1914年/大正3年)、三等待合室として利用されていた場所であり、白い漆喰壁に淡い黄色に塗装された腰壁と天井がノスタルジックな雰囲気を漂わせている。

 こちらにオープンするにあたり、採用されたデザインコンセプトは「Storyteller」。門司港駅の復原された駅舎において「コーヒーを通じて地域の語り部として歴史や先人たちの情熱を伝えていきたい」という思いが込められている。北九州には日本の産業革命と近代化を支えた工業地帯の歴史があり、バーカウンターには大版の鉄板に錆をまとわせたコルテン鋼を採用して重厚な雰囲気を演出。また、スターバックスの歴代のロゴマークを列車のヘッドマークのようにしてディスプレイしてあるのも、この店舗ならではのデザインだ。入口の近くにあるスターバックスのサインも、SLのプレートを模して作られている。

天井が高いので(約5m)、店内は開放的な雰囲気。天井や壁は重要文化財に指定されている駅建物なので大正時代を思わせるが、一方インテリアは無機質でコントラストがおもしろい。ちなみに正面に見えるガラスで囲まれている部分は2階へ上がれるエレベータ
コルテン鋼を採用することで味のある雰囲気を演出する壁や、ヘッドマークに模したスターバックスのロゴ、SLのプレート仕立てのサインなど見どころは多い

 役目を終えた線路が建築部材に使われているのも特徴だ。天井の鉄骨や壁面の足元、テーブルの脚には現役を退いた九州の鉄道で使われていたレールを再利用し、九州の発展に貢献してきた歴史に敬意を表わしている。

 ほか、北九州の歴史で忘れてはいけないのが八幡製鉄所であり、バーカウンターやコミュニティテーブルには製鉄の原料や副産物(鉄鉱石、コークス、スラグ)といった骨材を利用したテラゾー仕上げの人造石が使われている。

バーカウンター前のコミュニティテーブルは製鉄所をイメージしたテラゾー仕上げ(人工大理石)
足置きには九州各地で使われていたレールを再利用

 店内奥にはワイスワイスの協力を得て、地元の木材を使って地元の職人が手掛けたテーブルやイスが設置されている。スターバックス コーヒー ジャパンは、この地元産の材料を使って地元の職人が製作し、地元で使うという取り組みを「JIMOTO テーブル」プロジェクトとしてスタートさせており、門司港駅店が第1弾となる。今後は3月にオープンする葉山店、沖縄本部町店でも実施する。

「JIMOTO テーブル」プロジェクトの一環で製作されたテーブルとイス。福岡県産の“せんだん”が使われている
箱型のデザインで特徴のあるイスは、当時入っていたうどん屋で使われていたものをヒントに製作したもの
店内には開業当時の写真も展示されている
テラス席も用意されており、駅舎の外観を見ながらカフェを楽しめる