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NEXCO中日本、3月17日開通の新名神 新四日市JCT~亀山西JCTを公開。名古屋~伊勢の走行ルートで注意を呼びかけ

2019年2月21日 実施

NEXCO中日本が新名神 新四日市JCT~亀山西JCTを報道公開した

 NEXCO中日本(中日本高速道路)は、3月17日に開通を予定している新名神(新名神高速道路、E1A)の新四日市JCT(ジャンクション)~亀山西JCTの延長22.9kmのうち、菰野IC(こものインターチェンジ)から亀山西JCTまでの区間を報道公開した。

 見学できたのは菰野IC付近と鈴鹿PA付近、亀山西JCT付近の3地点。

東名+名神の北ルートと伊勢湾岸道+新名神の南ルートが生まれる

 新たに開通する新四日市JCT~亀山西JCTは、既存の東名阪道(東名阪自動車道、E23)三重県内の北側を並行するように走る(関連記事「NEXCO中日本、新名神 新四日市JCT~亀山西JCTを3月17日16時開通。東名阪 四日市JCT~亀山JCTの渋滞を『約9割削減』」)。

新名神 新四日市JCT~亀山西JCTが開通する

 その周辺道路を東の名古屋方面から見ると、名古屋市街から東名阪道、海沿いの伊勢湾岸自動車道(E1A)が四日市JCTで合流、東名阪道はそのまま南西の伊勢方面(伊勢自動車道)へ向かうが、途中の亀山JCTですでに供用中の新名神に分岐しており、連絡道で関西方面に進む。

 四日市JCTから西に伸びるもう1つの道は、新名神 四日市JCT~新四日市JCTとして2016年8月から供用中。新四日市JCTからは北に向かい、東海環状自動車道 新四日市JCT~東員ICとしてやはり開通済みだ(関連記事「新名神 四日市JCT~新四日市JCT~東海環状道 東員ICが開通、三重県の期待が寄せられた開通式典」)。

 一方、新規開通区間を西の大阪方面から見ると、琵琶湖の南にある草津JCTから北東に向かう名神高速道路(E1)と東に向かう新名神に分かれ、新名神は土山SA(サービスエリア)を越えると供用前の亀山西JCTをパスして連絡道に入り、東名阪 亀山JCTへ至る。

 3月17日に新名神 新四日市JCT~亀山西JCTが開通すると、名古屋方面から関西へ向かうルートは新名神へ、伊勢など三重県南部へ向かうルートは東名阪道へ、という具合に分散し、特に東名阪道 四日市IC~鈴鹿IC間で発生しがちな渋滞がほぼ解消するとみられている。

 もっと広い視点で見れば、愛知県の豊田JCTから滋賀県の草津JCTまで、北ルート(東名高速道路+名神高速道路、E1)と南ルート(伊勢湾岸自動車道+新名神高速道路、E1A)でダブルネットワークが形成され、より直線的な南ルートでは距離が約37km短縮(約162km→約125km)、時間は約27分短縮(約106分→約79分)するという。また、南ルートは北ルートに比べてカーブや勾配が少ないという点も特徴になっている。

豊田JCT(愛知県)~草津JCT(滋賀県)にダブルネットワークを形成

菰野IC、鈴鹿PA、亀山西JCTを公開

 新規開通区間には菰野ICと鈴鹿PA(パーキングエリア)が新設され、鈴鹿PAには鈴鹿PAスマートICを併設する。最初に見学した菰野IC(三重県三重郡菰野町大字潤田)は、2018年10月に供用を開始した国道477号四日市湯の山道路(国道477号バイパス)沿いに出入口を設けた。

菰野IC付近
菰野ICをパノラマ撮影
国道477号四日市湯の山道路からの出入口
菰野IC付近の本線から西方向
菰野IC付近の本線から東方向
右が料金所、左は雪氷対策の施設
本線上から出口(入口)を見た様子
料金所
料金所はほぼ完成している
雪氷対策施設
今後ガレージには除雪作業車などが待機することになる

 菰野ICから鈴鹿PAまでの間には三滝川があり、本線は「菰野第二高架橋」で川の上を斜めに通過する。川の中には橋脚を立てられないため、主塔からケーブルを斜めに張ることで主桁を支え、支間長を長くとれるエクストラドーズド構造が採用された。また、切り開いた法面を保護するマス状のコンクリート保護部は、万一クルマが衝突した際の衝撃を軽減するよう形状が工夫されている。

エクストラドーズド構造の菰野第二高架橋
法面のコンクリート部は進行方向に向かって角度を付けてある
法面は最大50m近い部分も
動物の侵入を防ぐネット
路側には細かい「くぼみ」が設けられていたが、これは車線をはみ出したことを運転手に知らせる役割を持つ

 鈴鹿PA(三重県鈴鹿市山本町)は上下集約型のPAで、フードコートやコンビニなど9店舗が入居する商業施設「PIT SUZUKA」や、市道山本65号から直接PA駐車場経由で本線に入れる鈴鹿PAスマートICを併設。また、地域住民が一般道からPAを利用できるぷらっとパークも用意する(小型車90台分)。

 鈴鹿サーキットが近いという土地柄、PIT SUZUKAには実際にレースで使用されたフォーミュラカーが常設される予定で、開業時にはスーパーアグリのマシンを展示するという(マシンは定期的に入れ換え)。

鈴鹿PA付近
鈴鹿PAをパノラマ撮影
上下線の駐車場に囲まれて商業施設が建つ
鈴鹿の「S」のモニュメントが見える
人工芝を敷設中のドッグラン。広さ1250m2で高速道路上では最大級
上り線駐車場
下り線駐車場
PA出口から本線への合流部分(関西方面)
ラバーポールで逆走を防ぐ
鈴鹿PA付近の本線から東方向

 亀山西JCT(三重県亀山市安坂山町)は、供用中の新名神と新規開通区間、東名阪道 亀山JCTからの連結路をつなぐジャンクション。

 なお、亀山西JCTで新規開通区間と伊勢方面をつなぐ立体ランプウェイは、事業化が遅かったため今回は開通しない。完成は2019年度中を見込んでいる。そのため、名古屋方面から伊勢方面へ抜ける場合は従来どおり東名阪道を通行する必要があり、新名神経由で亀山西JCTを経て亀山JCT、伊勢方面というルートは選択できない。ただし、今回の開通区間の営業開始からしばらくは、間違って新名神から伊勢方面へ抜けようとした利用者のために、土山SAで申し出れば転回できるという救済措置を設けるという(措置の終了時期は未定)。

亀山西JCT付近
亀山西JCTの東側に位置する延長4kmの野登TN(ののぼりトンネル、※取材ルートの都合で逆走している)
出口付近にジェットファンが備えられていることが分かる
亀山西JCTの本線中央部分から西方向
本線から東方向。東名阪道 亀山JCTからの車列が見える
同じく東方向で、こちらは亀山JCTへ向かうクルマ
写真中央に見えるのが事業中の立体ランプウェイ。
中日本高速道路株式会社 四日市工事事務所 所長 落合孝朗氏が亀山西JCTの走行ルートで注意を呼びかけた