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NEXCO東日本、開通前の「後志自動車道」を報道公開。札幌~小樽~余市が高速道路で接続
12月8日15時開通
2018年11月15日 21:44
- 2018年11月13日 現場公開
- 2018年12月8日15時 開通
NEXCO東日本(東日本高速道路)北海道支社は、後志自動車道(E5A)余市IC(インターチェンジ)~小樽JCT(ジャンクション)間を12月8日15時に開通するにあたり、11月13日に現場を報道公開した。
開通する後志道 余市IC~小樽ICT間は、余市IC~小樽塩谷ICまでが9km、小樽塩谷IC~小樽JCTまでが14.3km、合計23.3kmの暫定2車線の高速道路で、小樽JCTは札樽自動車道の朝里ICから札幌方向へ約1.6kmの位置で接続する。
開通区間と並行する国道5号は事故危険区間が19か所あり、死傷事故率は北海道内の国道平均と比べて高く、さらに地震発生時には津波の浸水による進入規制が想定されている。後志道の整備により安全性の向上が図られるとともに、当該区間は津波の影響を受けないことから、津波発生時の広域避難路や緊急輸送道路としての機能に期待される。そして札幌中心部から余市町までの所要時間が、これまでの74分から55分へと約19分短縮されるとのこと。
開通区間は橋梁が12橋あって合計3.2km、トンネルが8本で合計8.4kmと、区間の約半分を占めている。全体の事業費は1182億円で、1km当たりのコストは50.7億円と、これまでの北海道の高速道路のなかでは若干高めだという。
蝦夷梅雨や北海道胆振東部地震の影響などで、北海道の高速道路としては季節的に一番遅い12月の開通となったが、今回の現場公開で、NEXCO東日本 小樽工事事務所長の高橋俊長氏は「昨年来天候に恵まれず苦労したが、何とか本格的な降雪・積雪の前に開通することができて喜んでいる」と話していた。
小樽JCTで注意しなければならないのが、札幌から余市へ向かう「Aランプ」、余市から札幌へと向かう「Bランプ」、余市から小樽へと向かう「Dランプ」は12月に開通する予定だが、小樽から余市方面へ向かう「Cランプ」だけは開通時期が異なる点だ。
これは2006年に事業化されたときに、A、Bランプだけが事業許可されていたが、事業を進める段階で二次・三次救急医療体制がない余市、仁木、積丹から、小樽に短時間で救急搬送するルート(Dランプ)を確保したいという要望があったことと、管理用通路として事前にDランプを整備していたという経緯もあり、2017年3月に事業化したC、Dランプのうち、Dランプが先に開通できることになったというもの。小樽から余市方面へ向かうCランプは現在設計段階で、NEXCO東日本の高橋氏は「発注を急いでなるべく早い時期に開通するべく工事を展開していく」と説明した。
余市ICや小樽塩谷ICからの料金
開通区間の料金は、例えば普通車で通行した場合、余市IC~札幌西ICは1310円、小樽塩谷IC~札幌西ICは1070円となっている。余市ICから乗った場合、余市本線料金所で小樽塩谷ICまでの料金(普通車なら400円)を先払いして、小樽塩谷IC以降は距離に応じて各料金所で、余市本線料金所で払った余市IC~小樽塩谷IC間の料金を差し引いた差額分を支払う形になる。
後志自動車道のさまざまな安全対策
第一天神トンネルと第二天神トンネルの間には、雪が滑り落ちやすい白いテント材を用いた「スノーシェルター」と、コンクリート製の枠組みの建造物に雪が入ってこないようにネットを張った「スノージェット」を設置している。雪の影響のないトンネルとトンネルの間の58mという短い距離で、瞬間的に吹雪や積雪といった気象条件の変化に見舞われないようにした工夫だ。
吹雪や濃霧のような視程障害対策として、LEDで緑色に発光する「自発光スノーポール」を全線にわたって設置。これは道内の各路線にも設置してある自発光スノーポールを改良したもので、スノーポールの発光部に着雪して見えづらくならないよう発光部に透明フィルムヒーターを取り付けて、さらに雪が落ちやすいよう発光部を15度傾斜させている。
また、中央分離帯にワイヤーロープを約3kmにわたって設置。そのうち蘭島川橋と忍路トンネルの間の200m区間で、クルマとワイヤーロープとの接触事故を抑制するために、最上段のロープに線状発光体を巻き付けた光るワイヤーロープを、4m間隔でテスト採用する予定だ。
さらに蘭島、天狗山、第二天神の3つのトンネルでは非常駐車帯の「アクセント照明」を設置。これは10月下旬から道東自動車道ですでに採用しているもので、非常駐車帯に通常の照明とは異なる色のLED照明を設置して、長いトンネル内を走行するドライバーに視覚的・心理的に刺激を与え、漫然運転・眠気防止を狙っている。
【お詫びと訂正】初出時、蘭島トンネルの表記に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。
後志道では希少猛禽類などの動物保護の取り組みも行なわれている。開通区間の近くにはクマタカが営巣している場所があり、クルマとの接触事故を防ぐために道路側面に高さ3.5mの衝突防止ポールを1m間隔で設置。翼を広げて滑空するクマタカが、クルマの往来する高さまで接近しないようにしている。これは道央自動車道の函館や八雲周辺でも、同様の対策を行なっているそうだ。