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主役はそらやん!? 伊丹空港で10回目の「空楽Festa」開催。ご当地マスコットやグルメに盛り上がる
ANAとJALがお仕事体験コーナーなどを出展
2018年5月27日 00:00
- 2018年5月26日 実施
関西エアポートが運営する伊丹空港(大阪国際空港)は5月26日、周辺自治体のブース出展や航空会社による仕事体験コーナー、ご当地グルメ、ステージイベントなどを楽しめるイベント「空楽(くうらく)Festa2018」を開催した。
2009年に「空楽Festa」という現在の名前になってから、今年で10回目を迎える伊丹空港のイベントで、例年5月後半から6月初めに行なわれている。関西国際空港の「関空旅博」とは同時期の開催となるが、関空旅博がブースやセミナーをまわって情報収集できる展示会(Exhibition)の要素が強いに対し、空楽Festaはワークショップや体験コーナーなど、楽しむことを目的としたブースが多いお祭り(Festival)の要素が強い。
会場は南ターミナル南の展望デッキエリア、北ターミナル1階のロビーステージ前、同4階の星の間。いずれの場所でも多くの人が往来し、家族連れの姿も目立った。
関西3空港の公式キャラ「そらやん」へANA team.空楽隊と来場者から任命状授与
空楽Festaが行なわれた伊丹空港は、4月に中央棟到着エリアをリニューアルオープンしたばかり。そして、3月30日に関空マスコットキャラクターの「カンクン」がもっと海外を知るために海外へ飛び立っていったことや、関西エアポートによる神戸空港運営が始まったのを機に、関空、伊丹、神戸の公式キャラクターとして関西3空港を盛り上げる活動を担うことになった。
空楽Festaでは、そらやんスタンプラリーや、そらやんの笑顔をモチーフにしたうちわが配布されるなど大活躍。同日最初のステージでは、ANA(全日本空輸)の「 team.空楽隊」が「愛嬌ある笑顔にいやされてまいりました。ありがとうの気持ちと、これから3つの空港を盛り上げていただく応援を送ります」のメッセージを送るとともに、関西3空港統一キャラクターとしての任命状を授与した。ANA team.空楽隊メンバーのCA(客室乗務員)が読み上げた任命状の内容は以下のとおり。
そらやん殿
あなたはいままで最高の笑顔と最高のダンスで、私たちをいつも笑顔にしてくださいました。その栄誉を讃え、ここに改めて関西3空港統一キャラクターに任命します。これからもその笑顔で私たちと空港を元気に楽しくしていってください。
2018年5月26日
ANA team.空楽隊、そしてご来場いただいているお客さま全員より
その後、整備士2名が登場し、観客とともに「フレー、フレー、そらやんっ! フレー、フレー、そらやんっ! ガンバレ、ガンバレ、そらやんっ! ガンバレ、ガンバレ、そらやんっ!」とエールを送った。
ちなみにこの日のそらやんは、伊丹空港のみのマスコットキャラクターだったときに身に着けていた赤色のスカーフ姿。最近はカンクンから受け取ったピンクのスカーフ姿が多かったが、関係者によると今回は伊丹空港のイベントなので、以前の赤いスカーフにしたとのこと。TPOに合わせてスカーフを変える、おしゃれなキャラクターになるのかもしれない。
さて、冒頭で述べたとおり、空楽Festa2018には地元や就航先の自治体、飲食、航空会社のブースなど、多数のブースが並んだ。以下、それらのトピックを紹介していく。
体験コーナー
チョークのような画材である「パステル」を使用して、指で絵を描く「パステルワークショップ」が11時から8回、各回5名を募集して実施された。初心者でもきれいに描けるようテンプレートが用意され、最後はスプレーで定着させたうえで持ち帰ることができる。
ただ、全40名の募集ということもあり、全8回分が10時30分の受付開始から15分ほどで終了。かなりの狭き門となった。
もう一つの体験コーナーは、4月18日のリニューアルオープン時に新規出店した複合遊戯施設の「ボーネルンドあそびのせかい」が、「アクアプレイ(AquaPlay)」の体験コーナーを設置し、全7回、各回15組を募集して実施した。
アクアプレイはスウェーデン生まれの玩具で、水の流れを自分で起こし船を動かしたり、水を汲み上げたりしながら、水の流れや特性が感覚として身に付けられるという、運河の多いスウェーデンらしい玩具となっている。
体験コーナーでは、まわりにいる初対面の子供たちや大人とも一緒に楽しめるように、販売されているコースを多数組み合わせて長大なコースを設置。屋外に広いスペースがないと体験できない遊び方を提供していた。
飲食ブースや、地元/就航地関係ブース
会場となった展望デッキエリアによい香りを漂わせていた飲食ブース。こちらも近隣、就航地から出店。大阪でもあまり食べられるところがないという島根県浜田市名物の「赤てん」や、出店した居酒屋「地力」のオリジナルメニュー「赤てんホットドッグ」、そして島根県大田市産の「のどぐろ干し」などを販売した。
長野県からは、「山賊焼き」を販売。ビッグサイズの唐揚げはインパクトも大きく、豪快な揚げっぷりと、漂う香りに引き寄せられる。
地元の池田市からは、「野乃鳥」が出店し、「池カラ」を販売。池田市は「チキンラーメン」が誕生した「インスタントラーメン発祥の地」として知られ、今日ではチキンラーメンを使用したさまざまな創作料理を地元のお店が提供している。
野乃鳥の池カラもそうした料理の一つで、下味を付けた鶏肉に衣を付けて揚げた唐揚げだが、その衣に砕いたチキンラーメンを使っているのが特徴。池田市のB級グルメを決める「池-1グランプリ」の2012年開催時にグランプリを獲得したこともあって、地元では人気メニューだという。
その池田市は自治体もブースを出展。こちらは池田市情報サイト「いけナビ」の公式Facebookページのフォローキャンペーンを実施しており、その場でフォロー、「いいね!」した人に、ミニラーメン2個をプレゼント(数量限定)。池田市の観光情報とともに、かなりしっかりしたバッグに入れてプレゼントしていたのが印象的だった。
併せて、池田市の五月山動物園で人気を集めるウォンバットと、七福神の大黒天をモチーフにした池田市イメージキャラクター「ふくまる」のグッズも販売。この場で購入した人には、ストラップをもれなくプレゼントした。
伊丹市のブースでは観光情報などのパンフレットを配布するとともに、360度VRで伊丹市を堪能できるコンテンツを提供。ちなみにパンフレットは観光とともに、「伊丹に住んでもらうこと」を目的としたものを軸に据えていた。
伊丹空港から各地への空港バスを運行する大阪空港交通は、使用しなくなった本物のバスから部品取りして作り上げたミニチュアバスでの撮影コーナーが人気を集めた。同社整備士の手作りなのだそうだ。
併せて、物販も実施。こちらの注目は、まさに空楽Festa2018が初めての販売となる「大阪空港交通 方向幕タオル」(2000円)。バスグッズだが、今治タオルを使った本格派タオル。パッケージにもあるとおり、大阪空港交通が1963年6月25日の創業から2018年が55周年となることを記念して作られたものだという。
伊丹空港発着便の就航地からは、8月1日~31日にJAL(日本航空)が伊丹~松本線を運航することから、信州まつもと空港と、北アルプス関係自治体が組織する日本アルプス観光連盟がブースを出展。また、5月から通年ジェット機での運航となった伊丹~隠岐線などが運航されている島根県も出展している。
大阪から松本市まではクルマや鉄道を使うと6時間以上はかかるというが、飛行機なら1時間以内で行けるうえ、松本市は周辺地域へ行ける地上交通が充実していることから、この航空路線を使って周遊観光をするのに非常に便利だという。
人気の上高地のほかにも、本格的な登山、松本城などの歴史遺産などさまざまな観光地が集まっており、「2泊3日ぐらいはしていただいて地域をまわっていただくとよいところがいっぱいある」とブース担当者は話していた。
パンフレットも非常に充実しており、普通の地図から本格的な登山に使える地図まで、パンフレットである程度の情報が手に入るほど。蝶ヶ岳のパンフレットは広がる稜線がどの山なのかを記した興味深いものだった。
また、2018年は関西電力が運行する大町から黒部ダムへと向かうトロリーバスが運行最終年となることから、ブースを訪れる人からも行きたいとの声があったという。
一方の島根県は空港が3つある航空路が充実しているのが特徴の県。出雲空港は羽田便が堅調で、2018年には、2012年の隠岐空港滑走路延伸からようやく通年でのジェット機による運航が始まったことで盛り上がっている。また、新たな路線として、4月にはFDA(フジドリームエアラインズ)が出雲~仙台線の運航を始めている。
2018年は茶人の松平不昧の没後200年にあたることから、松江市を中心に関連イベントなどが開かれるのが注目だという。また、「日が沈む聖地出雲」として日本遺産に認定された日御碕一帯の海岸が注目のスポットとのことで、日御碕灯台や、赤い欄干が特徴の日御碕神社はSNS映えするスポットとして若い人の人気も高まっているそうだ。
お仕事体験が人気の航空会社ブース。ANAは team.空楽隊がステージイベント
JALのブースは、北ターミナル1階のロビーステージ前に設けられた。多くのブースが4階にあるだけに、やや離れた位置にある同ブースだが、そらやんスタンプラリーのチェックポイントにもなっているので、巡回してもらえるよう工夫されている。
実施したのは、マーシャラー体験とセットで実施したミニ飛行機のコーナーや、制服着用体験、木製でボーイング 777型機コクピットを再現した「もっくピット」、そして物販。
ミニ飛行機は本物の飛行機に使う塗料や、シートなどを流用したもので、手押しではあるがこだわりの一品。マーシャラー体験とセットで実施され、停止の合図を揃えるように移動させることで、飛行機が駐機する本物の雰囲気を醸し出している。
制服着用体験は子供用CAやパイロットの制服が人気。エンブラエル E170型機のモデルプレーンの前で記念撮影が可能。撮影後には伊丹~松本線の季節運航にちなんで、信州まつもと空港ブースで「信州安曇野リンゴジュース」をもらえる引換券をプレゼントした。
もっくピットはすっかりおなじみの存在になりつつあるが、相変わらず子供たちの人気は高く、列を成して、順番に楽しむ姿が見られた。
物販コーナーでは、スーツケースベルトやトートバッグ、タオル、ポーチといったJALグッズの数々を販売。鶴丸ロゴ入りのものが人気とのことだ。訪問時には売り切れてしまったが、子供用の飛行機型バックパックも置かれていたそうだ。
ANAブースは、北ターミナル4階の星の間に設けられ、職業体験としてマーシャリングの体験コーナー、パイロットと整備士、CAが業務で利用するアイテムを紹介するコーナーなどを展開した。
マーシャラー体験は、実際に飛行機が駐機場に入ってくる映像を流し、それに合わせてパドルを動かすもので、1回目に練習、2回目に本番の流れで体験。地上職用のベストを着用し、本物のマーシャラーの動きに合わせて楽しそうにパドルを動かす子供たちの姿が見られた。
職業別にアイテムを紹介するコーナーは人気が高く、パイロットは勉強の本やエンルートチャート(航路図)、サングラスなどが人気。CAは機内で利用するカートを実際に動かす体験もできるほか、PBB(旅客搭乗橋)を操作する人との合図などに使うライトに目を留める子供が多かった。また、整備士のコーナーでは、いろいろな工具を長い時間にわたって触る男の子が多いのが印象的だった。
そのほか、制服を着用してボーイング 787型機のパネルの前で撮影できるコーナーや、飛行機のタトゥーシールを貼ってもらえるコーナー、東北への募金コーナー、物販コーナーを用意。物販コーナーでは「ずんだ饅頭」「牛タンポッキー」など、東北から仕入れたご当地品も並んでいた。
また、ステージイベントの冒頭にも登場したANA team.空楽隊は、空楽Festa2018のステージイベントのトリも務めた。まずは「Another Sky」を演奏したあと、MCタイムでは、会場の活気が熱気となっていると盛り上げ、そらやんも登場。「情熱大陸」でセッションを見せた。
そして、伊丹空港の歴史を紹介するとともに、エアバス A380型機の「Flying Honu」が現われ、未来へ向けて「Departure」。傾きはじめた陽が強く射し込むなかでの熱気あふれるステージを終え、盛大な拍手が送られていた。