ニュース

JAL、「こども霞が関見学デー」で機長、CA、整備士が“空のお仕事”を紹介

子供用ユニフォーム着用やフライトシミュレータ操縦体験も

2017年8月2日~3日 開催

JALが「こども霞が関見学デー」で“空のお仕事”を紹介した

 JAL(日本航空)は、8月2日~3日に府省庁が開催している「こども霞が関見学デー」の初日に国土交通省の第1会場に出展し、パイロットやCA(客室乗務員)らが業務内容を子供たちに紹介した。こども霞が関見学デーは、25の府省庁が子供に向けて業務内容の説明や職場見学、省庁内見学を実施するもので、参加者には該当府省庁の公開エリアを自由に見学できる「霞が関こども旅券」(パスポート)が配布される。

 JALが出展したのは、中央合同庁舎3号館10階共用大会議室(第1会場)の国土交通省航空局ブースで、パイロットやCA、整備士の子供向けユニフォームの着用体験・撮影会(参加自由)のほか、本格的な計器とヨークシステム、ラダーペダルを備えたフライトシミュレータで操縦体験(受付で当日抽選)が行なえる。

 また、午前/午後の部それぞれに「パイロット、CA、航空整備士によるお仕事紹介」「航空管制官等によるお仕事紹介」という時間が設けられており、前者はJAL、後者は国土交通省 航空局の各担当者が説明を担当。映像やスライド、クイズなどを交えて和やかに進行した(10時/13時に当日整理券配布)。

現役の機長、CA、整備士が業務内容を解説

「JAL航空教室(お仕事紹介)」と題したスライドでは、飛行機が離陸するまでにその裏側で何が起きているかをまとめており、パイロット、CA、航空整備士が順を追って状況を解説した。

 解説を担当したのは、ボーイング 767型機の機長を務める767運航乗員部の岸大祐氏と、入社2年目で、国内線を中心に乗務しているという羽田第2客室乗員部 CAの乙武英里氏、ボーイング 737-800型機の一等航空整備士を務める羽田航空機整備センターの波多野峻平氏の3名。

「JAL航空教室(お仕事紹介)」
日本航空株式会社 767運航乗員部 機長 岸大祐氏
機長のトランクに入っているものを紹介。エンルートチャート(飛行経路図)や4~5種類の免許、パスポート、サングラスなど
「このなかで一番大きい飛行機は?」の質問には「777-300ER!」と即答する子供も
出発およそ80分前に機長と副操縦士が打ち合わせを行なう
出発60分前には整備士らが整備・点検を開始
株式会社JALエンジニアリング 羽田航空機整備センター 波多野峻平氏
出発40分前に乗務員全員が天気や緊急時の対応などを互いに確認する
日本航空株式会社 羽田第2客室乗員部 乙武英里氏
続いてパイロットが整備士と機材の整備状況を打ち合わせる
同じころCAらが機内の点検、グランドスタッフとの申し送りなどを行なう
出発15分前、搭乗が始まるとパイロットはコックピットで最終点検を実施
定刻、CAがドアのロックを確認してトーイングカーによるプッシュバックが始まる
パイロットは管制の指示を受けて滑走路へ向かい、CAは機内安全ビデオの上映や手荷物の収納を確認。整備士は機材を見送る
そして離陸
登壇した機長、CA、整備士のほかにも多くのスタッフが運航に携わっており、その1機を飛ばすために全員で力を合わせている、ということが子供たちに繰り返し語られた
国土交通省 航空局 管制課のスタッフとJALの岸大祐氏によって、特別に管制官とパイロットの交信が再現された。流ちょうな英語のやりとりで、会場はこの日一番の盛り上がり

 最後に設けられた質疑応答の時間では、子供たちから「パイロットは1日何回飛ぶのか」「エンジンに描かれている渦巻き模様の意味は」「数ある航空会社からなぜJALを選んだのか」といった鋭い質問が飛び、会場を沸かせていた。

ちなみに質問の回答は、「国内は1日3回、海外は1日1回。国内は3回目に飛んだ先で1泊して、翌日3回飛んで東京に戻ってきます」(岸大祐氏)、「エンジンに鳥が飛び込むのを防ぐため。渦巻き模様が回転すると鳥が怖がって逃げます」(波多野峻平氏)、「以前JALに乗ったときに、CAのアイコンタクトや気配りに真心を感じたからです。なんだか就職面接みたいですね(笑)」(乙武英里氏)
会場ではペーパークラフトやクリアファイルなどのグッズが配布されていたが、開場して早い段階でほとんどなくなっていた
子供向けユニフォームの着用体験スペース。機長、CA、整備士の制服をまとって、現役スタッフと記念撮影が行なえる
日本航空学園提供のフライトシミュレータの操縦体験。プロジェクタによる大画面で臨場感は抜群。指導官がつきっきりで離陸から着陸までアドバイスを送り、多くの子供がしっかり着陸していた
日本航空学園や日本航空高等学校のパンフレットが置かれていた

 国土交通省 航空局 交通管制部の「航空管制官等によるお仕事紹介」では、管制課、運用課、管制技術課、航空灯火・電気技術室から担当者が出席し、それぞれが空港での役割を解説。「管制塔の高さは?」「飛行機が離陸するときの速度は?」「滑走路にいるクルマの役割は?」「航空灯火はいつ交換している?」など、仕事の内容を子供たちに問いかけながら進行した。

国土交通省 航空局 交通管制部の「航空管制官等によるお仕事紹介」
JALと国土交通省 航空局による説明の合間には、DJI JAPANがドローンの実演を行なった
スマートフォンや手のひらで簡単に操作できるとあって子供たちも興味津々