ニュース
5月1日に国際線エリアがオープン、乗り継ぎが便利になるジャカルタ空港の新ターミナル「ターミナル3(T3)」を見学
ガルーダ・インドネシア航空&スカイチームの専用ターミナル。未開業の国際線エリア一部も紹介
2017年4月30日 00:00
- 2017年4月18日(現地時間)取材
インドネシアの首都ジャカルタの主要空港であるスカルノ・ハッタ国際空港で整備中の新ターミナル「ターミナル3(T3)」。2016年8月9日に国内線の運航のみ利用を開始していたが、いよいよ5月1日にグランドオープンし、国際線も運用をスタートする。
ターミナル3は、スカルノ・ハッタ国際空港の旅客数増に対応し、キャパシティ増加を図るべく整備された新ターミナル。国際線での運航開始後には毎日2500万人の旅客に対応できる施設となる。
ちなみに、これまでLCC用ターミナルとして「ターミナル3」が存在したため、2016年の国内線供用開始時には「ターミナル 3 アルティメット(T3U)」という名称だったが、旧ターミナル3閉鎖により区別する必要がなくなったことから、現在では正式に「ターミナル 3(T3)」と呼称。旧ターミナル3を利用していたLCC各社はターミナル2へ移管されている。
この国際線開業を間近に控え、ガルーダ・インドネシア航空がスカルノ・ハッタ国際空港 ターミナル3の取材ツアーを実施した。未開業部分の一部を含めて見学できたので、紹介する。
入って左右に国内線、国際線が分かれるチェックインカウンター
ターミナルは、1階(インドネシアはグランドフロアを地上階と数えるが、本稿では、日本人にとって一般的なグランドフロアを1階として表記する)が到着ロビー、2階が保安エリア内の搭乗ロビー、3階が出発ロビーと大まかに分けることができる。
3階の出発ロビーは、まず空港に入る際にセキュリティチェックがある。世界的にこうした取り組みを行なう空港が増えているが、空港内に危険物を持ち込ませないためのもので、飛行機に搭乗する際の保安エリアに入るためのセキュリティチェックは別途行なわれる。
セキュリティを抜けると出発ロビーが広がる。カウンターはAカウンターからFカウンターまで6つの島を設置。ターミナルに入って右側のD~Fカウンターが国内線、左側のA~Cカウンターが国際線となっており、現在は入って右側の国内線チェックインカウンターのみが稼働している状態となる。
ちなみに、このターミナル3はガルーダ・インドネシア航空が利用し、同社が加盟するスカイチーム各社もこちらへ移る予定となっている。チェックインカウンターも基本的には航空会社別ではなく利用クラス別となっており、上級クラス利用者や上級会員向けの専用チェックインカウンターも設けられる。
3階の右手奥に国内線搭乗口、左手奥に国際線搭乗口へと向かう保安検査場が設けられており、動線は分かりやすい。
カウンターの両端(国内線はFカウンター、国際線はAカウンター)は、ファーストクラス/ビジネスクラス利用者、ガルーダ・インドネシア航空のマイレージプログラム「GarudaMiles」のプラチナ会員、スカイチームのエリートプラス会員が利用できるプレミアムチェックインのコーナーとなっている。対象となる乗客は、パスポートや預け入れ荷物をスタッフに預けて、用意されているソファで座って待っていれば、スタッフが手続きをして搭乗券を持ってきてくれるというリッチなシステムだ。もちろん、保安検査場ではスカイ・プライオリティ専用レーンを使用できる。
また、GarudaMiles ゴールドやシルバー、スカイチーム・エリート向けのチェックインカウンターも設けられている。いずれにしても、上級クラスや上級会員ほど、保安検査場により近い位置にチェックインカウンターを配置するレイアウトになっている。ちなみに、国内線と国際線の間(CカウンターとDカウンターの間)にはセルフチェックイン機も用意されている。
国際線の入出国審査では、通常の係員がいる窓口のほか、顔認証を利用した自動化ゲートも並んでいた。自動化ゲートは出国審査、入国審査に各15台、計30台が用意される。この詳しい手続きなどはオープン後の案内を待つ必要があるが、空港担当者の説明では、ICパスポートホルダーであれば誰でも利用できるとのことだった。
出発ロビーにはいくつかのショップやレストランもある。取材時点で国内線寄りの店は多くがオープンした状態になっているが、国際線側を中心に未開業のところも多い。気になるところでは、国際線側にファミリーマートが出店するようで、看板だけが見えている状態だった。日本食も、しゃぶしゃぶ、うどん、寿司などのレストランがあった。
国際線、国内線で隔てられた搭乗ロビー
国内線では保安検査、国際線では保安検査と出国審査を抜けたあとは、エスカレータや階段、エレベータを使って搭乗ロビーへ向かうことになる。未開業の国際線エリアの見学は出国審査を過ぎたところまでで、ゲートの前は訪れていないが、国際線と国内線はきっちりと壁で仕切られており相互の往来はできないことを確認できる。
一方、開業済みの国内線エリアには出国審査がなくスペースに余裕があり、保安検査場を抜けて2階へ下りるまでの通路にも、インドネシアの民族衣装であるバティック柄の服を売るお店やカフェなどが並んでいる。
国内線搭乗ロビーは、2016年8月のオープンから半年以上が経過しており、テナントもほぼ開業済みで、設備も一通り稼働している様子だった。ちなみに、搭乗ロビーからアクセスできる中2階(メザニン)があり、飲食店を中心にこちらも多くの店舗が入居する。
さらに、このメザニンにはガルーダ・インドネシア航空のラウンジもある。ラウンジは、「ファーストクラスラウンジ」「ビジネスクラスラウンジ」「GarudaMilesラウンジ」の3種類があり、「ファーストクラスラウンジ」「ビジネスクラスラウンジ」はそれぞれファーストクラス搭乗客、ビジネスクラス搭乗客のほか、GarudaMilesのプラチナ会員、スカイチーム・エリートプラス会員、提携しているANAマイレージクラブのダイヤモンド会員が利用できる。
「GarudaMilesラウンジ」、GarudaMilesのゴールド会員、ゴールド EC+会員、ANAマイレージクラブ・プラチナ会員、ANAスーパーフライヤーズカード会員、エティハド航空のマイレージプログラムであるEtihad Guestのプラチナ会員、同ゴールド会員が利用できる。
ビジネスクラスラウンジは約550名を収容できる広いラウンジで、ドリンクだけでなくホットミールのサービスもある。加えて、ソファでくつろぎながら大型液晶テレビで映画を見られるミニシアターもある充実した施設だ。
一方のGarudaMilesラウンジは、ビジネスクラスラウンジほどファシリティは充実していないが、ホットミールやドリンクの提供があり、出発前にくつろぐには十分なサービスが提供されている。
国際線&国内線で計13基のターンテーブル、ターミナル間シャトル鉄道も整備中
1階の到着ロビーは、国内線、国際線で完全に分離されており、国内線に7基、国際線で6基の計13基の預け入れ荷物受け取り用ターンテーブルが設置されている。
今回、未開業の国際線エリアについては見学できなかったが、一般的な国際線到着ロビー同様に、CIQ(税関、入国審査、検疫)施設のほか、乗り継ぎカウンターが設置される。この動線を実際に確認できていないのだが、国際線から国内線への乗り継ぎの場合でもここで入国し、3階へ移動して国内線へ乗り継ぐことになる。
ちなみに、国際線エリア開業後のガルーダ・インドネシア航空の国内線/国際線乗り継ぎ時のMCT(最低乗り継ぎ必要時間)は、国内線から国際線に乗り継ぐ場合は90分、国際線から国内線に乗り継ぐ場合は120分、国際線同士、国内線同士の乗り継ぎは45分とされている(中東地域への国際線を除く)。
【お詫びと訂正】初出時、国際線~国内線乗り継ぎ時のMCTが逆になっていました。お詫びして訂正いたします。
到着ロビーは、正面出口前にバスやタクシーなどの各種トランスポーテーションの乗り場があり、両端出口は駐車場へと向かう出入り口となる。乗り継ぎでターミナル移動が必要な場合は、ターミナル1またはターミナル2とを循環するシャトルバスに乗る必要がある。ターミナル間移動については、現在鉄道によるシャトル「スカイトレイン」を整備中で、2階部分にその乗降場の建設が進んでいる。
さて、今回の見学ツアーでは、デンパサール(バリ島)からジャカルタへの国内線を利用して、ターミナル3への到着を体験することができた。到着口から手荷物の受取所までは平面的な移動がほとんどで、利用する搭乗口によっては距離は多少あるが、上下への移動は1度あっただけ。エレベータ、エスカレータ、階段があり、ラクに移動できる構造だ。
ターンテーブルは先述のとおり7基で、到着口に一番近いところは、SKY PRIORITY専用のターンテーブルとなっているので、実質は6基で運用していることになる。SKY
PRIORITY対象の会員のうち、ファーストクラス、ビジネスクラスの搭乗客ならびにGarudaMilesのプラチナ会員は、プレミアムサービスを受けることができる。これは窓口のスタッフに預け入れ荷物のタグを渡し、自身はラウンジでお茶などをして待っていれば荷物を持ってきてくれるサービス。そもそも優先的に荷物が出るので待ち時間は長くないわけだが、降機後に足を伸ばして一息入れることはできるのはうれしいサービスだろう。
ちなみに、現在はまだ国際線がターミナル2にあるため、「ターミナル2への国際線乗り継ぎ」というサインも多く出ているが、ターミナル3の国際線部分が開業することで、こうした部分は変化が出てくると見られる。
バリ島では空港の滑走路が見えるヴィラが魅力の「フォーシーズンズ ジンバラン ベイ」に滞在
さて、先述のとおり、今回の見学ツアーではバリ島のデンパサール・ングラライ国際空港から国内線に乗り、スカルノ・ハッタ国際空港のターミナル3国内線到着を体験するという旅程だった。少々余談にはなるが、この行程においてバリ島に1泊のみ滞在した「フォーシーズンズ リゾート バリ アット ジンバラン ベイ(Four Seasons Resort Bali at Jimbaran Bay)」についても紹介しておく。なお、本項はやや記者の主観も交えた記述となることをお断わりしておく。
このフォーシーズンズ リゾート バリ アット ジンバラン ベイは、デンパサール・ングラライ国際空港からクルマで20分ほど、バリ島南部バドゥン半島のリゾートエリアであるジンバランに位置する。約14万m2という敷地を有する広大なリゾートホテルだ。
客室はすべてヴィラタイプとなっており、広大な敷地を移動するために主にバギー(電動カート)を利用。運転手がおり、タクシーのように呼び出して、行き先を告げて連れて行ってもらう。ついつい「徒歩の方が気楽……」と思ってしまう人もいると思うが、内線で呼ぶとすぐに来てくれるし、ちょっとした移動でも頼みやすい雰囲気のドライバーばかりだったので、気兼ねなく利用することができた。
ヴィラにはいくつかの種類があり、屋内外合わせて250m2からと広い。このほかに長期滞在も可能なプライベートヴィラを9室備える。全体にオーシャンビューの部屋ほど価格が高め。(ちなみにここでいう“オーシャン”とはインド洋のこと)。
今回宿泊したのは、もっとも数が多い「プレミアオーシャンヴィラ」のオーシャンフロントのヴィラ。キングベッド1台にバスタブ、シャワールーム、2台の洗面台といった室内装備のほか、屋外にはプライベートプールに、ガゼボ(東屋)風のダイニング、サンデッキなど、設備は非常に豪華だ。
このプレミアオーシャンヴィラの宿泊料金は、季節などにもよるが20万円前後から。同ホテルのWebサイトからの予約では7日以上前に予約することで早期予約割引として25%割引が適用され、15万円前後から宿泊できる
典型的な滞在型リゾートといえるフォーシーズンズ リゾート バリ アット ジンバラン ベイは、メニューが充実したスパや、レストラン、各種アクティビティを用意。アクティビティはビーチアクティビティなどを日替わりで実施するほか、サンセットクルーズなどを楽しめる。また、ヨガや衣装体験、バリ料理のクッキングなど、同地の文化を体験できるアクティビティも用意している。
レストランは、アジアモダン料理の「SUNDARA(スンダラ)」や、西洋料理の「TAMAN WANTILAN(タマンワンティラン)」、ハンバーガーなどの軽食を楽しめるプールテラスにあるカフェなどがある。
ちなみに、フォーシーズンズ リゾート バリ アット ジンバラン ベイは、デンパサール・ングラライ国際空港から湾を挟んで真南に位置する。そのことから、空港の滑走路を離着陸する飛行機をヴィラから眺められるという“おまけ”がある。望遠レンズがないと満足な撮影は難しい距離ではあるが、それだけに騒がしくない程度に飛行機が離着陸する様子を楽しめる。飛行機好きはもちろん、ヴィラでのんびり過ごす際のアクセントにもなるだろう。
また、今回は初日夜に到着し、2日目の昼には出発するスケジュールだったため、午後から夕暮れにかけての時間を過ごせていないが、午後は離着陸機も多く、夕暮れどきには海に沈む美しい夕焼けも見られ、ヴィラやレストランなどからフォトジェニックな情景をより楽しめるという。写真好きに特にお勧めのリゾートだ。