【イベントレポート】
【APEX2016】空港内を“顔パス”で通過して飛行機へ、実証実験進む顔認証技術
2016年10月28日 09:28
- 2016年10月24日~27日(現地時間)開催
シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズ・エキスポ&コンベンションセンターで開催されている「APEX EXPO 2016」の併設イベント「FTE Asia 2016(Future Travel Experience Asia EXPO 2016)」では、空港、航空会社で活用が見込まれるさまざまな次世代技術が展示されている。空港内で使われるテクノロジとしてホットなトピックとなっている顔認証を用いて空港内の各種手続きを簡略するソリューションも展示された。
ポルトガルに本拠地を構えるVision-Boxは、「Happy Flow」と名付けられた空港ソリューションを紹介。同社は元々、チェックインカウンターでのカメラ付きチェックイン機や、カメラ付きの自動ゲートなどを提供しており、それらとバックグラウンドのソフトウェアを組み合わせて、チェックイン後の出国審査や搭乗口などもすべて顔認証でパスしようというコンセプトだ。 同社では、このバックグラウンドで動く管理システム「Orchstra」とともに売り込みを図っている。
このソリューションは展示だけに留まらず、すでにオランダの自治領であるアルバの、クイーン・ベアトリクス空港に導入されているという。
プロセスとしては、チェックイン機のカメラで自分の顔を撮影。パスポートや搭乗券のデータとともにサーバー側に個人データを記録する。このデータを基に、手荷物預け入れやセキュリティチェック、出国審査、搭乗ゲートといった各種手続きの場では、カメラに顔を写すだけで本人確認と、当人が通過したことのデータを共有。搭乗口では搭乗券を見せることなく搭乗できる。
航空機用の各種機器などを手がけるRockwell Collinsも、同様に顔認証を用いたシステムを展示。こちらは搭乗券を発行する際に顔データを記録しておくもの。やはり搭乗口での本人確認などを簡略化する。特徴は航空会社のシステムにアドオンすることができるという点で、システムの入れ替えをすることなく導入できることをメリットに挙げた。
加えて、手荷物預け入れのセルフチェックイン機も展示。こちらは比較的なシンプルなシステムで、ボーディングパスをかざすことでタグを発行。ANAの「ANA Baggage Drop」でも使っているような剥離紙のないシールを使ったタグを特徴とする。
いずれも、すでに海外の空港で導入されている事例があるという。