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銀座6丁目に「GINZA SIX」2017年4月20日開業、241のブランドが集まる特別な場所

ツーリストサービスセンター、観光バス乗降所も備える

2017年4月20日 開業

GINZA SIXの外観模型

 J.フロント リテイリング、森ビル、L Real Estate、住友商事の4社は、東京・銀座6丁目の松坂屋銀座店跡地を含むエリアに、商業施設「GINZA SIX」を2017年4月20日に開業すると発表した。中央通り沿いにブランド店が6店舗並び、全体で241のブランドが集まるほか、オフィスビル、文化・交流施設「観世能楽堂」、ツーリストサービスセンター、観光バス乗降所を備えた複合施設となる。

241店舗が入る複合商業施設

 建物は地上13階、地下6階建てで、敷地面積は約9080m2、延床面積は約14万8700m2。松坂屋銀座店の跡地と隣接部分を含む区画と、南東の区画を合わせたもの。

中央通り側
西側から見たところ
中央通りと反対となる三原通り側

 店舗は、大丸松坂屋百貨店を傘下に持つJ.フロント リテイリングの代表取締役社長 山本良一氏が「百貨店はやらないという決断をした」と言うとおり、基本的には241のブランド店の集合。そのうち、122店舗がブランドで特別な位置づけの旗艦店で、GINZA SIXの店舗が世界最大級という店が4店、新業態店舗が65店、日本初出店が11店、銀座初出店が81店舗という、1階~6階と一部13階に特徴のある店が集まっている。

建物のイメージ図
241店舗が入居する
売り場部分の吹き抜け

 山本氏が特徴的な店として挙げるのは、中央通りに面した6店舗。セリーヌ、ディオール、フェンディ、サンローラン、ヴァレンチノ、ヴァン クリーフ & アーベルのブランドが並ぶ。

中央通りに面したところにはブランドが6店舗並ぶ

 また、従来の百貨店にあった“お得意様との関係”は、さらに進化させているとし、上得意客のために特別なラウンジ「LOUNG SIX」を設け、多言語対応のコンシュルジュの常駐、GINZA SIX内の飲食店とコラボレーションした特別メニューの提供、文化イベントの開催なども予定。メンバーシッププログラムとしては、GINZA SIXアプリの提供、年会費5000円~5万円のクレジット機能付き「GINZA SIXカード」を提供、プレミアムなサービスを提供するという。

 また、観光拠点として、ツーリストサービスセンターを1階に設置する。国内外の顧客に向けたもので、観光案内、チケット発券、外貨両替、免税手続、手荷物預かり、宅配、コンビニエンスストアのローソンがあり、カフェを併設してトラベラー同士のコミュニケーションの場も提供する。観光バスの乗降所は三原通り側に設置する。

バス乗降所。三原通りは写真の右から左方向への一方通行のため、バスの乗降扉は建物と反対の道路側になってしまう
エスカレータで2階フロアへ
バス乗降所
建物がまたぐ形になる現在閉鎖中のあづま通りは貫通通路を設けてクルマや人の行き来ができるようになる

 そのほか、文化・交流施設「観世能楽堂」は地下3階となり、ホールとしてさまざまなイベント開催に対応するほか、災害時には帰宅困難者の受け入れ環境も整えた。

 オフィスは7階~12階と一部13階に設置、事務所床面積は約3万8000m2で1フロア面積は約6100m2(基準階)で都内最大級だという。さらに屋上には銀座エリア最大級となる屋上庭園「GINZA SIXガーデン」を設けた。

銀座の象徴、世界を驚かす、日本最高の施設

 発表に合わせ、GINZA SIXに関わる4社の代表が出席し、それぞれの「GINZA SIX」にかける意気込みが語られた。

森ビル株式会社 代表取締役社長 辻慎吾氏

 森ビル 代表取締役社長 辻慎吾氏はGINZA SIXが「銀座の象徴」と位置づけ、GINZA SIXの「6」には「5つ星を越える6つ星級のクオリティ、五感を超えた価値」があるとし、「東京の新たな磁力になることを目指す。GINZA SIXにはそのポテンシャルがあり、なくてはならない存在になる、そんな意気込みでやりたい」と思いを語った。

L Real Estate マネージングパートナー マシュー・ルボゼック氏

 LVMH(モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン)グループのL Real Estateのマネージングパートナー マシュー・ルボゼック氏は、「銀座というのは最も重要な立地のひとつ。特に、リテーラーにとってはそうで、銀座に開店・開業をすることを夢見ています」と特別なエリアであることを強調、「素晴らしいパートナーがいなかったら、ここにいることはできなかった」と述べ、J.フロント リテイリング、森ビル、住友商事に対して感謝の言葉を述べた。

住友商事株式会社 代表取締役社長の中村邦晴氏

 住友商事 代表取締役社長の中村邦晴氏は「インターネット販売は拡大し、消費者マインドは変化し、ただ、モノを売るだけの商業は厳しくなる」と語り、「松坂屋銀座店は長い歴史を刻んできた。新しい時代を牽引せんとして、百貨店の枠を越え、新しい商業施設への挑戦を決断していただいた」と百貨店から業態変更したことを評価。GINZA SIXについては「世界を驚かす、日本最高の施設だと確信」と期待を寄せた。

J.フロント リテイリングの代表取締役社長 山本良一氏

 J.フロント リテイリングの代表取締役社長 山本良一氏は、「今後、10年で日本の経済社会はかつてないほど変化をとげる。これまでの50年間の成功体験やビジネス体験が通用しない局面が増えてきた」と分析、「新たな成長には、過去の延長線上でない、非連続な成長へ、経営のかじを切り、道なき道を歩んでいかなければならない」と訴えた。

 店舗については「どこよりも、各ブランドの世界観をメッセージするとともに、どこよりも早い情報発信、どこよりも豊富な商品展開、どこよりも上質なサービスの提供を実現したい」とコンセプトを示し、「その最たるものは、中央通りの6ブランド」と説明した。

4社の代表が手を組んだ