ニュース
東急グループ、渋谷駅周辺再開発で南街区を「渋谷ストリーム」、宮下町計画を「渋谷キャスト」と命名し概要発表
東横線跡地に600m続く渋谷川沿いの水辺空間
2016年10月24日 17:11
- 2016年10月24日 発表
東急電鉄(東京急行電鉄)と東急不動産は10月24日、2018年秋に開業予定の渋谷駅南街区を「渋谷ストリーム」、2017年春に開業予定の渋谷宮下町計画を「渋谷キャスト」と名称を発表、概要を発表した。現在、東急グループでは渋谷駅周辺で6つの再開発プロジェクトを進行しているが、そのうちの2つとなる。
東横線跡地は「渋谷ストリーム」、水辺の遊歩道も備える
地下化した東横線の跡地と周辺敷地は「渋谷駅南街区プロジェクト」として進行しているが、施設名称を「渋谷ストリーム」とすると発表した。35階建てで高さ約180m、延床面積11万6700m2で、事業コンセプトは「クリエイティブワーカーの聖地」。
施設内には渋谷エリア最大級のオフィスとして総賃貸面積約4万6281m2(約1万4000坪)。さらに180室のホテル(東急ホテルズ予定)、最大収容700名規模のホール、12室を備えた渋谷最大級のカンファレンス、インキュベーションオフィス、30区画の商業施設などを備える。
クリエイティブワーカーに選ばれるビジネス環境を作るとし、自転車通勤者向けに「サイクルカフェ」の設置などを行なう。また、渋谷駅とつながる2階「国道246号横断デッキ」と「JR渋谷駅南改札(仮・将来予定)」とつながる3階「東西自由通路(将来予定)」も設置される。
また、渋谷ストリームの前から外に出る渋谷川の水の流れを、官民連携で清流復活水を活用した「壁泉」と呼ばれる水景施設の整備により再生。600m続く水辺空間を創出し、商業空間のうち1階部分は渋谷川沿いとなり、ゆったりと過ごせるようになるという。
説明を行なった東急電鉄 都市創造本部 開発事業部 渋谷開発二部 課長補佐の杉井勇太氏は、水辺空間については「東横線があったところを、遊歩道として整備し、人のアクティビティを代官山方面まで続ける、ニューヨークのハイラインがそうであったように、ここのストリートを基軸に、エリア活性化の起爆剤になれば」と希望を語った。
渋谷と原宿を結ぶキャットストリートの起点に創造拠点「渋谷キャスト」
2017年春に開業する渋谷宮下町計画の施設名称は「渋谷キャスト」。16階建てでクリエイターが行き交い、活動する拠点として整備する。コレクティブハウスの機能を設けた80戸の共同住宅、IT系、デザイン、アパレルなどが入居する賃貸オフィス、シェアオフィスを展開する「co-lab」も入居、3つの店舗、多目的スペース、広場がある。オフィスのメインテナントとして、ベイクルーズ グループの本社が移転し、オープン時は満室でスタートするという。
キャットストリートの起点に位置するため、キャットストリートの空気感をつなぐファッション雑貨店が入居するほか、明治通りに面した広場は常にオープンで、イベントも開催するという。
担当する東急電鉄 都市創造本部 開発事業部 渋谷開発二部 課長補佐の新屋潤氏は、「人と人がつながり、コミュニケーションをとることで、アイデア、ビジネス、新しい文化を渋谷キャストが創造し、発信します。渋谷、原宿、青山、表参道の交わる結節点として、東京の新しい風景を作っていく」と説明した。
渋谷観光大使が渋谷の未来を語る
2つの街区の発表に先立って行なわれたトークセッションでは、渋谷区観光大使でクリエイティブアンバサーの小宮山雄飛氏と、東急電鉄 都市創造本部 開発事業部 渋谷開発第二課の統括部長の西澤信二氏が登壇した。
小宮山氏は渋谷で生まれ育ったクリエーター。キャットストリートの歴史に触れ、「もともと原宿の文化があって自然発生的にできた」と渋谷と原宿の街をつないできたことを紹介、今回発表の2プロジェクトについても「駅ごとじゃなくて、地域全体を結ぶような面白いものができるんじゃないかな」と評価した。
渋谷ストリームが立地する地域についても、現在、行列ができる飲食店があり、「食べ物屋が盛り上がって、ストリート文化が生まれそうで、楽しみ」と評価した。
また、西澤氏も「渋谷の特徴として、原宿、青山、代官山とつないで広域渋谷圏を形成することがほかにない特色」と語った。