新型「特急しなの」385系のデザイン発表。グリーン車は初のバックシェル式3列シートで優雅なプライベート感演出

新型特急車両「385系」量産先行車のデザインが決定

　JR東海は12月23日、特急「しなの」に使用している383系の取替を見据えて製作中の新型特急車両「385系」量産先行車（8両×1編成）について、車両のデザインおよびシンボルマークを発表した。2026年春ごろに完成し、走行試験を開始する予定で、2029年度ごろの営業開始を目指す。

　デザインコンセプトは信濃・木曽・美濃地区の「豊かな自然と文化の調和」。外観は「アルプスを翔ける爽風」をテーマとしたもので、両先頭車での前面展望により四季の景観に恵まれた中央本線を味わう旅を演出する。

　内装はグリーン車・普通車とも、縦のラインや木目調を取り入れ「木曽五木」をイメージしたインテリア。特にグリーン車の座席は、同社在来線では初となるバックシェル式の3列シートを採用するとともに、室内は重厚感のある色彩や美濃焼をあしらい「優雅なプライベート感」をつくる。普通車は「自然の心地よさ」がテーマで、木曽の森林のような緑色の座席と爽やかで明るい空間が特徴という。

「優雅なプライベート感」を演出したグリーン車。初のバックシェル式の3列シートで、北アルプスの朝焼けと長野県花リンドウをイメージした座席生地も特徴

「自然の心地よさ」をテーマにした普通席。座席は木曽の森林のようなグリーンで、室内は爽やかで明るい色彩に

特急「しなの」沿線地域。自然や伝統工芸がインテリアデザインのモチーフとなっている

　シンボルマークは1編成計8箇所に設置。信濃・木曽・美濃地区の森林を緑のグラデーションで描いたもので、緑を基調とした大きなカーブと3つのラインにより沿線の針葉樹を、オレンジのカーブにより国内最速で曲線を走行するスピード感を表現している。

シンボルマークの配置箇所は8両中4両（1・3・6・8号車）に各2か所

信濃・木曽・美濃地区の森林を緑のグラデーションで表現したシンボルマーク