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高島屋新宿店に空港型免税店を2017年春出店
全日空商事、ホテル新羅と3社合弁事業
（2016/3/16 21:14）
- 2017年春に1号店開店
高島屋、全日空商事、ホテル新羅の3社は3月16日、都内で記者会見を行ない、空港型免税店事業に向けた合弁会社設立を合意、契約を締結したと発表した。1号店として2017年春に高島屋新宿店11階に店舗を開設、その後、大阪地区へ2号店を検討している。
日本人も購入可能な空港型免税店
空港型免税店とは、消費税だけでなく物品にかかる関税や酒税・たばこ税も免除となる免税店。課税については空港の出国手続き後のエリアにある免税店と同様の形態となるが、街中で購入手続きができることが特徴となる。購入時はパスポートと航空券の提示が必要で、訪日外国人だけでなく、出国を予定している日本人も購入が可能。購入した商品はその場で受け取れず、空港で出国手続き終了後に空港内の引渡所で受け取る。
3社の役割は、高島屋は長年の小売業で培ってきた信用力と販売力を背景とした商品調達や売場編集ノウハウを提供し、全日空商事は既存空港免税事業ノウハウを、ホテル新羅は韓国をはじめとした海外での空港型免税事業ノウハウや集客・誘致力を提供する。
合弁会社は早ければ5月に設立し、出資比率は高島屋が60％、全日空商事が20％、ホテル新羅が20％。初年度の売上目標は150億円。代表者には高島屋の営業推進部営業開発担当の西村隆吾氏が就任予定。新会社の商号や所在地は限定のところ未定。
3社が揃って会見
同日行なわれた記者会見では、高島屋代表取締役社長の木本茂氏、全日空商事代表取締役社長の西村健氏、ホテル新羅 社長の韓仁奎氏が登壇した。
高島屋代表取締役社長の木本茂氏によれば、今回の合弁は2年前から検討を開始、全日空商事も同時期から検討していたが、1年半ほど前に共同事業を前提に検討し、全日空商事からの「中国からの誘致力がものすごく強い」という推薦でホテル新羅をメンバーに加えたという。木本氏はホテル新羅の海外旅行社を取り込む力や、全日空商事の保税品の管理ノウハウが加わったことについて「2社が加わったことで、より現実的に事業ができるという判断をした」と説明した。
また、2015年の高島屋新宿店の免税売上は96億円であるが、それが合弁会社初年度となる2017年度の売上目標が150億円と大きく増えている。木本氏は「ホテル新羅が韓国でたいへん大きい実績を上げているので150億円はたいへん堅く見積もった金額」と話し、ホテル新羅の集客力に大きな期待をしていることを明らかにした。
一方、ホテル新羅 社長の韓仁奎氏は「免税店の事業としていちばんのお客様は中国」とし、中国の観光客が韓国を訪れるようになり、ホテル新羅の免税店が急成長できた際の経験や知識を日本で活用していけば、日本だけでなく韓国に有利な事業になると考えているとした。
また、単独で日本進出しななかった点は「高島屋、全日空商事との合弁はシナジー効果が期待できる。両社はたいへん信頼できる強いパートナーなので、合弁に加わった」とし、「独立して進出するよりも、3社でやることで、少なくとも5倍以上の能力が発揮できる」と自信を見せた。
全日空商事代表取締役社長の西村健氏は「今回、これ以上ない強力で信頼できるパートナーと新しい事業ができることになった」と喜びを表明、「飛行機の部品の海外販売や、半導体の販売や、さらに日本のバナナのシェアを10％持っていることなど知られてないことが多いですが、この事業を通して日本のみなさんに新しい局面を見せられるのかな」と自社のビジネスの広がりに期待を寄せた。
新宿に2017年春開店
高島屋新宿店のある新宿エリアは2015年百貨店免税売上の地区別シェアでもナンバーワンの場所で、JR新宿駅新南口の駅舎完成やバスターミナルの完成で、今まで以上に訪日外国人の増加が見込まれる。
2017年春にオープンする1号店は東京都渋谷区にある高島屋新宿店の11階に設置し、広さは約2800m2。商品構成はラグジュアリーブランド、化粧品、時計、宝飾品、雑貨、家電製品、酒、たばこ等を予定しており、商品の引き渡しは羽田および成田空港となる。
新宿の次に検討している2号店は大阪地区を予定しているが、場所は現在のところ未定。
なお、空港型免税店は、どちらも東京・銀座エリアとなるが、2016年1月にオープンした銀座三越の8階にあるJapan Duty Free GINZAや、2016年3月31日オープン予定のロッテ免税店 銀座がある。