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新東名の開通日に“即日対応”したナビアプリ「ゼンリンいつもNAVI[ドライブ]」

実走チェックに同行

2016年2月13日15時 開通

「ゼンリンいつもNAVI[ドライブ]」のiOS版とAndroid版を同時に装着して新東名を実走チェック

 2月13日15時、新東名高速道路 浜松いなさJCT(ジャンクション)〜豊田東JCT間(延長55.2km)が開通した。距離や所要時間の短縮はもちろん、カーブや高低差の縮小による走りやすさ、ダブルネットワーク化による交通の最適化など、東名阪の物流を大きく変える道路となるわけだけれども、当然ながら古いタイプのカーナビでは地図データを更新しないかぎり、新たな開通区間がルート案内に反映されることはない。

 最近のカーナビには音楽や映像再生といったコンテンツ関連のさまざまな機能が搭載されているけれど、やっぱり一番大事なのはナビゲーションの部分だ。

新東名高速道路 浜松いなさJCT(ジャンクション)〜豊田東JCTの開通に即日対応した「ゼンリンいつもNAVI[ドライブ]」。豊田東料金所から海老名SA(サービスエリア)までルート探索した画面

 と、ひとくちに言っても細かく見れば、目的地を見つける「検索」、目的地まで最適な経路を探してくれる「ルート探索」、そして、見つけたルートを分かりやすく誘導する「ルート案内」と、ナビゲーション部分を1つとっても求められる機能は数多くある。

 そういった機能のベースとなるのが、収録されるデータ群。いくら検索が便利で簡単でも、新しい道路やスポットが収録されていなければその価値は低いものになってしまう。ただ、簡単にデータといっても実地調査からはじまり地図化、デジタル化、検証、メディアへの収録と、カーナビで使うためには多くの工程が必要となる。そのため、商品としてユーザーの手元に来たカーナビに入っているデータは、だいたい1年程度前のモノになってしまう。発売直後でそういった状態なのだから、モデル末期ともなればさらに古いデータになってしまうわけだ。地図データの更新をしないかぎり、この新しい高速道路を使ったルート案内は望むべくもない。

 しかし、そんなハナシも実はもう古い時代の出来事。最近では地図データを書き換える=差分更新や、事前に開通道路を収録しておき開通日以降にキーで開放する、なんてパターンも増えてきている。ただ、これもなかなか“即日対応”とはいかないようで若干のタイムラグがあることが多い。

 今回、この新東名開通に即日対応を実施したのが、ゼンリンデータコムがリリースする「ゼンリンいつもNAVI[ドライブ]」。2DINスペースに装着する「据え置き型」のカーナビではなく、スマートフォン用のナビゲーションアプリで、即日対応を行なったアプリの1つだ。地図データを端末側で持つスタンドアロンタイプではなく、通信により地図をダウンロードするサーバー型だからこそできる芸当といえる。

新しくオープンしたサービスエリアの検索や地図表示も可能(iOS版)
ルート探索ももちろん可能(iOS版)

 同アプリは地図の最大手「ゼンリン」が保有するデータを使用したカーナビアプリ。iOSとAndroid向けが用意されており、地図の見た目は若干異なるものの、機能面では同等となる。無料で地図表示や地図情報の検索、矢印で目的地を案内する「アローモード」などが利用できるほか、有料版(iOS版:360円/月 3000円/年、Android版:324円/月)では地形などの3D表示のほか渋滞や規制を考慮したルート探索、交差点拡大図や方面看板などを駆使した案内が受けられるようになる。

2D表示(Android版)
3D表示(Android版)
2画面表示(Android版)
2画面&3D表示(Android版)
開通した豊田東JCT(Android版)
サービスエリア内の道路も再現(Android版)
縦表示にも対応する(Android版)
データ通信が難しい場所でもルート案内が可能。キャッシュ容量は設定で変更できる

開通に即日対応できる仕組み

 ゼンリンいつもNAVI[ドライブ]のデータベースには「地図データ」と「施設データ」の2つが存在している。地図データは地図描画のもとになるほか、「ルート探索CGI」「案内作成CGI」によりルート探索とルート案内を、施設データをもとに施設検索を行なっている。“当日開通”のキモとなるのは前者だ。

 この地図データは通常、2カ月に1度行なわれる「定期更新」で道路や経路などを、毎週更新する「逐次更新」ではアイコンなど注記情報を更新している。また、そのほかに、「開通前路線対応」として、今回の新東名のような高速道路の即日反映を行なっている。

 開通前路線対応では、まずゼンリンが整備を担当するNEXCO中日本などから図面など地図の製作に必要な情報を入手して作成。ゼンリンデータコムではゼンリンから納品されたデータをチェックした後、検証環境で地図更新を行ない机上およびフィールドでのテストを実施。その後、本番環境のデータを更新。最終チェックとして今回のような実走チェックを行なうという流れになっている。

 今回は開通当日の2月13日、同アプリの検証チームが実走して最終チェックを行なうということで同行させてもらった。同社の検証チームには協力スタッフなども合わせて50名ほどが在籍しており、検証から品質管理、ユーザビリティまで一貫して作業を行なっている。今回の実走チェックもそうした工程の一貫というわけだ。

テスト車両はごく普通のミニバン。見た目からはテスト車両とは分からない
テストを担当したゼンリンデータコム ナビ開発本部 ナビゲーション開発部 リーダー 鈴木琢也氏(右)と同 モバイルサービス本部 モバイル事業部 マネージャー 海老原直茂氏(左)

 検証に利用するのはごくごく普通のミニバン。ただし、2列目シート横のウィンドウにiPhoneとAndroid機が吸盤で固定され、それを撮影するカメラも装着されている。走行中は担当者が随時画面や案内音声が的確であるかを確認するのはもちろん、撮影した動画を持ち帰り検証も行なっているという。Car Watchを含め媒体が行なうテストだと案内だけでなく、GPSの精度だったり操作性だったりをチェックすることが多いけれど、スマホアプリの場合はOSだけでもiOSとAndroidがあり、バージョン違いや機種によるハードウェアの性能もバラバラ。というわけで、アプリの動作に絞ってチェックをしているわけだ。

デジタルカメラの動画機能を使って録画
逆側にも1つ
こちらはビデオカメラで撮影

 当日の走行ルートは東名高速道路 浜名湖SA(サービスエリア)をスタートし、三ヶ日JCTから新東名高速道路へ。浜松いなさJCTから開通区間に入り豊田東JCTを経由して豊田東IC(インターチェンジ)で折り返し、同じルートを戻るというコース。

画面をチェックしつつパソコンで記録。Androidはログデータの記録に上限があるため、その場でデータを吸い出すこともあるとか

 15時の開通を待って浜松いなさJCTから開通区間に入る。ジャンクションは高速道路を走行する上で不安となるポイントだけれども、アプリでは手前から2画面で案内が表示されるので安心感が高い。道中では新城ICや長篠設楽原PA(パーキングエリア)、岡崎東IC、岡崎SAなどで表示および音声による案内を確認しつつ、同時に地図の表示状態もチェック。問題があった場合はパソコンと接続してログデータを収集、持ち帰って解析するなんてこともあるそうだけれど、今回は大きな問題なく実走テストを終了することができた。

 開通日の翌日、記事作成のためにもう1度開通区間を走行した際、JCTやICで迷って速度を落としたり、急に車線変更したりするクルマをたびたび見かけた。こういった光景を見てしまうと、即日対応の有り難みが分かろうというもの。

開通に伴う渋滞が発生していた
豊田東ICでUターン
有料版ではVICSが利用できるため、地図上でも渋滞が確認できる(画像はiOS版)
JCTでの案内が嬉しい(iOS版)

 また、それ以外の部分でも、かなり使えるカーナビという印象を受けた。スマホのパフォーマンスによる部分も大きいと思われるものの、地図操作はサクサクだし、有料版ならルート探索やVICS情報表示など機能面でも不足を感じない。開通区間とは関係ないけれど「セーフティガイド」も便利だと感じられた。これは制限速度や一時停止などを音声で案内してくれる機能で、実装テスト時は大雨&夕暮れ時の視認性がわるい状態だったけれど、ドライバーは安心して走ることができそうだった。

 サーバー型のメリットでもあり、デメリットでもある通信部分については、特に問題を感じることはなかった。というのも、地図データはルート探索時などに前もってキャッシュされるため。実際、今回のルートでは部分的にデータ通信ができない区間があったけれど、問題なく継続して案内が行なわれていた。

 安心して走ることができるという意味では、新規道路の即日対応は何よりの魅力。アプリならではの無料試用期間も設けられているので、気になる人は一度試してみるとよいだろう。

いつもNAVI[ドライブ]走行動画

協力:株式会社ゼンリンデータコム

(安田 剛/Movie:石岡宣慶)