旅レポ
香港エクスプレスで行く香港&ベトナム・ダナンへの2度美味しい旅(その1)
安さと利便性を兼ね備えた空の旅
(2016/4/28 00:00)
期間限定セールとして、日本発着路線の往復チケットを購入すると復路の運賃を10円にするなどインパクトのある企画でも注目を集めるLCCの香港エクスプレス航空(同社の表現では運賃のみを格安にしているLow-fare airline)。
その香港エクスプレスが、香港~ベトナム・ダナン線の就航1周年を記念し、日本メディア向けにプレスツアーを開催した。日本人観光客が急増しているダナンのリゾートやベトナムの文化に触れながら、香港エクスプレスの空の旅をアピールする企画だ。
香港エクスプレスは2004年に開業し、2013年10月にLCCへと転換した。日本の路線は現在、羽田、成田、関空、中部、福岡、広島発着の6路線を運航しており、2016年6月16日からは石垣に週2便(木・日曜)、7月6日から高松に週3便(火・水・日曜)、7月11日から鹿児島に週4便(月・水・金・土曜)と運航を広げ、計9路線に拡大していく(就航に関するニュースリリース、英文PDF)。日本発着路線の活性化も狙っている。
このツアーのレポートを、ダナン周辺の見どころとともに3回にわたってお届けする。プレスツアーの日程は4月11日~15日の5日間。11日の早朝に出発し、香港国際空港経由でダナン国際空港へ。ダナン、ホイアンでそれぞれ観光、宿泊。帰りも香港経由の夜便で帰国するという、5日間まるまる満喫できる内容だ。まずは香港エクスプレスと香港空港の使い勝手を紹介したい。
香港エクスプレスは香港国際空港を起点に、韓国・ソウル、タイ・チェンマイ、カンボジア・シェムリアップなどアジアの主要都市20カ所への便を運航し、新路線を増やし続けている。
なんといってもその魅力は格安の料金。羽田~香港~ダナンを結ぶ運賃は、片道で1万7300円からだ(空港使用料など別途)。バゲッジ手数料(20kgまで)1万600円、シート選択料5200円(スタンダードであれば1回680円)など別途料金が発生するものもあるが、荷物を機内持ち込みのみにまとめるなど工夫すれば、追加の料金は抑えられる。
この度搭乗したのは羽田6時25分発のUO625便。香港までの約4時間の空旅が始まる。ちなみに羽田発は、UO623便という25時00分発の深夜便もあるので、機内で眠り、起きたら香港! というプランも立てられる。
早朝便の乗客は、空港泊を試みる人が多い。今回のツアーに参加した人は、クルマで来て駐車場に停め、復路の時間も気にすることなく帰る人、終電間際に空港に入り、ロビーで仮眠した人、空港近くに前泊した人とそれぞれ。筆者は国内線、羽田空港第1旅客ターミナル1階にあるカプセルホテル「ファーストキャビン」に宿泊。19時からチェックインでき、ビジネスクラスで5000円。ほぼベッドスペースのみだが、女性専用エリアの共用のラウンジ、大浴場、シャワーブース、パウダールームなどがあるので申し分ない。深夜でもスタッフが部屋をノックして確認するモーニングコールや、国際線までの無料シャトルも出ているので安心だ。
最近では、24時間営業の天然温泉平和島で過ごし、無料のバス送迎を利用する人も増えている。羽田空港までバスで20分程度。深夜から早朝にかけ羽田着2時20分、3時00分、4時20分、5時10分、6時20分、7時30分着などがあり、羽田発の迎えのバスも出ているので便利だ。
また、2015年度に引き続き、2016年度も国土交通省航空局と関東運輸局が連携し、羽田空港の深夜早朝アクセスバスを実証運行している。朝4時台の空港到着や、深夜2時台に主要駅に着くことも可能だ。
これらを上手く活用すれば、時間帯はさほど気にすることなく、移動費を最低限に抑えられるだろう。
国内線からシャトルバスで移動し、チェックインを済ませ、ゲートに向かう。24時間営業の免税店や朝5時頃から営業している(案内は6時からとなっているが、1時間ほど前から開ける店も多い)のドラッグストアもあるので心強い。
では、香港エクスプレスに初搭乗する。この飛行機の名はユニークな「焼売」機。就航している地域の名物を命名しており、2015年からは名古屋名物の「手羽先」機も運航している。
全180席の座席は両側3列の配置ですべてエコノミークラス。トイレは前方に1カ所と後方に2カ所ある。
座ってみるとLCCにしては多少ゆとりのある感覚。平均座席間隔は28インチ(約71cm)で座席から前のシートまでは約30cm程度。床からの座椅子の下までのスペースがあり、そのせいか足元の窮屈な印象はない。
座席にはスペースの広いスイートシートもあり、予約時にプラス180香港ドル(約2610円、1香港ドル=14.5円で換算)で申し込むことができる。空きがあればチェックインカウンター、機内でも変更することが可能だ。
約4時間のフライトで香港国際空港に到着。ここでの利点は、香港エクスプレスのネットワーク内で乗り継ぐ場合に、「U-Connect(ユー・コネクト)」乗継便サービスを受けられること。羽田での1回のチェックインで、香港国際空港での税関審査や手荷物のピックアップが不要になり、身軽に乗り継ぎができる。万が一の遅延や不測の事態で乗り継ぎ便に間に合わなかったときには、空席のある次便への振り替えサービスもある。
このツアーで香港に滞在できるのは行きと帰りの6時間ずつ。出国審査をすれば、空港の外に出て観光やショッピングができるのも楽しみの一つだ。ベトナム・ダナンは海辺のリゾート地でブランドショッピングなどはほとんどできないので、香港経由を上手に利用し安いうえに2カ国を堪能できるのが魅力だ。
今回の往路では取材を兼ねた会食などがあったので空港内で過ごした。香港で人気の飲茶レストラン「百楽潮州(PAK LOH CHIU CHOW)」で、本場の飲茶を堪能。小籠包68香港ドル(約950円)などの価格で、各テーブルにナムルやピーナッツなどの小皿4品とポットのジャスミンティーがサービスされる。
パリっとした春巻や、蒸籠で出される熱々点心はエビや豚肉の旨みが生地にも染みていて香港の醍醐味をゆったり味わえた。
香港国際空港は700を超えるショップ数もさることながら、レストランも非常に充実している。巨大なフードコートもあり、手頃なファーストフード店も軒を連ねる。マクドナルドや香港の若者定番の「翠華餐廳」(Tsui Wah Restaurant)には行列ができていた。
空港の過ごし方といえばグルメやショッピングだけでなく、プレミアムラウンジを活用するのも一つの手だ。プラザプレミアムラウンジでは、ビュッフェスタイルでアルコール(缶)もフリーで飲め、2時間400香港ドル(約5600円)。少々値は張るが、クレジットカードのゴールド会員でなくても使えるのがうれしいところ。
空港でゆったりと過ごし、いざベトナム・ダナンへ。約2時間のフライトで到着。ここから、ベトナム旅が始まる。ツアーの様子はその2以降で紹介するので、香港エクスプレスについてもう少し。
さて、ダナン、ホイアンで過ごし、帰りも香港エクスプレスで経由地の香港国際空港へ。買い物の手荷物を考えると、やはりショッピングは復路でまとめたいところ。出国審査をして、ショッピングやグルメに繰り出すなら、「香港」や「九龍」がお勧めだ。
空港から香港市街をつないでいるエアポートエクスプレスで移動ができ、香港駅、九龍駅では香港エクスプレスのチェックインが駅でできてしまうからだ。
筆者が目指したのは九龍駅。駅直結の大きなショッピングモール「エレメンツ」は買い物に便利。ティファニー、グッチ、プラダ、カルティエなどの人気ショップが集まり、ブランドショッピングにうってつけ。
筆者は港の景色も楽しもうと、タクシーに乗り、ハーバーシティ方面へ。この辺りもショッピングエリアになっていて「オーシャン・センター」へ足を運んだ。
1階はシャネル、ルイ・ヴィトンなどの高級ブランドが並ぶが、上階には日本でも馴染みのある「MUJI」などもあり、親しみやすい雰囲気。テラス席のあるレストランで飲茶を味わった。あいにくの曇り空だが、食後に九龍湾を散歩。
そして帰りは九龍駅でチェックインをし、ゆとりをもって空港に。駅でのチェックインは出発の前日から出発時間の90分前までできる。
香港国際空港からは18時15分発の便で帰国する。夕飯の時間になるので機内食を味わってみる。人気の「タイのグリーンカレーチキンライス」が売れ切れだったので、「和風レッドカレーライス」(65香港ドル)とジャスミンティー(25香港ドル)を注文。日本円も使え、ドリンクとセットで割引になり1250円。日本人CAの対応だったので、スムーズであった。20香港ドル以上はカードも使えるが、現金の場合、おつりは香港ドルになるので日本円の小銭も持っておくとよいだろう。
こうして無事に羽田に到着。ベトナム、香港の2カ国を楽しめ、LCC香港エクスプレスならではのお得感を存分に味わえた。