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香港エクスプレス、中部~香港線就航1周年を記念してセントレアで記念セレモニー

運賃50%オフのキャンペーンも実施中

2015年9月18日 実施

 香港を拠点とする香港エクスプレスは9月18日、2014年9月18日に就航した中部(セントレア)~香港線の就航1周年を記念したセレモニーを、セントレア4階のイベントスペースで実施した。香港エクスプレスの中部~香港線は、現在週7便のデイリー体制で運航している。

日本人CA(客室乗務員)による香港エクスプレスの紹介と就航1周年を祝うビデオを上映

 イベントではまず、香港エクスプレスの日本人CAによる案内ビデオを上映。続いて、香港エクスプレスCEOのアンドリュー・コーエン氏より挨拶があった。同氏は冒頭で「日本と香港を結ぶ航空会社としては2番目の規模で、JALとANAを合わせた数よりも多くの乗客を運んでいる」と企業を紹介。

 続けて、「アジアを旅行することは非常に面白いことだが、価格が高かったり、接続が難しかったりする。私達の航空会社はフルサービスエアラインの60~70%の運賃で、非常に低価格にアジアへの料金を楽しんでいただける。日本人のために、日本人CAも多く採用している」と料金を含む利便性についてもアピールした。

 さらに、50%オフのセールを実施していることも紹介。50%オフで航空券を販売するもので、中部~香港線を約1万1000円から。販売期間は9月21日までで、9月22日~2016年7月14日までの搭乗が対象となる。

香港エクスプレスCEOのアンドリュー・コーエン氏
50%オフのセールを実施中

 続いて登壇した、中部国際空港 代表取締役社長の友添雅直氏は、「香港エクスプレスが就航し、香港から新しいタイプのお客様が来てくださるようになった。それまでは団体のお客様も多かったが、個人のお客様が増えて、香港に戻って中部地方の魅力を伝えていただけるという状況ができていると聞いている。特に今、“昇龍道プロジェクト”ということで中部圏がまとまって皆さんに魅力を伝えようと努力しているが、大事なことは旅客の皆様が口コミで良さを広げてくれることだと思っている」と、香港エクスプレス就航による地域への効果に言及。

 併せて、「私ども空港だけでなく、地域、自治体、経済界の皆様も協力して受け入れ体制の準備をしている。多言語対応ももちろんやっているが、空港では今日(9月18日)に「CENTRAIR PLAZA」(セントレアプラザ)という地方や日本をお土産を買っていただけるショッピングコーナーを設けて、皆さんが充実した旅行ができるよう努力している」と空港の取り組みも紹介した。

 最後に「アンドリューさんが1万1000円で香港に行けますよ、というように、インバウンドの方にエンジョイしていただくだけでなく、日本からも気楽な気持ちで、香港エクスプレスを使って、香港の夜景を楽しみながら美味しい香港料理を食べて、香港ディズニーランドやマカオなどたくさん魅力があると思うので、双方向でどんどん交流が進むことに期待している」と日本人に対して積極的な香港旅行を勧めた。

 最後に挨拶にたった愛知県振興部 振興部観光局 観光局長 加納國雄氏は、訪日外国人の現状に触れ、「ここ中部国際空港における香港からの出入国のお客さんは上半期(1月~6月)は昨年比241%というすごい増え方をしている。これはほかのマーケットを抜いて1番」というデータを紹介した。

 また、「香港エクスプレスの機内食で点心を販売しており、日本人は、どの国のお客様よりも点心を一番買っていくそうだ。そのような形で、本当に愛される香港エクスプレスだと聞いている」と同エアラインに対する印象を語った。

 愛知県としては「愛知県観光元年と銘打って、観光のインバウンドに力を入れている。“Heart of Japan - Technology and Tradition.”、技術と伝統ということで、特に技術を売りにして、これからもプロモーションしていきたい」と意気込んだ。

 最後に、友添氏同様に「香港にもたくさんの観光地があり、やはり2-way Tourism、2つの地域から双方向に交流していかなければならない」とし、「香港エクスプレスは週7便で運航されているが、できればダブルデイリーにしていただければとお願いしたい。両地域の拘留に寄与していただくことをお願いする」と同エアラインへ要望した。

中部国際空港株式会社 代表取締役社長 友添雅直氏
愛知県振興部 振興部観光局 観光局長 加納國雄氏

 イベントには、セントレアオリジナルキャラクターの「なぞの旅人フー」も参加。登場に併せてテーブルが用意され、就航1周年を記念したケーキが披露された。これは滑走路から飛び立とうとしている香港エクスプレスの機体が乗っているアートケーキで、コーエン氏、友添氏、加納氏の3名でケーキカットを行ない、来賓らにふるまった。

「なぞの旅人フー」がステージに登場
香港エクスプレスの機体を象ったアートケーキ
3名によるケーキカット
コーエン氏から友添氏、加納氏へ香港エクスプレスのモデルプレーンがプレゼントされた
列席者による記念撮影。文中の3氏のほか、三重県、名古屋市、名古屋商工会議所、中部経済連合会の代表者が列席した

 最後に、イベント終了後にアンドリュー・コーエン氏にごく短時間ながらインタビューする機会を得たので、その内容を紹介しておく。

 香港エクスプレスは2004年の創業以来、11年の歴史を持つ航空会社だが、2013年にフルサービスエアラインからLCCへの転換を行なっている。この陣頭指揮を執ったのがコーエン氏だ。同氏は過去にはピーチ(Peach Aviation)に在籍したこともあるなどLCCを渡り歩き、香港エクスプレスで7社目になるという。「LCCスペシャリストと呼ばれることを気に入っている」と冗談交じりに話していたが、そのような経歴を持っている。

アンドリュー・コーエン氏

――中部国際空港、名古屋に対する印象を聞かせてください。

コーエン氏:Facebookなどの調査などで、日本は香港の人にとって常に人気のあるスポットです。ただ、(日本を訪れたことのある)ほとんどの人は東京や京都に何度も行ったことがありますし、これは日本のほんの一部です。もっと新しく、行ったことのないところへ行きたいということで、愛知県がすごく注目を集めています。

 特に昇龍道のルートは非常に魅力があると思っています。刺激的ですし、自分たちで探索をしたい人がいます。東京スカイツリーや京都のお寺ではなく、この新しい地域を開拓する機会を持てるという点で魅力的に感じています。

 また、たくさんのビジネスのお客様も香港と日本の間を移動したいと思っています。日本は大企業もたくさんあり、香港にはそうした企業が進出しています。ビジネスマンは香港に住むが家族は日本にいるという人も多く、LCCが就航することで家族が香港と日本の間を気楽に移動できるようになります。

――現在、日本には5空港(中部、羽田、成田、関空、福岡)に就航していますが、もっとも好調な路線はどれでしょうか。また、日本~香港間全体での搭乗率はどのぐらいでしょうか。

コーエン氏:とても難しい質問です。差が小さく、シーズンによって異なるからです。一番搭乗率がよいのは関空だと思いますが、羽田や福岡がトップになることもありますし、関空でも便によって上下します。搭乗率はシーズンにもよりますが87%程度、夏(8月)は95%程度になります。

ドアの脇には「シュウマイ」「餃子」など機体毎に異なるグルメが書かれている

――10月には広島線の開設が決まっています。このようなネットワーク拡大における課題はなんでしょうか。

コーエン氏:香港国際空港のスロット(発着枠)が切迫しているので、もっとも収益を上げられる路線を探さないといけないという点に難しさがあります。(中部路線で言えば)日本の方がメールやFacebookで、空港や名古屋市に対して、「もっと料金を下げて」「フライトを増やして」といったことを訴えていただければ、関係者がもっと真剣に取り組むと思います(笑)。ただ、愛知県や名古屋市と一緒になって長期に渡って計画を立てて、長い目で見ていきたいと思っています。

――香港国際空港のスロットが課題とのことですが、今後も香港国際空港を拠点としていくのでしょうか。

コーエン氏:もちろん香港の会社ですので、同空港を拠点としていきます。香港は珠海デルタのなかにありますが、この地域は多くの人口がおり、大きなチャンスがあります。これらの人をアジア地域へ、そして逆にアジアの人を香港へ、ダイレクトフライトで行き来できるようにすることにフォーカスしたいと思っています。

――最後に、日本人客に向けての魅力を紹介してください。

コーエン氏:香港へ来るときに、飛行機の名前が「シュウマイ」だったり「餃子」だったりと、飛行機に乗る時から香港的な体験ができます。日本語のWebサイトも提供していますし、日本のクレジットカードで決済することもできる。また、日本と香港を結ぶ2番目の規模なので、東京であれば羽田、成田があり、関西、中部、福岡、そして広島もできます。そうしたネットワークで乗客が選択できるのが重要と考えています。

(編集部:多和田新也)