旅レポ
香港エクスプレスで行く香港&ベトナム・ダナンへの2度美味しい旅(その2)
ダナン魅惑のリゾートと庶民の台所を巡る
(2016/5/4 00:00)
「香港エクスプレスで行く香港&ベトナム・ダナンへの2度美味しい旅(その1)」で紹介したとおり、今回のプレスツアーは、日本人観光客が急増しているベトナム・ダナンの魅力を香港と合わせて満喫しようという企画。香港エクスプレスで移動費を格安にしたぶん、リゾートホテルで贅沢するもヨシ、割安のコンドミニアムや安価のローカルフードを楽しむもヨシ。近年、開発が進んでいる海辺のリゾートと、活気あふれる市街地の違った表情を楽しめるのは魅力的だ。
それでは、プレスツアーの模様をお伝えしていこう。ツアーの期間は、4月11日~15日。11日に香港空港で飲茶を満喫してから、現地時間18時にダナン国際空港に到着。日本との時差は2時間だ。
空港で迎えてくれたのは、日本語を話せる現地ガイドのハイさん。今回のツアープログラムをエスコートしてくれる。ハイさんとともに、さっそく夕食へ。
ダナン国際空港からは市街地まで3kmほどで、リゾートホテルが建ち並ぶ海辺のエリアまではクルマで15分程度だ。ダナンの南北に伸びているのはハン川。南シナ海に続くハン川の周辺は、カフェやバーがひしめき、若者を中心ににぎわうグルメ通りになっている。この川沿いの「ウォーターフロントレストラン&バー」で夕食を味わう。
1階はバースタイルでカウンター席とゆったりとしたソファー席。 天井の高い2階はテラス席もあり、ハン川を見下ろす抜群のロケーションだ。ベトナム料理を主にアジア圏の料理を融合させたようなオリジナルメニューが光る。ベトナムフルーツのサボンと海鮮を合わせた「サボンのシーフードサラダ」(13万ドン=約620円、1円=210ドン換算)はバジルやミントのハーブの香りがふわりと漂い、甘味と酸味が織りなすベトナムらしさを感じる1皿であった。
夕食後は、ハン川沿いを歩きドラゴンブリッジへ。毎週土・日曜には龍の口から火を吹くパフォーマンスもあり、観光人気を博している。街の灯りが映る川面を眺めながらの散歩は気持ちよい。
ドラゴンブリッジのたもとには広場があり、ダンスなどを楽しむ社交の場となっていた。平日の夜とは思えない雰囲気で現地の人が陽気に踊る姿が微笑ましい。
夜の散策を楽しみ、ホテルへ。この日の宿泊は「フラマリゾート ダナン」。かつて皇太子さまがお泊りになられた、ベトナムで初めて5つ星を獲得したホテルだ。日本人スタッフが滞在し、きめ細やかなサービスに、日本人の支持率も高い。窓のない吹き抜けの広いロビーに心地よい風が吹き抜ける。
225の客室のうちスイートが27室。ヴィラタイプの部屋もある。オーシャンビューの部屋でもハイシーズンを避ければ1万5000円程度から宿泊できる。5つ星ホテルの中では格安だ。ダナン市内とホイアン市内に無料の送迎シャトルも出ていて、日本人スタッフへの直通番号も教えてくれるので安心。スパやスポーツジム、託児所なども完備している。
目の前に広がるのはチャイナビーチ。ビーチになんとヘリポートがあり、チャーターして降り立つことも可能。利用者はサプライズのプロポーズで婚約者を連れてくる人が多いという。
朝食はブッフェ形式で、魚のコンフィールや好きな具材を入れられるフォーなどをプール前のテラス席で味わい、優雅な朝を過ごした。レストランはほかにイタリアンもあり、ステーキハウスでは火、木、土曜日の夜にベトナムダンスのパフォーマンスを鑑賞できる。
午前中はダナン市内の観光へ。まずはダナンとホイアンの中間にある五行山へ。陰陽五行説になぞられた五行山は、火山、水山、木山、金山、土山の5つの山からなっており、今回登るのは観光名所になっている一番大きな水山。山全体が、ダナンの名産であり産業として支える大理石でできているので、「マーブルマウンテン」とも呼ばれている。
メインのフィエンコ洞窟へ。岩壁の上にも大仏様が祀られていて、そのまわりに仏像も安置されている。頭上にはベトナム戦争時の空爆によって開いた穴があった。この光景をひと目見ようと各国から人が集まる。負の遺産が、時を経てベトナムの観光ビジネスに光を差していた。
この辺りは大理石の宝庫とあって、大理石のお土産屋が並ぶ。なかでも「スッアン」は、日本円で600円程度の置物から、ビジネス向けの大きな神仏なども製造、販売していて、ダナンの産業文化を垣間見ることができる。
続いて、昼間のドラゴンブリッジに立ち寄り、チャム彫刻博物館へ向かった。ダナンが「ベトナムのシンガポール」と言われる所以はこのマードラゴンにある。川にせり出したラブブリッジは、カップルが鍵を付けると結ばれるといわれている。取材日は結婚式の写真撮影をしていた。
続いて、案内してもらったのは中心部にあるチャム彫刻博物館。この建物はフランス植民地時代の1915年に建てられたもの。各地のチャンパ遺跡から発見された石仏や石造彫刻が展示されている。入場料は3万ドン(約143円)。
チャンパ王国は17世紀頃までベトナム中部で栄え、南下しながら勢力を広げたため、中南部でも遺跡が発見されている。通常の博物館のようにガラス越しに見るのと違い、貴重な遺跡を身近で観られ、悠久の歴史を身近に感じられた。
チャンパはヒンズー教のシヴァ神を信仰していたので、ヒンズー教を象徴する石造が多い。シヴァ神の性器を表すリンガとそれを受け入れるヨニの結合を表す像が代表的。子孫繁栄を願った石造として崇められている。9世紀頃には仏教の影響を受けたため、ヒンズー教の石仏に交じって大仏が安置されているのも興味深い。
午後からはミーケビーチへ。ダナンといえば、ビーチリゾートでゆったり過ごすのが醍醐味だ。プライベートビーチを確保しているリゾートホテルがほとんどだが、誰でも使えるビーチもある。遠浅で1km以上続くミーケビーチは家族連れにも人気。オープンカフェやレンタルパラソルがあり、ゆっくり過ごせる。
この日の気温は39℃。Tシャツが肌に張り付くようなじっとりとする暑さだった。ベトナムは紫外線が強いので日焼け止めは必須。地元の人たちは気温が下がった夕方に海に入るので、日中のビーチは観光客のものだ。
リゾートと観光名所を巡ったら、地元の熱気が感じられるダナンの市場へ。周辺の道路は無数のバイク駆け巡りベトナムらしい光景が広がる。ダナンには室内マーケットが中心のハン市場と、屋外にも食料品や日用雑貨がひしめくコン市場があり、見てまわるだけでも楽しい。
ローカルフードを味わおうと市場近くの「Banh Canh NGA」へ。Banh Canh(バインカイン)とは、米やタピオカで作られた麺のヌードル。鶏のすり身が入っていることが一般的だ。箸もあったが、短い麺をスプーンで食べるのがダナン流とのことで、スプーンで格闘しながら口に運ぶ。もっちりとした麺と辛味とほのかな酸味を帯びたスープがクセになる。
お腹が満たされたのでお土産を見に。ベトナムというと鮮やかなベトナム雑貨を思い浮かべる人が多いと思うが、ダナンのリゾート地周辺にお土産を買えるような雑貨屋はほとんどない。
そんななか、ガイドのハイさんに勧めてもらったのが、「HOA LY(ホアリィ)」。日本人夫妻が経営するお土産店で、ガイドの仕事をしていた地元の人脈を活かし、バッチャン村から仕入れた「バッチャン焼き」などベトナム伝統工芸品も扱っている。
さて、夜もローカルな「KMレストラン」へ。屋根が開閉式になっていて、オープンテラスのある海鮮居酒屋といったところ。地元の人たちが集まるローカル居酒屋だ。貝の酒蒸しや海鮮鍋など、港に近いダナンならではのメニュー。強い辛味や濃い口ということなく、新鮮な具材を、塩味や魚醤などでシンプルに味付けていて飽きずに味わえた。
夜は、世界遺産で知られるホイアン市内のホテルに移動した。ホイアンは「その3」でじっくりレポートするので、その前に、ダナンのおすすめホテルをもう1つ。
日本人に人気があり、カップルで訪れたいのが「フュージョンマイアホテル」だ。新婚旅行で訪れる人も多い。このホテルの目玉は充実したスパ。宿泊すると1人1日2回無料で施術を受けられる。16室のトリートメント室で受けられる本格スパのメニューは30種以上。
天然アロマのボディートリートメントから、フェイシャルやヒーリング系、ストレッチ系など種類が豊富で、例えばノーリッシングボディエンベロップは、アロエ、ココナツ、ドラゴンフルーツの中からローションを選び、マッサージで肌になじませラップをして天然の栄養を浸透させるもの。南国フルーツやハーブのアロマを取り入れた、この地ならではのスパメニューだ。
宿泊していないが、今回は取材のため特別にナチュラルリビングセラピー(アロマオイルボディマッサージ)50分の施術を受けた。
ふだん強めの手もみに慣れていて海外では物足りないこともあるが、ほどよい強さのマッサージで、グリーン系のさわやかなアロマオイルがグッと身体に浸透していくのが心地よかった。スタッフとは英語での会話で、肩まわりを中心に全身をやってもらったが施術後は頭までスッキリとした。
メインレストランにはオーガニック料理が並ぶ。マッサージ後の天然のフレッシュジュースは格別。「クーリンググリーン」(9万ドン、約430円)は、苦みがなく、ほうれん草のような香草の旨みがりんごの甘味で包まれていた。
そして、ダナンリゾートでのもう1つの楽しみ方はゴルフ。市内には3つのゴルフ場があり、なかでもモントゴメリーリンクスは、空港、ビーチ、五行山へのアクセスもよく移動しやすい。コースからも五行山を眺めることができる。
自然を活かした設計のコースは、所々荒い砂地や砂丘、コース上に南国植物が生えているところもあり、ベトナムらしいコースといえるかもしれない。
このようにリゾートでの過ごし方はそれぞれ。長いバカンスのあるヨーロッパ人はリゾートエリアからほとんど出ないとのことだが、ダナンは見どころの詰まったコンパクトな街なので、リゾートとローカルのギャップを楽しむのがおもしろいと感じる。
このあとは世界遺産としても知られるホイアンへ移動する。ダナンと合わせて巡るのがお勧めだ。ホイアンのレポートはその3で紹介する。