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日本トランスオーシャン航空、ボーイング 737-800型機の2016年2月導入に向け新モックアップ
客室乗務員の訓練用。お披露目式では訓練体験も
(2015/11/26 15:22)
- 2015年11月24日 公開
沖縄の航空会社、日本トランスオーシャン航空(JTA)が、2016年2月より順次導入するボーイング 737-800型機の訓練用モックアップを完成させ、11月24日にそのお披露目式を実施した。
式典では同社代表取締役社長の丸川潔氏が挨拶。新しいモックアップは従来設備に比べ、より実機に近いものとなっていること、音響・映像を使い臨場感ある訓練が可能なことなどをアピール。「ここまで機能にこだわった訓練機はほかにもなかなかないと自負している」と語った。さらに、「一般のお客様にも公開し社会貢献、地域貢献も図っていきたい」とのことだ。
旧モックアップとの具体的な違いは、全長が8.2mから15.3mと大型になり、客席、CA席とも増やすことができたこと、エスケープスライド専用架台を取り付けたことにより実機を使わず訓練ができるようになったこと、ギャレーやラバトリーのコンパートメントの開閉操作やサービスカートが装着可能になったことによりセキュリティチェックやサービスの訓練にも対応できるようになったことなどが挙げられる。
実際にモックアップに乗り込んでの訓練体験も行なわれた。着席すると、乗務員の“うちなーぐち”(沖縄方言)での挨拶に始まり、通常の機内での様子が展開される。
しばらくすると機内前方から煙が上った。火事を想定しての訓練だ。消火器により無事に消火がなされるが、その後、機体トラブルにより空港到着目前で海上に着水するという流れとなる。
いくつかの窓に小型モニター、客席前方には大型モニターが設置されており、火災の様子や海面などの映像が映し出されるようになっている。前傾姿勢を取ったあと、乗務員の指示により救命胴衣を着用した。このとき、機内は灯りが点滅、乗客の悲鳴などがウーファーから流れ、モニターに映し出される火災の様子などにより緊迫感が高まる。
着水確認後、乗客の助けを借り非常口のハッチを開く。機外へ脱出する際には足から出るように指示された。外に出ると救命胴衣を膨らませる指示を受け、最後は寒さから体を守るためにみんなで腕を組み輪になった。これで訓練は終了だ。
救命胴衣の着け方は、何度も飛行機に乗って説明を聞いているので分かっているつもりだったが、いざ実際に着用するとフックのかけ方、ベルトの長さの調節などに戸惑った。もし機会があるなら一度は練習しておくべきだろう。一般客への公開や訓練体験も近い将来にぜひ実現してほしい。