車中泊の拠点 RVパークを訪ねる
山梨・小淵沢で広大な敷地の森林キャンプ場内にあるRVパークに泊まってみた
RVパーク フレックスフィールド
2025年9月14日 08:00
近年、季節感が薄れてきているが、それでも10月は秋、そして11月は冬へ変わる時期。涼しいではなく「肌寒い」という言葉が自然に出るようになるが、そんな気候は車中泊にも最適だ。
現地でくつろぐとき、車外で食事するとき、焚き火をするとき、そして車中で寝るときも秋の気候は心地いい。さらに朝起きて車外に出たときのキュッと引き締まるような空気感は、この時期だけのものだろう。
さて、今回は秋に行ってみたいRVパークを訪問してきた。山梨県北杜市の「RVパーク フレックスフィールド」(山梨県北杜市小淵沢町3900-2)だ。キャンプ場の「FOLKWOOD VILLAGE八ヶ岳」内にある施設で、運営はハイエースやランドクルーザーの販売などを行なっている「FLEX(フレックス)」によるもの。
利用料金はシーズンごとに設定していて、ベーシックなフレックスサイトは5000円~9000円。フレックスサイト電源付きは7000円~1万3000円。犬をノーリードで遊ばせておけるドッグサイトは1万2000円~2万円。電源付きのドッグサイトは1万5000~2万5000円。
このあと写真でも紹介するが、ドッグサイトの面積はフレックスサイトの倍かそれ以上あるので、料金の違いはそこから来てるものだと思う。
RVパーク利用者はキャンプ場の設備も使える
フレックスフィールドの利用者は、FOLKWOOD VILLAGE八ヶ岳の施設やサービスも利用できる。
まずは受付でも利用するセンターハウス。ここではキャンプ用品やオリジナルグッズの販売も行なう。センターハウスのデザインは山小屋風で雰囲気がよく、施設のこだわりの強さが伝わってくるが、こだわっているのは建物だけではなかった。
運営母体は都内で飲食店の経営を行なっているので、FOLKWOOD VILLAGE八ヶ岳でも食事にはこだわりを持っているとのこと。センターハウス内にあるカフェでは地元の食材を使ったメニューをいろいろと揃えていて、調理も建物内のキッチンで行なう本格派。店内テーブルのほかにテラス席があり、自分のサイトで食べたいという要望に向けてテイクアウトにも対応する。
キャンプ場同様の使い方ができるRVパークだけに、サイト内でしっかり調理がしたいという人に対しては、FOLKWOOD VILLAGE八ヶ岳が素材を厳選したミールキットを用意している。食材だけでなく、調理用機材をセットにしたプランもあるので「自然のなかで料理したいけど道具がない」という人でも利用できる。
センターハウス横にはBBQスペースもあり、こちらも食材付きプランを用意している。ミールキット、BBQともに事前の予約が必要だ。
FOLKWOOD VILLAGE八ヶ岳ではサウナを使ったリラクゼーションに力を入れていて、敷地内に2棟のアウトドアサウナを備えている。
ストーブに乗った石に水をかけて蒸気を発生させるロウリュに対応したフィンランド式で、室内は中心に置かれたストーブを囲うようにデッキのある独特なもの。階段状になっているため、上の段と下の段で温度差が生まれ、体調に合わせた利用ができるという。
サウナは予約制。貸切専用のサウナは定員8名、利用時間は120分。パブリックサウナは定員が4~5名で90分の入れ替え制。両方とも水着着用で利用する。
全22サイトのRVパーク フレックスフィールド
さて、いよいよフレックスフィールドの紹介だ。サイトは全部で22サイトあって、愛犬をノーリードで遊ばせられる6つのドッグサイトと16の通常サイトに分かれている。
このうち、電源付きはドッグサイト×3と通常サイト×2だが、こちらの施設の特徴として、電源がないサイトにはポータブル電源のレンタルプランを用意している。
このプランで借りられるポータブル電源は同社のオリジナル。1506Whと大容量で、電流は正弦波。これがあれば「AC電源は不要」という人もいるのではないだろうか。ちなみに、今回はポータブル電源付きのプランで利用した。
FOLKWOOD VILLAGE八ヶ岳は広い敷地を有しているが、山あいの地形なのでサイトによって結構な高低差があったりする。そのためクルマの乗り入れしやすさにも違いがあり、前面道路からスムーズに入場できるのがF1~F6、D1~D6の地形的に上段になるサイト(上段エリア)。
F12~F20のサイト(下段エリア)は急坂を下ったところにあるので(路面に滑り止めの対策はしてある)、雨天時など路面が滑りやすい条件では、車体の大きいキャンピングカーや4WD以外での利用は注意が必要かもしれない。
フレックスフィールドは赤松の森を開拓して作ったキャンプ場内にあるので、サイトの作りはキャンプ場と同じようなもの。サイトごとに地形はまちまちだ。
また、整地されているとはいえ、自然の地形を利用しているので地面には多少の傾斜があって、サイト内に展開する装備のレイアウトによっては、クルマを停める位置が傾斜部分になってしまうこともある。そのため、傾きが気になる場合はタイヤの下に敷くスペーサー(板など)を用意していった方がいいかもしれない。この辺りが一般的なRVパークとは違う部分と感じた。
こういったところもキャンプ場的な車中泊施設であるフレックスフィールドの特徴なので、現地について「さてどうやってサイトを使っていこうか?」と考えるのも楽しい。これはテント泊のキャンプをする人にはよく分かると思う。
居心地については、周辺の環境からしてやはり気持ちがいい。取材した日はまだまだ夏日で日差しも強かったが、背の高い木に囲まれているため、日中でも適度に影ができるのもよかった。サイトの地面はウッドチップ引きで水はけがよいため、雨の日でも足元がぐちゃぐちゃになって困るようなことはないだろう。また、サイト内の手入れも行き届いていて、端の方はともかく使用するエリアには雑草など生えていない。
下段エリアは谷のような地形なので「森」という感じが強く、上段エリアより隠れ家的な雰囲気がある。また、下段エリアは1つのサイトのなかでも高低差があり(といっても激しくはない)、クルマを停める場所から1段高い位置にテーブルの展開やテントを張るスペースがあるサイトがある。これはこれでおもしろい使い方ができそうだが、クルマの種類によっては利用しにくさを感じることもあるかもしれないので、予約時に自分のクルマや装備展開のスタイルに向いているかどうか、施設に聞いてみるといいだろう。
一人の夜は静かで暗かった
取材日は夏休みが終わったあとの平日だったので、ほかの利用客がいない状況で一晩を過ごすことができた。フレックスフィールド内は炊事棟以外に照明がないし、月の出ている夜でも森のなかゆえに月明かりはサイトまで届きにくく、夜はしっかりと暗くなる。秋の肌寒さと合わせて、なかなかいい雰囲気を味わえるはずだ。
ただ、車外で調理や食事をするときは手元をしっかりと照らせる照明が必要だ。炊事場に明かりがあるので、調理はそこで済ませてサイトでは食べるだけ、ということも可能。
夜間の音については、早い時間帯は前面道路にクルマの通行はあるものの(台数は少ない)、夜が更けるとそれもなくなるので周辺はシンとする。耳をすましているとはるか上空を飛ぶ飛行機の音が小さくたまに聞こえるくらいだった。それぐらい静かな環境なので、ほかの利用者がいるときは声を含めた音量にも気を使いたい。ちなみに、施設の決まりとして21時以降は外での活動を終わるルールになっている。






































































