車中泊の拠点 RVパークを訪ねる
食材購入もレストランも施設内で完結。空白エリアに新設された滞在型RVパークに泊まってみた
RVパーク 伊東 奏の森リゾート
2025年11月9日 08:00
今回利用したのは、静岡県伊東市に新規認定された「RVパーク 伊東 奏の森リゾート」(静岡県伊東市十足325-1)。
エリア全体が観光資源といえる伊豆半島には多くのRVパークがあるが、なぜか伊東市には施設がなかった。しかし、2025年10月に奏の森リゾートがオープンしたことで人気の観光地である伊東市で車中泊の旅を楽しめるようになった。
ちなみに伊豆半島は高速道路から直接入れないので、行くには意外と時間がかかるのだが、伊東市は東京方面から行きやすい伊豆半島の観光地であり、クルマ旅で伊東市を宿泊地にすると、途中、箱根や熱海などに立ち寄ったり、伊東市で宿泊したあとに南伊豆、西伊豆などに足を伸ばすなど旅の楽しみを広げられるエリアでもある。
RVパーク 伊東 奏の森リゾートの料金はシーズンによって異なり、1泊4400円~7700円。区画のサイズは5×5mで、1区画で利用できる車両は1台まで。区画ごとに100V電源があって、出力は1500Wまで対応している。
スペース内であればイスやテーブル、サイドオーニングの展開はOKだが、路面はアスファルト引きなので金具類で固定するのはNG。
屋外用の調理道具はコンロなどの使用はOKなのだが、施設内に洗い場がないので、道具や食器の後始末はキッチンペーパーで拭き取るなどにとどまる。洗面所で食器を洗うのも禁止なので、調理をしたい場合は、後始末の方法を考えておきたい。
次に夜の楽しみの1つである焚き火だが、これは焚き火台を使用すればOKとなっている。星空がきれいなエリアなので、これからの季節は焚き火をしながら星空を眺めるのも気持ちいいだろう。
トイレと洗面所は歩いてすぐのところにあり、24時間利用できる。シャワールームもあって料金550円で24時間何回でも利用できる。料金の支払いはチェックイン時に行なう。
ゴミの処理は30Lのゴミ袋2枚を440円で販売している。2枚なのは分別のためで、燃やせるゴミとペットボトル、もう1枚は缶や瓶用だ。なお、周辺には鳥や野生動物がいるので、就寝時はゴミ袋を箱に入れるなど動物に荒らされない対策をした方がいいだろう。
食事も食材もハイレベルのものが施設内で揃う
奏の森リゾートは「癒しのエコリゾート」をコンセプトにした複合観光施設で、地産地消・ユニーク・健康とバランスのテーマからセレクトした地元の野菜や特産品、そして全国、世界的に有名な食材を揃えたショッピングコーナーと、3か所の食事処を備えている。
今回の取材先に選んだ大きな理由に、「施設内の食事環境が充実している」という点がある。
車中泊とキャンプはそもそも楽しみ方が異なるので、車中泊ユーザーは外調理用の道具を持っていないこともある。そのため、施設内に食事をする場所がない場合は、コンビニやスーパーなどで購入しておいた弁当や惣菜で済ませるか、一度敷地の外に出て、どこかで外食するという選択肢になる。
訪れた先のお店で土地のものを食べる楽しみもあるが、食事と一緒にお酒を飲みたい場合はクルマを出すわけにはいかない。そんなとき施設内に食事処が充実していれば、夜は美味しい食事もお酒を飲むのも自由だ。
というわけで、RVパークの紹介の前に、まずは奏の森リゾートの食事処について紹介していこう。
1つ目は和食の「遙」。伊東の漁港からの朝どれ魚を使う海鮮丼をはじめ、さまざまな和食料理が楽しめる。営業時間は11時~18時で、夕食には少し合わないかもしれないが、天丼や海鮮丼などはテイクアウトにも対応している。
次は「エイジド」。熟成肉を使ったステーキハウスで、地元の人も多く利用するという。オープン当初はそれなりの価格に設定していたが、より多くの人に来てもらいたいことから設定を下げている。特にランチはお得なので、RVパーク利用者であれば早めに着いて、お昼をここで済ませるのもよいだろう。
3軒目はパンとジェラートを扱うカフェの「カルム」。著名なシェフが監修するパンやジェラード扱うお店で、こちらも観光客、地元の方ともに人気の店だ。朝7時から営業しているので、RVパーク利用者が朝食を採るために利用できるのもうれしい。店内に40席、テラスが16席あり、それぞれのテーブルの間隔が広くとられているので、ゆったりとした雰囲気で利用できる。
ショッピングコーナーは、いわゆるお土産品のほかに食品を多く扱っており、RVパークで外調理をしたい場合は、ここで食材を揃えることができる。地元でとれた野菜やジビエ肉、干物などのほか、静岡エリアで人気のハンバーグやソーセージ、お酒のつまみにあう惣菜などもお店のなかで調理して販売している。
駐車場の一角に設定した2台分のRVパーク
さて、改めてRVパークの紹介だ。奏の森リゾートは道の駅のような機能もあるので、駐車場がとにかく広い。そこでその広さを利用して、RVパークが設定されている。
現在は2台分の区画を用意していて、1台分が通常の駐車枠の2台分。そのためクルマの左右に余裕があり、テーブルなど展開しても窮屈な感じにはならない。また、区画は駐車場の「角」の部分に設定しているので、2区画両方に利用者がいても、ほどよい間隔が取れるようになっている。
奏の森リゾートは、空きがあれば当日予約も可能だが、飛び込みはNGとなっている。当日利用の場合でもあらかじめ電話で予約が必要だ。ちなみに区画は2つなので、週末は事前予約をするのが確実だろう。
チェックインは13時~20時。受付終了時間が遅いので立ち寄りしながらの到着でも間に合うのがうれしい。食事を外で済ましてくることもできるだろう。チェックアウトもゆっくりめで12時までなので、朝にカフェのカルムで朝食を取ったあと、施設のなかを散策するのもいいと思う。散策のコースをこのあとに紹介する。
到着したら受付がある建物へ向かう。奏の森リゾート内の建物は平屋だが、受付がある建物だけは2階建てなのですぐに分かるはず。進入路から入ってきて駐車場が見えたら右側を向くと受付の建物が見える。
施設内には、男女別でそれぞれ5つのシャワーブースを用意している。内部には着替えのためのスペースがあり、女性用のシャワーブースのみリファのシャワーヘッドとパウダーコーナーにリファのドライヤーを用意している。シャワーブースの利用料は550円で、チェックアウトまでの間なら何回でも利用することができる。24時間利用できるので、深夜や早朝などにもシャワーを使える。
奏の森リゾートは山のなかにあるのでまわりに騒音を出すようなものはない。そのため夜は静かなのだけど、場内には一晩中照明がついているので、いわゆる山の夜の怖さみたいなものは感じなかった。暗いところや寂しいところが苦手な人にとってはよいことだと思う。夜にトイレに行くにも手持ちのランプ不要だし、トイレ自体の照明も明るいので利用しやすいと感じた。
奏の森リゾートの入り口ゲートは24時間開いているので、朝から駐車場にはクルマのが出入りがあるが(カフェのクラムにパンを買いにきた人のようだった)、RVパークは一般の駐車場と別の場所で、主に従業員の方が利用するエリア。朝早く出勤する方でもRVパーク利用者のまわりには止めないようしているようなので、朝から周辺がわちゃわちゃすることはなさそうだ。
以上が奏の森リゾートのレポートだ。最初に書いたとおり、施設内に食事処と食材が買えるお店が揃っているので、自宅から直接RVパークに入って、あとは施設内でゆっくりできるのも魅力。温泉が多い伊豆半島なので、帰りがけに温泉に入ってのんびりすることもできる。東京から行きやすいだけでなく、過ごしやすさも持っている施設だった。











































































