旅レポ
歴史と温泉を堪能する天草&島原の旅(その2)
雲仙などの大自然の恵み、豊かな海の幸と温泉を楽しむ充実の3日間
(2016/5/9 14:58)
世界遺産登録に向け活動している「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」をめぐる旅「VISITあまくさ・しまばら モニターツアー」。その参加レポートの第2回目は多くの人にとって旅の楽しみの定番、かつ醍醐味である食事、そして温泉の話をお届けします。
さて、朝羽田空港を発ち直行便で長崎空港に着いたツアー一行が第1の目的地「島原」に到着したのはちょうどお昼時。これからさまざまな観光施設やキリスト教関連遺産をめぐるためにまずは腹ごしらえ、というわけでバスが向かったのは「漁人(ふなと)市場 ― とっとっと食堂」という海沿いの食堂。150年~200年前の島原藩主松平家の米蔵を改装したというその建物の佇まいと、美しい海沿いというロケーションが気分を盛り上げます。ギャラリーやコンサートホールとしても利用が可能という店内も広々としています。
今回いただいたのは「漁人『極め』海鮮丼」というこのお店一押しのメニュー。島原半島で獲れた地の魚介を中心に盛り付けられた海鮮丼です。きびなごや蛸など、こう言ってはなんですが驚くほど珍しいものとか派手なものがあるわけではないのですが、その土地の新鮮な魚介をその土地で食すというのは旅の食事としては最もふさわしく、かつ贅沢だと思いますので大満足です。もちろん味も大満足、やっぱり鮮度って大事ですよね。敷地内には地魚の販売をしている「とっとっと市場」が併設されていて、新鮮な地の魚介類の購入も可能です。なお今回はバスツアーでしたが島原鉄道の終点、島原外港駅の隣、南島原駅から徒歩5分と鉄道を利用してもアクセスしやすい場所にあります。ツアー一行はここで島原の味覚を堪能したあと、ここからバスで10分程度で着く島原城をはじめ、島原の観光地を巡りながら雲仙温泉へ向かいます。
温泉天国、島原の雲仙温泉と雲仙地獄めぐり
さて、食事とともに旅の醍醐味に挙げられるのが温泉。東側に島原温泉、西側に小浜温泉、そのほかさまざまな温泉を有する島原半島の中央に位置するのが、ツアー初日の宿泊地である雲仙温泉です。雲仙温泉は標高約700mに位置し、長崎よりも気温は5℃くらい低く、7月~8月の平均気温は22℃くらい、昨年は最高気温が29.8℃と1回も30℃を超えなかったという夏でも涼しいエリアだそうです。よく考えてみると避暑地として人気の夏の北海道だって30℃超えの日なども少なくないので、いかに雲仙の温泉街が涼しいのかが分かります。そして、そんな温泉街の散策の目玉が「雲仙地獄めぐり」です。気温の低さとは裏腹にここは温泉がふつふつと湧き、地面が温かいエリアで、熱いところでは地面が60~70℃にもなるそうです。地下300m~400mなら200℃、地表から湧き上がる温泉は100℃以上とまさにこの雲仙温泉の心臓部のような場所で、その一帯をめぐる遊歩道が整備されているのでこの地を訪れたら、たっぷりとした湯で体を癒すと同時に、目で温泉を楽しむのもオススメです。
そんな「雲仙地獄めぐり」のなかでも筆者が今回体験したナイトツアーは特にオススメです。気温の下がった夜、あちこちでモウモウと湧き上がる温泉の湯気にまみれ遊歩道を歩き、雲仙ならではの大自然や、この地も無縁ではいられなかったキリシタン迫害の歴史、それらを語るガイドの話に耳を傾けながら懐中電灯片手に過ごす時間は充実したものでした。出発時には5つの星しか見えていなかった北斗七星も終盤にはすっかり上がり、ときには星空を見上げ、ときには地面に伏せ地熱を感じながら湯けむりと周辺温泉宿の明かりを見渡して風景を眺めるという、地獄で味わう極楽体験なのです。
ナイトツアー、食事、温泉を堪能しゆっくり体を休め、翌朝、昨日めぐった遊歩道を今度は朝日を浴びながら散策し、さらに半島を南下し世界遺産を目指す日野江城跡、原城跡を目指しました。
世界遺産を目指す原城跡のそばにある原城温泉 真砂で南島原の味覚を堪能
ツアー2日目の昼食は原城跡のそばにある原城温泉 真砂でいただきました。生でも食べられるという極上の芳寿豚と有明海の海の幸という贅沢な昼食です。有明海に面した宿泊施設ですが温泉や食事だけの利用もできます。