旅レポ

シーウォーカーの海中探索と息を飲む絶景ビーチ。ケアンズ・グレートバリアリーフで1日に二度楽しいマリンアクティビティを体験してきた

朝のReef Fleet Terminal。今回参加したSunlover Reef Cruisesだけでなく、各社のツアーの受付がここに集まっている

 ケアンズの旅で外せないものといえば、やはりグレートバリアリーフだ。空港からケアンズシティまではクルマで10分~15分。街のすぐそばにマリーナがあり、そこから船に乗れば世界最大級のサンゴ礁の海、グレートバリアリーフへ出られる。

 今回は、Sunlover Reef Cruisesの「Reef&Fitzroy Island Full Day Reef Tour」に参加した。マリーナから船で1時間半ほどの外洋リーフに設けられたMoore Reef Pontoonでアクティビティを体験し、そのあとFitzroy Islandへ移動。ランチを取って、島を散策するという1日でリーフと島の両方を巡るツアーだ。

外洋のポンツーンまで双胴船で1時間半

 出発は、ケアンズシティのマリーナ沿いにあるReef Fleet Terminal。朝のターミナル周辺には、各社のリーフツアーに参加する人たちが集まっていた。早朝だというのに、みなテンションが高めだ。Reef Fleet Terminalにはリーフクルーズ各社のカウンターや乗船案内などがまとまっている。ケアンズで海へ出るアクティビティは、まずここから始まる。

Terminalの目の前はすぐマリーナ。Reef Fleet Terminalで受付を済ませて各ツアーの船へ向かう
マリーナに停泊するクルーズ船。朝から続々と船が出航していく
マリーナ沿いのボードウォーク。船に乗らずともカフェで出航する船を見ているだけでも楽しい
Reef Fleet Terminalの外観。各社のカウンターや乗船場所がここに集まる。ケアンズの海の玄関口

 Terminalで受付を済ませ、Cairns Marlin Marinaへ向かい、案内図で乗り場を確認しながらSunloverの船へ。今回乗船したのは大型のカタマランボート、いわゆる双胴船だ。Moore Reefまでの所要時間は約1時間半。そこからFitzroy Islandへ移動し、最後はケアンズへ戻ってくる。

Sunlover Reef Cruisesの大型カタマランボート(双胴船)。リーフツアーではカタマランがよく使われる
Cairns Marlin Marinaの案内図。船の乗り場を確認しながら、Sunloverの船へ向かう
Moore Reefを案内するSunlover Reef Cruisesの看板が掲げられた桟橋。各社接岸する場所が決まっているので分かりやすい
カタマランは細長い船体をデッキでつないだ構造。横揺れに強く、デッキを広く取れる。また水に触れる船体が細長く、比較的高速航行に向いている
出港準備を行なうクルー。観光船とはいえ、これから向かうのは外洋のリーフ。入念な準備が進められる

 乗船券を提示して船内へ。船内には売店があり、スナックやドリンク類も販売している。ただ、この日は海が少し荒れ気味。船酔いしやすい人は、朝食や船内で食べる量は少し控えめにしたい。船に乗り込むと席は自由。船は場所によって揺れの感じ方が違う。酔いやすい人は下層デッキの真ん中付近、船の重心に近い場所が比較的酔いにくい。前方は特に縦揺れが、後方はエンジンの排気などのにおいで酔いやすい。また上部デッキは横揺れも強くなる。

 席に座るとクルーによるセーフティデモンストレーションが始まる。この辺りはどこか飛行機にも似ている。大型の観光船とはいえ、向かう先は外洋のリーフ。しっかり説明は聞いておこう。英語が分からなくてもジェスチャーで理解できる。

Sunloverの乗船券。まずはCairns Marlin MarinaからMoore Reef Pontoonへ向かう
船内の売店で販売しているスナック類。ドリンク類は驚くほどキンキンに冷えていた
桟橋から船が離れいよいよ出航だ
クルーによるセーフティデモンストレーション

 さて、いよいよ桟橋を離れゆっくりと港を進む。港を囲む防波堤を抜けると、船はMoore Reefへ向けて徐々に速度を上げていく。

 この日は、むちゃくちゃ揺れた。

 筆者は船や飛行機の揺れにはめっぽう強い。むしろ揺れるほど少しワクワクする性分なので平気だった。それでも「おお、今日は揺れるな」と思うくらいには揺れた。滞在中は天気が不安定で、海も少し荒れ気味。グレートバリアリーフと聞くと、穏やかな青い海を思い浮かべがちだが、実際の海は天候や風、うねりに大きく左右される。ただ、今回案内してくれた、Sunlover Reef CruisesのASAMIさんは、「これくらいなら全然大丈夫ですよ?」と揺れをなんとも思っていない様子だった。

トイレは船尾、船室の外にある。激しい揺れのなかで狙いを定めるには膝の柔軟性がキモ。しかし航跡を見れば分かるが、なかなかの水飛沫

 船内では、スタッフがエチケット袋を手にして常に見回っている。実際に、船酔いでつらそうな人も見かけたが、スタッフがすぐに声をかけていた。乗り物酔いしやすい人は酔い止めは必須。ただ、万が一でもスタッフがすぐに駆けつけてくれるのが心強い。

 船内の冷房はかなり強めに効いている。これは快適性だけでなく、船酔いを起こしにくくするための配慮でもある。ただし、海に入ったあとなどに船内に戻るとかなり寒く感じる。暑がりの筆者でも寒く感じたので薄手の羽織りものを1枚持っておくと安心だ。

荒れる海を高速で突き進むSunloverのカタマラン船内。船酔いを感じにくくするために、冷房がしっかり効いている

 約1時間半でMoore Reef Pontoonに到着した。ポンツーンはいわゆる浮桟橋で、外洋リーフの海上に設けられたプラットホームだ。ここを拠点にシーウォーカーやシュノーケリングなどのアクティビティを楽しめる。

Moore Reef Pontoonに到着。外洋の海上に設けられた拠点から各種アクティビティを楽しめる
ポンツーンのデッキから海へ。ライフガードがしっかりと見守ってくれるので安心して海にはいることができる

呼吸のできるヘルメットを付けて海中探索できるシーウォーカーを体験

 到着後、まず体験したのはシーウォーカーだ。フルフェイスヘルメットをかぶり、顔を濡らさずに海中を歩くアクティビティで、メガネをかけたままでも楽しめる。ヘルメットにはホースがつながっており、このホースから空気が供給される仕組みで、水中でもそのまま呼吸できる。ダイビングのようにマスクで顔を覆ったり、レギュレーターをくわえたりしないので、初めてでもすぐに楽しめる人気のアクティビティだ。

ポンツーンのデッキ下から海中へ。ヘルメットはかなり重いが、スタッフがしっかりと支えてくれるので簡単にかぶることができる

 海中へ降りると、ポンツーン下に設けられたルートをスタッフの案内でゆっくり進む。階段や手すりがあり、参加者はそれにつかまりながら移動する。水中をまさにゆっくり散歩する感覚だ。

あらかじめスタッフダイバーが待っていてくれて、ハンドサインで案内してくれる
ポンツーン下に設けられたシーウォーカー用の散策デッキ。身体にウェイトや、重いヘルメットを装着しているので安定はしているが、海流でかなり身体が持っていかれるので、手すりは重要
ヘルメットを装着して階段を降りて海中へ進んでいく。ヘルメットの後部につながっているホースから空気が送られる

 この日、天気は晴れていたが、前日までの天候不良で海中は少し濁っていた。グレートバリアリーフといえば、透明度抜群の海が広がっていると思いがちだが、実際には天候や海況に左右される。特にうねりや濁りは、当日は晴れていても、2~3日残るらしい。

 それでも、魚はすぐ近くまで来てくれる。目の前を大きな魚がゆっくり通り過ぎ、カメラのすぐ前まで近づいてくる魚もいる。透明度がわるくても、自分の身体が水中にあり、魚と同じ場所にいる感覚はしっかりと味わえる。

目の前は魚だらけ。こちらから近寄らなくても魚が寄ってくる。ダイビングの経験がなくても十分に楽しめる
手を伸ばせば触ることができる近さ(魚たちのためにも触れるのはやめよう)
スタッフダイバーが参加者の安全をしっかりと見守ってくれる。また、水中カメラで記念撮影もしてくれる
海中での撮影はGoProを使用。水深5mほどなので特に水中ハウジングなどは使用せずに撮影した

 散策デッキを一周すると、再び水面へ戻る。器具の扱いはすべてスタッフがサポートしてくれるので、参加者で難しい操作はない。顔も濡れないので、ダイビング未経験の人や、泳ぎに自信がなくても不安なく参加しやすいアクティビティだ。

シーウォーカーを終えて水面へ。スタッフがすべて安全にサポートしてくれる

 次はシュノーケリングへ。このときも必要なウェットスーツや、ゴーグル、フィンなどはすべて貸し出してくれる。ちなみに、筆者は普段メガネなのだが、ありがたいことに度付きのゴーグルも貸し出してくれる。さすがに強い乱視や左右差など、メガネのように完璧に合った度というわけにはいかないが、それでも十分に見える。筆者はこれで十分に助かった。

 シュノーケリングはポンツーンのデッキからアプローチする。海中の視界は、シーウォーカーのときと同じく少し白っぽい状態だった。それでも海中を覗くと魚の動きが見えて、海底にはサンゴが広がっている。今回は利用しなかったが、ポンツーンにはグラスボトムボート・半潜水艇(オプション)や、ウォータースライダーなどもある。

ポンツーンのデッキから海へ入る参加者。階段から海へ降りられるので初めてでも入りやすい
シュノーケリング中の海中。視界は少し白っぽかったが、サンゴはしっかりと見える。運がよければウミガメに出会えることもある

 シュノーケリングを終えたあとは着替えてポンツーン内を散策してみた。デッキでは、これから海に入る人、休憩する人、写真を撮る人など、みなそれぞれの時間を過ごしている。自分が今いる場所が、日本から遠く離れたオーストラリアの外洋の海上というのが、なんとも非現実的でどこかふわふわした感覚だった。

ポンツーンは乗ってきた船よりも二回り以上大きな海上浮桟橋。このなかに数々のアクティビティがつまっている
ポンツーンに接岸中のカタマランと、今回のツアーをアテンドいただいたSunlover Reef CruisesのASAMIさん

 ポンツーンには海中展望室もある。泳がなくても窓越しに海のなかが眺められる施設だ。地元の子供たちの海洋教室などでも使われることがあるらしい。海に入れない小さな子供連れや、海に入らない同行者がいても、ここならリーフの雰囲気を一緒に味わえる。

海中展望室。泳がなくても窓越しにリーフを泳ぐ魚たちを観察することができる

言葉を失う美しいビーチへ。ケアンズ沖の島・Fitzroy Island

 さて、Moore Reefでの滞在を終えると、船はFitzroy Islandへ向かう。ポンツーンから所要時間は約45分。外洋リーフから島へ移動すると、景色が大きく変わる。海の上に浮かぶポンツーンから、緑に覆われた島へ。1日のなかでこの変化を味わえるのがこのツアーのおもしろいところ。

ポンツーンから約45分でFitzroy Islandの桟橋に到着。
桟橋から島へ上陸。Welcome Bay周辺にはリゾート施設やビーチが広がる

 Fitzroy Islandはケアンズ沖にある島で、島の多くは国立公園に指定されている。桟橋から上陸すると、すぐ近くにビーチやリゾート施設があり、背後には緑の濃い山が迫る。

 散策の前に、まずはランチだ。今回のツアーでは、Fitzroy Islandでビュッフェ形式の昼食が用意されていた。海に入ったあとだけに、かなりお腹がすいている。ここでしっかり食べられるのはありがたい。好みの料理を皿にとり、午後の島歩きに備えてしっかり食べた。

ツアー参加者のみが利用できるランチビュッフェ
品数は豊富。午後からの島歩きに備えてしっかりと食べる

 ランチのあとは、いよいよNudey Beachへ向かう。Fitzroy Islandの海岸線は、白っぽい浜と青い海、その背後に山並みが続く絶景の宝庫だ。Moore Reefの外洋とはまったく違い、こちらは南国の島らしさを感じることができる。

Fitzroy Islandの海岸線。白い浜と青い海、海のむこうはオーストラリア大陸

 Nudey Beachへは、Nudey Beach Trackを歩いて向かう。読み方はヌーディービーチ。名前から、男性諸氏はよからぬ想像をするかもしれないが、ヌーディストビーチではないのであらかじめ断っておく。島を代表する美しいビーチだ。

Nudey Beach Trackの入口。ここから森のなかを歩いてビーチへ向かう

 道のりは、片道ゆっくり歩いて30分ほど。単なる海辺の散歩道ではなく、森のなかを進み、岩場や段差もある。雨のあとで足元が濡れている場所もあった。ビーチサンダルだけだと少し歩きにくい。できればスニーカーや、サンダルでもストラップで固定できるものをお勧めしたい。筆者はストラップ付きのサンダルで歩いた。

鬱蒼とした森の散策路。白いビーチとは正反対の景観がまたおもしろい
ASAMIさんとNudey Beachまでの道のりを確認。ゆっくり歩いて片道30分ほど
岩場や段差もあり、滑りやすい場所もあるので注意が必要だ

 のんびり30分ほど森のなかを歩くと、急に視界の開けた場所に出る。熱帯雨林のムシッとした空気が、気持ちよく吹き込む海風に変わり、白い珊瑚の浜と青い海が現われる。Nudey Beachはとにかく美しかった。海風と白い浜、青い海を前にしばらく立ち尽くした。

 この日は決して天気が完璧だったわけではない。それでも、海の色、白い浜、遠くに見える山が重なった景色には、歩いてきた分だけのご褒美感があった。浜の白さの正体は珊瑚片。足元を見ると、その白さの理由が分かる。

森を抜け、散策路を登り切ると目の前に広がるビーチ。とにかく「美しい」以外の言葉が見つからない
白い浜の正体は打ち上げられた珊瑚片。素足で歩くにはすこし注意したい
ビーチの片隅には手作りのブランコ。ビーチまで一人で来たという彼女、スマートフォンで写真を撮ってほしいと頼まれたので、代わりにモデルになって!と言うと快諾してくれた

 今回のツアーではNudey Beachで海には入らず、散策のみ。Moore Reefで海に入り、Fitzroy Islandでは島を散策。1日で海と島の両方をムリなく味わえるのがこのツアーのいいところだ。ビーチから戻ったあとはバーエリアでつかの間の休憩。海を見ながらぼーっとしているだけでココロが洗われる。なんとも贅沢な時間だ。

桟橋から少し離れた場所にあるバーエリア。各種ビールなども用意している

 桟橋に船が戻ってくるといよいよ島を離れる時間だ。乗客が桟橋へ戻っていく。Fitzroy Islandでの滞在を終え、再び船でケアンズシティへ。Fitzroy IslandからCairns Marlin Marinaまでは約45分。1日の疲れからか、すっかり寝落ちてしまい、気が付くと港に接岸していた。

沖合いに投錨していた船が桟橋に戻ってくると、島を楽しんだ参加者が次々と船に乗り込む
Fitzroy Islandを離れ、Cairns Marlin Marinaへ帰投する

 今回のツアーでは、Moore Reefでシーウォーカーとシュノーケリングを体験し、Fitzroy IslandではNudey Beach Trackの散策を楽しんだ。このほかにもSunlover Reef Cruisesでは1日中ポンツーンで海を楽しむツアーや、ヘリに乗って空からグレートバリアリーフを楽しむツアーなど、いろいろなツアーを用意している。

 一方で今回のように、Moore ReefとFitzroy Islandを組み合わせると、海中アクティビティと島歩きの両方を味わえる。体力は少し使うが、ケアンズの海を1日で二度楽しむなら、ぜひオススメしたいプランだ。

Cairns Marlin Marinaへ接岸して下船。クルーが手を振って見送ってくれた
竹信大悟