旅レポ

冬こそ行きたいフィンランド旅行。オーロラ観賞に犬ぞり、サンタクロース村……美しい銀世界で叶えたい感動体験6選

まもなくフィンランド観光のハイシーズンに突入! お勧めアクティビティ6選を紹介

 本物のサンタクロースに会いたい、オーロラが見てみたいという憧れは、大人も子供も問わず共通するらしく、特に“冬のフィンランド”は世界中から多くの観光客が訪れる。

 日本から首都ヘルシンキまでは、羽田・成田・関空・中部の4空港からフィンエアーが直行便を運航。そこから国内線で約1時間半、北極圏のラップランド地方まで足をのばすと、美しい銀世界のなかで驚きと感動のアクティビティを楽しめる。

 今回は、ラップランドの都市・ロヴァニエミ観光局がお勧めする6つの体験と、フィンランド旅行のキホンを解説。まもなく突入する“長い冬”のハイシーズンに向けて、旅行計画を検討してみてはいかがだろう。

フィンランドマップ。バルト海に面する最南端の首都ヘルシンキから、北へ約700kmに位置するのがロヴァニエミ。ちょうど北極圏(Arctic Circle)ライン上にある

その1:太陽の極大期で「オーロラ観賞」のチャンス到来

 フィンランドを訪れるなら、やはり一度は見たいオーロラ。ベストシーズンは8月下旬〜4月上旬で、特に北極圏のロヴァニエミ以北では年間約150夜も観測でき、市内でも幻想的な天体ショーに出会えることがある。

 特に近年は、太陽活動が活発化している影響で「オーロラ観測の当たり年」とも言われており、遭遇率は決して低くない。太陽の極大期は2026年まで続くが、次のピークを迎えるのは11年周期で2035年ごろとされている。

 オーロラベルトの真下に位置するロヴァニエミなら「晴れた空で暗い場所」であれば高確率でオーロラが出現するという。一方で、太陽が沈まない白夜のシーズン(5月中旬〜8月上旬)はオーロラを見ることができないため、この冬が絶好のタイミングなのだ。

肉眼ではっきりと観測できたオーロラ。写真に撮るとより鮮明に見える
合わせて訪れたいロヴァニエミのアルクティクム博物館。北極圏の自然・文化・歴史を学べる

その2:銀世界の森を駆け抜ける、犬ぞり&トナカイそりに感動……!

 ラップランドの豊かな大自然と伝統に触れる、冬ならではの雪上アクティビティがお勧め。

 犬ぞりは、北極圏の厳しい寒さにも耐える大型犬のハスキーが人間や荷物を運ぶ手段として活躍してきたシベリア発祥の慣習。賢くて元気いっぱいの約10頭が、5~6人乗りの木製そりを引き、雪深い森のなかを駆け抜ける。

 観光向けの犬ぞりでもスピードは時速15〜20km。さらに真冬のロヴァニエミは氷点下20℃という極寒なので、20分ほど疾走しただけでもまつげや鼻水はもれなく凍る。そのため、全身の完全防寒が必須となる。

20年以上の歴史を持ち、環境や動物福祉に配慮したSTF認定の先駆者「ベアヒル・ハスキー」にて体験可能。雪深い森のなかをハスキー犬たちと疾走し、スリル満点!
全身の本格的な防寒装備もここでレンタルでき、体験後はご褒美の餌やりタイムも

 一方、フィンランドの伝統トナカイそりでは、静寂に包まれた美しい森をゆったりと進んでいく。時速5〜10kmほどの、のんびりとした速さなので、比較的誰でも挑戦しやすい。

 トナカイの歩みに身を任せ、ザクっザクっと蹄や板が雪を踏みつける音を聞きながら、一面に広がる銀世界を堪能できる非日常は感動もの。ゴールしたあとは、トナカイとの記念撮影や餌やり体験も楽しめる。

地元ファミリーが経営する「タアヴァ・トナカイ農場」で体験可能。森の雪景色とトナカイのふれあいに心癒やされ、記念撮影サービスや餌やりも
体験後は、小屋で暖炉を囲んでティータイム。クリスマスに欠かせない伝統的な飲み物グロッギ(スパイスの効いたホットワイン)と昔ながらのおやつカレリアパイ(ライ麦生地でミルク粥を包んだ惣菜パン)で温まる

その3:サンタクロースの故郷で、ついに本物とご対面

 そしてロヴァニエミの名物スポットが、本物のサンタクロースに一年中会える「サンタクロース村」。敷地内には、北緯66度33分45.9秒の「北極線(Arctic Circle)」を示すラインがあり、ここをまたいで越える瞬間はマストで記念写真に残したい。

本物のサンタが暮らすサンタクロース村
巨大な温度計が示すとおり、-20℃の世界
北極圏(Arctic Circle)ラインをまたいで記念撮影するのが定番

 サンタクロースが待ち受ける部屋までは、ウォークスルー型のアトラクション形式になっており、働き者の妖精“エルフ”が道案内をしてくれる。暗くて険しい北極ゾーンやプレゼントが山積みの倉庫、一晩で世界中を飛び回るための“ヒミツの世界地図と時計”も見どころだ。

 最後の部屋にたどり着くと、ついにサンタクロースとご対面! 優しい語り口調ながら、ちょっとおちゃめでユーモアたっぷりのサンタと、会話や記念撮影が楽しめる。気になる質問も直接本人にぶつけてみよう。

ファンタジーな空間をどんどん進むと、ついに本物のサンタクロースに会えた!
「ギフトデリバリーターミナル7B」に山積みの荷物など、クリスマス準備で忙しそうなサンタクロース村
サンタクロースとの記念撮影写真は出口で購入できる
ギフトショップ
東京まで7340km

 併設の「サンタクロース中央郵便局」では、世界約200か国から届く累計約2500万通の手紙をエルフが処理しており、その様子もうかがえる。

 ここから手紙を投函すると、特別な北極圏の消印スタンプが押されて受取人に届くほか、クリスマスのシーズンにサンタ本人から手紙が届く手続きも行なえる。

サンタクロース中央郵便局
販売しているポストカードや切手の種類もたくさん
その場でメッセージを書いて投函できる
クリスマスに届けてほしい手紙は赤いポストへ
投函した手紙は北極圏の特別なスタンプ(消印)が押され、宛先に届けられる
世界中の子供や大人から届いたサンタクロース宛ての手紙が、国や地域ごとに保管されているレターラック
もちろん日本から届く手紙の保管場所も

その4:水風呂は湖ダイブ!? 本場のサウナでととのう

 フィンランド人にとってサウナは特別な観光ではなく、日常そのもの。首都ヘルシンキにも本格サウナを楽しめる施設やホテルが多数あり、海辺のパブリックサウナからそのままバルト海へ飛び込むのもローカル流だ。

 また、ロヴァニエミ郊外のノルヴァルヴィ湖畔にある最新ホテル「スキーラ・リトリート」では、パノラマビューの薪サウナや、凍った湖に入水する「氷穴水泳(アイスホールスイミング)」も体験できる。

フィンランドの伝統的サウナは、薪で熱した石に水をかけ、蒸気(ロウリュ)を浴びて発汗。白樺の枝葉(ヴィヒタ)で体を叩いて血行を促し、限界が来たら湖や雪に飛び込んでクールダウンする
見てるだけで凍えそうな“北極の湖風呂”へダイブ。もちろん強制ではない
限界までサウナで体を温めたら、今度は-20℃の外気浴でととのう。これを繰り返すのが現地流

 スキーラ・リトリートの客室数は全15室。1950年代に建てられた伝統的な村の旧校舎をリノベーションした本館と、敷地内に点在する15棟のログヴィラからなる。

 自分で薪をくべて暖炉に火をつけたり、森を眺めながら各部屋専用のプライベートサウナでととのったり、星空やオーロラを眺めたり、レストランで郷土料理を味わったりと、1泊するだけでも本格的な北欧暮らしを体験できる。

かつて学校だった建物をラグジュアリーなウェルネスリゾート&ホテルにリノベーションした最新施設「スキーラ・リトリート(Skýra Retreat)」
1棟独立の客室・ログヴィラには、暖炉のリビングルーム、北欧ファブリックがおしゃれなベッドルーム、趣味やワークに使えるロフトスペース、シャワールームなど完備
目の前が森のプライベートサウナやウッドデッキまで備わり、こだわりのスキンケア製品やアメニティ、ルームサービスも充実

その5:お土産はマリメッコ、イッタラ、ムーミンで決まり! 北欧ブランドショッピング

 フィンランドブランドと言えば「マリメッコ(Marimekko)」や「イッタラ(Iittala)」、「ムーミン(Moomin)」が有名。

 もちろん、ヘルシンキ市内やヘルシンキ・ヴァンター国際空港でも北欧ブランドのショッピングは楽しめるが、ロヴァニエミのサンタクロース村に並ぶ各公式ショップなら、ムーミンのカップやチャームをはじめ、北極エリア限定グッズが手に入る。

 また、ラップランド発の伝統的なライフスタイルブランド「ペンティック(Pentik)」の陶器やテキスタイルもお土産にお勧めという。

北極限定グッズが買えるマリメッコ、ムーミン、イッタラ、ペンティックのロヴァニエミ店(サンタクロース村)
ばら撒き土産にお勧めなのは、スーパーやコンビニで入手できるお菓子やティーパック、生活雑貨など。店内にはチョコレートブランド「ファッツェル(Fazer)」がずらり。また、虫歯予防の習慣が強く根付いておりキシリトールガムの種類が圧倒的
ヘルシンキ中心部にある老舗百貨店「ストックマン・ヘルシンキ百貨店」
百貨店の地下には、何でも揃う食品スーパー「フードマーケット・ヘルック」
フィンランド国内に多数出店している「K-Market」はコンビニ感覚で使える

その6:ガチで沼った絶品グルメ。サーモンクリーミースープとシナモンロール

 滞在中に何度も食べたくなるのが、伝統料理のサーモンクリーミースープ。新鮮なサーモンとじゃがいもがゴロゴロ入り、北欧料理に欠かせないディル(ハーブ)が効いている。

 日本のホワイトシチューとは異なり、さらさらした喉越しと、魚介と野菜の濃厚な旨みが特徴で、寒い日にじんわりと沁みる深い味わい。店舗によっても微妙にレシピが違うので、あちこちで食べ比べてみるのも楽しい。

サーモン、じゃがいも、ディルを効かせたサーモンクリーミースープ(28ユーロ)。冷えた身体を芯から温める
いただいたのは、ヘルシンキ中心部のエスプラナーディ公園内にある1867年創業の老舗レストラン・カフェ「カッペリ(Kappeli)」。店内からは街並みを望む

 そしてカフェタイムの定番は、カルダモンが香るフィンランド版シナモンロール。フィンランド語で「korvapuusti(コルヴァプースティ)」と言い、“つぶれた耳”を意味する。

 シナモンロールの発祥である隣国スウェーデンのものとも違い、こちらは平たくもっちりとした食感が美味。砂糖衣のアイシングではなくニブシュガーがまぶされており、甘すぎず、スパイスの香りが爽やかで、朝食やおやつにぴったりだ。

カルダモン香るフィンランド版シナモンロール(6ユーロ)。つぶれた耳のように平たく、もっちり食感
いただいたのは、ヘルシンキ中央駅近くのアカデミア書店内にある「カフェ・アアルト」。アルヴァ・アアルト作品のランプなど、北欧インテリアに囲まれ一息つける

 ほかにも、フィンランド東部のカレリア地方が発祥の伝統的な軽食「カレリアパイ」や、厳しい冬を乗り越えるために食されてきたニシンの酢漬け、フィンエアーの機内でも提供される特産ブルーベリージュースなど、マストで食べたいグルメが揃っている。

薄いライ麦生地でミルク粥を包んだ舟形の温かい惣菜パン「カレリアパイ」。卵バターやチーズをのせて食べるスタイルも主流
朝食やランチの定番メニューは、ライ麦パン、ビーツのサラダ、ニシンのマリネ、サーモンクリーミースープなど
ヘルシンキ空港のビジネスラウンジで味わえるトナカイ肉とマカロニのキッシュも、日本ではお目にかかれない逸品
フィンエアー機内サービスのブルーベリージュースは、ごくごくと飲めるすっきりした甘さで人気。街なかの「K-Market」でも購入できる

フィンランド旅行のキホン

日本との時差: 7時間(サマータイムは6時間)日本が進んでいる。例:日本が昼12時のときフィンランドは朝5時
ビザ: 日本国籍で90日以内の観光目的の滞在であれば不要。※EUの事前渡航認証システム「ETIAS」が2027年以降に導入予定(時期未定)
言語: 道案内やメニューはフィンランド語/英語の併記がほとんど
通貨: ユーロ(EUR/€)。2026年9月時点の目安で1ユーロ=約180円前後
両替: 空港や街のATMで両替できるが、フィンランドはキャッシュレス社会のためVisaやMastercardなどのクレジットカード決済が主流。現金を使う機会は極めて少ない
チップ: 慣習なし。レストランやホテルではサービス料込みの場合がほとんどで、基本的に不要
水: 日本と同様、水道水をそのまま飲用できる世界でも数少ない国のひとつ。繰り返し使えるマイボトルやペットボトルを1本持っておくと便利
電源とコンセント形状: 230V/50Hz、Cタイプが主流(海外対応ではない電化製品を使う場合、変換プラグと変圧器が必要)
治安: 比較的安全だが、ヘルシンキ中央駅周辺や観光地ではスリや置き引きに注意
気温と服装: ヘルシンキの春夏(5〜8月)は10〜20℃前後、秋冬(9〜4月)は-10~10℃前後。北極圏ロヴァニエミは真冬で-20~30℃の極寒となるため本格的な防寒着や手袋・帽子・防水ブーツが必須。スマホ&カメラは外気にさらすとすぐバッテリーが上がるため温度管理に注意
宗教的注意点: 主にキリスト教(福音ルーテル派)。大聖堂などの宗教施設訪問時は露出の多い服装を避けるなど、適切な服装を心がけたい

コンセントはCタイプ(丸い2本ピンの形状)
水道水は日本同様に世界最高水準。ホテルのタップウォーターをそのまま飲める
冬はダウンコート、厚手のパンツ、防水のスノーブーツ、帽子、手袋、顔まで隠せるマフラーやバラクラバ、あっかたインナーなどが必須

日本からフィンランドへのアクセス

 一見ハードルの高い北欧旅行だが、日本から首都ヘルシンキまではフィンエアー直行便(JALコードシェア便としても運航)が出ているため比較的アクセスは楽。

 片道約13時間のロングフライトではあるものの、日本を夜に出発して機内でぐっすりと眠れば、翌早朝には到着し、現地での滞在時間をたっぷり使えるダイヤも魅力だ。

 また、ヘルシンキから北極圏の都市ロヴァニエミまでは、フィンエアーの国内線を利用して約1時間半。日本からの直行便到着後、そのまま乗り継ぎすることもできる。

日本から首都ヘルシンキまで、フィンエアーの直行便でひとっ飛び。長距離路線の主力機エアバス A350-900型機で運航
エコノミークラス
プレミアムエコノミークラス
最新ビジネスクラス「AirLounge(エアラウンジ)」。プライベート感の高いシェル型で、シートを倒さずに足をのばして横になれるレイフラットベッド仕様
ヘルシンキからロヴァニエミまで国内線で約1時間半。使用機材はエアバス A320/321型機
ロヴァニエミ空港が“サンタクロースの公式ホーム空港”であることを示すサイン

ヘルシンキ空港から市内へのアクセス

 フィンランドは都市機能が発達しており、初心者でも旅行しやすい。

 玄関口となるヘルシンキ空港~市街地(ヘルシンキ中央駅)間は、電車・バスの直行便が頻繁に出ており、電車(I線またはP線)なら片道約30分、路線バス(600番や600N番)なら片道約40〜50分で、どちらも4~5ユーロ程度。

 アジア路線などの早朝着便に合わせて4時~5時台から動き出すが、始発を待つよりもタクシーやUberで直接ホテルに向かってしまうのも手(雪が積もっている時期はスーツケースを引いてホテルまで歩くのも大変なので、なおさらタクシー/Uberがラク)。片道約30〜40分で、35〜50ユーロ程度が目安となる。

 ヘルシンキ市内は、徒歩やトラムを利用して手軽に巡れる街。ランドマークの大聖堂やエスプラナーディ通り、中央駅や国際フェリーターミナル周辺を散策してみるのも面白い。

ヘルシンキ市内はトラム(路面電車)が走る。事前に交通局アプリ「HSL」で乗り放題パスを買うのがお得
ヘルシンキ中央駅。空港をつなぐ近郊列車のほか、地下鉄、トラム、バスの発着地となる巨大ターミナル
有名ブランドが建ち並ぶヘルシンキ中心部のエスプラナーディ通り
白亜の外壁が美しい「ヘルシンキ大聖堂」は街のシンボル
バルト海に面した国際フェリーターミナル。ヘルシンキとストックホルムをつなぐ豪華客船「タリンク・シリアライン」が停泊
フェリーターミナル周辺も憩いの広場になっていて、マーケットや屋台が出店しているほか、公共サウナや観覧車もある
フィンランド旅行は冬が本番!
編集部:白江ちなみ