旅レポ
ハワイ・マウイ島の個性あふれるローカルタウンを歩いてみよう! パイア・ワイルク・カフルイの3つの街を紹介
2025年8月29日 12:00
ハワイ州マウイ島、ひょうたんのようなユニークな地形と変化に富んだ自然、王朝時代から続く歴史、迎え入れる温かな心に満ちたこの島の本質は、その多様性にある。その魅力を体感するには、街を歩いてみることだ。
個性あふれる街が点在するが、今回はカフルイ空港からアクセスしやすいセントラルマウイやアップカントリーを中心に、古きよきものを残しつつ、新風が吹き込むマウイの街の今をレポートしよう。
ノスタルジックとコンテンポラリーが心地よく調和する街「パイア」
訪れる人を虜にしてしまう街「パイア」。カフルイ空港からクルマで約15分のノースショアと呼ばれるエリアにあって、どこか懐かしさを覚える古い街並みに感度の高いショップが軒を連ねている。
かつてサトウキビ産業で栄えたこの街は、ホオキパビーチがウィンドサーフィンに最高のコンディションをもたらすことから、1970年代になると世界からウィンドサーフィンのレジェンドたちが移住し始めた。街にはサーフショップが増え、サーフカルチャーや、時代的に同時期に移り住んだヒッピーのカルチャーが根付き、ナチュラル志向の人々が集う街として栄えてきた。
こうしたバックグラウンドから、ここでは「地産地消」や「ヴィーガン仕様」などという概念はあまりに当然とされていて、地元のアーティストのサポートを含め、「マウイ愛」がベースとなっている。
パール
パイアの中心を通るボールドウィンアベニュー。この道沿いにある「パール」は、洗練されたホーム・ファッションアイテムで彩られるブティック。テキスタイルとデザインにこだわりを持つオーナーが世界各地を旅して多様な文化に触れ、地元マウイだけでなく、世界の職人からの手作りグッズを取り寄せている。
居心地のよい空間には肌触りのよいリネンなどの生地やハンドプリントの寝具やクッション、インテリア、キッチンアイテムなど、日常に取り入れると心が豊かになるようなグッズが揃っている。どこか海風を感じさせるような上質な出会いにインスピレーションを受け、きっと部屋の模様替えをしたくなるだろう。
カフェ・マンボ
ショップ巡りを本格的に始める前に立ち寄りたいのがカフェ。パイアで人気店として知られてきた老舗「カフェ・マンボ」。最近オーナーが代わり、店を改装したばかり。名前はそのままキープしたという。
実は、これが今のパイアのトレンドで、マウイで育った若い世代が、昔から地域で愛されてきた店を受け継いで新たなオーナーとなり、リノベーションしてメニューも刷新。地元のものを使って地元のためのレストランへと方向性を変えている。
前のオーナーへのリスペクトの気持ちを込めて、店名はそのままに。コンセプトは「地元の人が来られる店を」。値段もメニュー内容も、地元に寄り添うことに重きを置いている。もちろんアロハ精神を持つ彼らなので、観光客が来店しても温かな笑顔で迎え入れてくれる。
リノベーションした店内はモダンでオープンでフレンドリー。この空気感はマウイ島で生まれ育ったチームによるメッセージのように映った。
ブランチとしてオーダーしたのは、ザ・モダン(20ドル)。ハワイ産の新鮮な卵で作るやわらかなスクランブルエッグとアボカド、マスタードが優しく香るレモンドレッシングで和えたルッコラ。こんがり焼かれたサワードウにはゴートチーズ、ストロベリージャムをお好みで。
ハワイならパンケーキも外せない。ラテアートの美しいカプチーノとともに、レモンリコッタパンケーキ(19ドル)を注文した。まろやかな酸味でしっとりしたリコッタパンケーキにラズベリーやブルーベリーの自家製ソースがたっぷりかかった一品だった。
ビールやカクテルも充実していて、夜は軽くつまみながらグラスを傾ける近所の人たちも多いという。
ウィングス・ハワイ
次に覗いた店は「ウィングス・ハワイ」。大学時代の親友らが手作りの洋服やジュエリーを販売したところ評判となり、それを契機に2003年に立ち上げたという。パイアのショップは今年で16年目。
古着をリメイクしたアパレル製品、オリジナルデザインを焼き付けたビンテージの陶器、地元アーティストのジュエリーやコスメ、雑貨などユニークな品揃え。オーガニックコットンやバンブーファイバーなど持続可能な素材を使って、工房でハンドメイドしているのだとか。店の奥にあるセールラックには掘り出し物もあり、日本の芸能人らも本気で買い物をしたというのでぜひチェックを。
マナフード
マウイ産のお土産選びなら「マナフーズ」へ。1983年に小さな商店としてスタートし、今では地元の人や観光客でにぎわう健康志向のスーパーマーケットへと成長した。
地元を活性化させることを目的に、400以上のローカルベンダーから仕入れを行なっている。取り扱い商品は幅広く、食料品、農産物、焼きたてのベーカリー、デリ、チーズ、肉や鮮魚、オーガニックコスメやサプリメントなど。ローカル産やオーガニック認定商品も数多く、どれも良心的な価格で提供している。
日本語Webサイトのほか、入口には日本語の店内マップも置かれているので参考にしたい。売り場は広い店内にびっしりと商品が並んでいるが、マップにはマウイ産のアイテムがどこに置いてあるのかが分かりやすく示されている。
個性が光る店の宝庫パイア。街の広さはクルマを停めて十分歩いて回れるくらいだが、一軒ずつ見ていくとあっという間に時間が経つので、1日かけてのんびり巡ってみるといいだろう。
官公庁から観光名所、ショッピングも楽しめるよくばりタウン「ワイルク」
マウイの中心部、セントラルマウイに位置するワイルクの街。マウイ郡庁をはじめ官公庁が集まる、マウイの政治経済の中心地。一方で、観光に欠かせない景勝地や名所もある。
カアフマヌ教会
マウイ郡庁の前にある「カアフマヌ教会」は、マウイ島のハナで生まれ、カメハメハ一世の妻の一人であるカアフマヌ女王の名を冠している。礼拝での賛美歌と祈祷がハワイ語で行なわれている。
イアオ渓谷州立公園
「渓谷の島」との愛称を持つマウイ島を象徴する「イアオ渓谷州立公園」。トレイルや川もあるのでゆっくり過ごしてもいいだろう。
多くの観光客が目指すのはこの公園のシンボル「イアオ・ニードル」。谷底から約365m、針のようにそびえ立つ崇高な姿は、午後になると霧が立ち込めるため、午前中に訪れるのがお勧め。降り注ぐ雨により緑豊かな公園の渓谷を流れる川には、夏になると地元の人が涼を取りに来る憩いの場にもなっている。
なお、ハワイ在住者以外の入園はオンラインで予約が必要となる。入園料は1人5ドル(3歳以下は無料)で、30日前から予約できる。
開園時間: 7時~18時
入園料金: 5ドル(3歳以下、ハワイ州在住者は無料)
駐車料金: 1台10ドル
予約: イアオ渓谷州立公園
ネイティブ・インテリジェンス
ワイルクの特長は、ハワイのクラフトやアートなどのショッピングを楽しめるエリアもあること。レトロな市街地に、マウイで最も古い映画館や歴史を感じさせる洋品店から、アートギャラリー、ハワイアンカルチャーをテーマにしたショップ、新しいカフェまでが混在している。範囲はそれほど広くないのでクルマを停めて歩いてみよう。
「ネイティブ・インテリジェンス」は、フラの先生(クムフラ)が経営するショップ。ハワイの伝統工芸品やフラの楽器、伝統柄でデザインされたオリジナルTシャツ、アクセサリー、キッチンやバスルームでの生活雑貨などが置かれている。
実は穴場。知っておきたい! 空港のある便利な街「カフルイ」
続いて、マウイ島の主要空港のあるカフルイのことも知っておこう。滞在地としてはあまり注目されていなかったが、この10年ほどでリーズナブルなホテルが登場したり、古いホテルがリニューアルオープンしたりしている。島の中心部に位置するため、北部や南部、どこへ行くにも動きが取りやすい。
コストコやターゲット、ホールフーズマーケット、映画館併設のマウイ島最大級のショッピングセンターなどがあることから、住民たちにとっては生活に欠かせないエリアとなっている。
モオノ・ハワイ
空港へのアクセスがよいこの街は、旅行者にとっても、例えば最終日に空港の近くで時間を調整するという場合にも便利だ。そんなときに押さえておきたいのが、フードトラックが集まる「PLATE LUNCH MARKETPLACE」。清潔な空間に、ガーリックシュリンプやポケボウル、ハンバーガー、タイフードなど10店ほどが揃っている。
なかでも「ハワイで一番!」という地元のファンもいるのが、ひときわ長い列を作っているアサイーボウルのフードトラック「モオノ・ハワイ」。
自分でトッピングを選んでカスタマイズできるアサイーボウルで、オーダー方法は次のとおり。
(1)サイズを選ぶ
ミニ5ドル、スモール8ドル、ミディアム10ドル、ラージ15ドル
※見本のカップが置いてあるので参考にしよう
(2)トッピングを選ぶ
ストロベリー、バナナ、ココナツ、アーモンド、グラノーラ、ハチミツ
※トッピングは料金に含まれている
(3)+0.5~1ドルで追加トッピング
さらにブルーベリーやピーナツバターなど、1種類につき+0.5~1ドルで追加トッピングができる。ローカルのイチ押しはポイ(0.5ドル)のトッピング。ポイが入荷したときのみに限られるが、タロ芋を蒸してすりつぶして作るポイとアサイーの抜群の相性を味わえる。
高級リゾート地も秘境の地も……! 個性に富んだ街の数々
このほかにも、晴天率が高いウエストマウイには、高級ホテルやゴルフコースと白砂のビーチがゲストをもてなすリゾート地「カアナパリ」がある。また、内陸部の丘陵地帯にあるレトロでおしゃれなカウボーイの街や、ワインディングロードの先にある秘境の地など、マウイには一度では語りきれないほど魅力を放つ街が存在する。オアフ島に比べると情報が少ないからこそ、純粋に感性に響く自分好みのマウイ島の街を見つけてみよう。今までにない旅の体験ができるはず。




























































