旅レポ

韓国・ソウルに慣れたら次は釜山(プサン)? リゾート感も楽しめる最新アートとグルメの発信地に行ってきた

日本でも人気のナッコプセを本場・釜山で食べてきた

 韓国観光公社主催の視察ツアーでは、韓国南東部の観光都市、慶州(キョンジュ)と釜山(プサン)を巡ってきました。後編の本稿は釜山の最新レポートです。

蔚山で立ち寄った福順都家(ボクスンドガ)醸造所

水と空気が美味しい里山にある福順都家醸造所

 慶州から釜山への移動の途中、蔚山(ウルサン)広域市にある福順都家醸造所に立ち寄りました。ここで作られているのは100%韓国産の米を使った伝統的な手作り製法の「ボクスンドガソンマッコリ」。各種行事での乾杯酒に使われたり、国内外の酒類品評会で数々のに受賞歴を持つ、韓国を代表する生マッコリなのだそう。今回はマッコリ作り体験をしてきました(5万ウォン/人、要予約)。

講師シン・ミヨンさん。目が釘付けになるほどの美肌はマッコリの発酵成分のおかげ!?

 トレイに用意されたお米と麹を手でよく混ぜたら、そこに水を加えてドロドロになるまで混ぜます。と、体験はここまで。発酵時間があるので、その場で「ハイ、できあがり! いただきま~す」とはなりませんが、マッコリが製造工程を興味深く学ぶことができました。

用意されていた基本の材料
まずはお米と麹をよく混ぜる
瓶に移して水を加え、再びよく混ぜる
ソンマッコリと赤米マッコリの試飲タイム

 この福順都家はソウルや釜山など韓国のKTXの主要駅に直営店があるそうなので、韓国通の人はご存じなのでは? 天然の炭酸がたっぷりでシャンパンのようなボクスンドガソンマッコリは、甘みと酸味のバランスがよくて絶妙のとろみが美味! マッコリ好きさんにはオススメです。

すべて手作りで製造している生マッコリ(右3つ)と濁酒(タクジュ、左4つ)

ソウルとはまた違った活気を感じる韓国第2の都市・釜山へ

気持ちのいい海雲台(へウンデ)ビーチを早朝に散歩

 ソウルに次ぐ韓国第2の都市・釜山は、人口約340万人の湾岸都市。毎年10月に開催されるアジア最大級の映画祭「釜山国際映画祭」でも有名ですね。そして韓国最大級の魚市場がある釜山は、手長ダコを使った旨辛海鮮鍋「ナッコプセ」など海鮮グルメもたくさん!

“ソウルは何度か行ったから次は釜山”という人も多いと聞きます。実は私もここ数年は大都市ソウルより、海があってリゾート感が感じられる釜山の方が肌にあっている気がしてきました。

昼食は超有名なフグ料理専門店「クムスポックク」へ
天ぷらや煮つけなどフグ三昧。いろいろ出てきたけれどもれなく美味しい
メインのふぐスープ(これは辛いバージョン)。思っていた以上にふぐが入っている
全長7.4kmの広安大橋(クァンアンデギョ)を走って釜山港方面へ南下

 そんな釜山で訪れたスポットその1が、デジタルデザイン専門会社「d'strict」が展開する没入型メディアアート展示館「アルテミュージアム(ARTE MUSEUM)」です。韓国最大級の規模を誇るここ「アルテミュージアム釜山」は、2024年7月に釜山・影島(ヨンド)にオープンしました。

韓国では済州、麗水、江陵に続く4か所目。海外はラスベガスとドバイにも

 アルテミュージアムは「永遠の自然」をテーマに、それぞれの地域ごとの自然や文化遺産を用いた展示内容になっているのが特徴。ここアルテミュージアム釜山では、滝や花、波、海、竜巻、ジャングルなどを圧倒的な没入感でデジタル再現した展示が楽しめます。屋内施設なので天気を気にせずに楽しめるのもGood!

ミラーを使ってずっと奥まで続いているかのように見える展示
トルネード
デジタル映像とはいえちょっと怖いくらいの迫力

 アルテミュージアムのすぐ隣にある大型文化複合型空間「P.ARK(ピーアーク)」も外せない釜山のNEWスポットです。人気のカフェやベーカリーが入っていて、映えスイーツの種類には目を見張るほど! アート&カルチャーの発信地でもあって若い世代やファミリーに人気のようです。

大型船をモチーフに設計された建物
海を眺めながら映えドリンク
1階にはミッフィーストア。釜山限定ミッフィーグッズは必見!
バスで再び海雲台方面へ。釜山港を眺めながら脳内ではチョー・ヨンピルの「釜山港へ帰れ」が再生中
海と山に囲まれた海雲台の繁華街
細い路地を歩くのも楽しい
K-POPアイドルのフォトカード&グッズ店

 釜山の夕食は海雲台にある人気店「ケミチプ」で、この旅一番楽しみにしていたナッコプセを堪能しました。ナッコプセとは手長ダコやエビ、牛ホルモンなどが入った釜山名物のピリ辛鍋料理。エビとタコとホルモンを一緒に煮込む発想が素晴らしい! すべての食材の旨みと辛味が合わさって、その美味しさったら感動的なのです。

釜山で愛され続けている老舗店「ケミチプ」。日本にも進出していますね
ニラやもやし、刻み海苔などは食べ放題
かき混ぜる前のナッコプセ。混ぜると赤くなる
煮込まれたナッコプセはごはんの上にかけてビビンバ風にいただきます。麺を追加するのもオススメ
宿泊は海雲台ビーチが目の前の「新羅ステイ海雲台」。下にコンビニがあって便利

ヨットに乗って夜のクルージング、ドローンショーも

ヨットで広安大橋をくぐる

 慶州同様に、釜山でも夜の観光コンテンツが用意されていました。複合施設「The bay101(ザ・ベイ101)」前からヨットに乗って夜景を見ながらのクルージング&ドローンショー鑑賞です。海から眺める高層ビルがニョキニョキの釜山の夜景は未来都市っぽくてワクワクしました。

このヨットに乗り込みます
まばゆいばかりの釜山の摩天楼
広安大橋に近づいてきた
途中は花火の演出も
初めて肉眼で鑑賞したドローンショーは蝶やバンビ、花などが夜空に出現。すごいテクノロジーだなぁ~と感心

金海国際空港から成田へ、復路もジンエアー

バッテリーの容量や個数が制限。160Wh超のモバイルバッテリーは持ち込み不可などが呼びかけられている。頭上の収納棚に入れてしまわないようにご注意を

 現在モバイルバッテリーの機内持ち込み制限を強化中の韓国。成田でもチェックインカウンターでモバイルバッテリーの容量チェックがありましたが、帰りの金海国際空港では、出発ロビーの大きなデジタルサイネージで注意を促していました。

コンパクトな金海国際空港
この日のジンエアーJL223成田行きの搭乗口は、免税品受取りのカウンターが目の前の12ゲートでした

 3泊4日で巡った韓国南東部の旅。慶州は千年の歴史を間近で見ることができる数々の遺跡と、若者でにぎわう“ニュートロ”な通りの共存が印象的でした。

慶州で訪れた仏国寺

 そして釜山は、観光やショッピング、グルメも存分に楽しめるうえに、潮風を感じられるビーチリゾートでもあるところが大きな魅力です。この2都市を巡るプラン、ぜひ次の韓国旅行の参考にしてみては? 私も絶品ナッコプセを食べにまた行きたい!

白い砂浜が続く釜山の海雲台(ヘウンデ)ビーチ
ゆきぴゅー

長野生まれの長野育ち。2001年に上京し、デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。独立後はイラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”として、雑誌やWeb連載のほか、企業広告などのイメージキャラクター制作なども手がける。