旅レポ

千年の歴史を新羅の古都・慶州で体感! 10ウォンパンを食べたり韓服で街歩きも

統一新羅時代に造られ、古代仏教建築の真髄ともいわれる仏国寺。ユネスコの世界文化遺産でもある

 韓国観光公社主催の視察ツアーで、韓国南東部の観光都市、慶州(キョンジュ)、釜山(プサン)、蔚山(ウルサン)を巡ってきました。前編・後編の全2回でレポートします。まずは新羅の古都・慶州から!

成田から2時間半、ジンエアーで金海(キムヘ)国際空港へ

成田空港T1の北ウイングにあるジンエアーのチェックインカウンター

 今回、成田空港から利用したのは大韓航空グループ会社のジンエアー。LCCですが第3ターミナルではなく、第1ターミナルにチェックインカウンターがあります。ジンエアーは関空、福岡、札幌からも釜山行きを就航しています。

こちらは帰りの金海国際空港で撮影した1枚
シートピッチはほかのエアラインのエコノミーと変わらない印象
シートポケットには機内誌とショッピングカタログ
スナックやカップ麺などは機内で購入可能
ソウルに次ぐ韓国第2の都市・釜山の金海国際空港に到着

今年10月にAPEC首脳会議が開催される慶尚北道・慶州市

宿泊したヒルトン慶州

 金海国際空港からバスで約1時間半で到着した「ヒルトン慶州」は、普門湖のほとりに佇むリゾートホテルです。慶州の中心地とは少し離れていて、街までは9kmほどの距離。大型のホテルはこの普門湖の周辺に集中しているようで、近くには絶叫マシンが充実の人気テーマパーク「慶州ワールド」もあります。

シンプルモダンで快適なお部屋
レイクビューで素晴らしい眺め

 実は今年10月にAPEC首脳会議が開催される予定の慶州市。その会場となるコンベンションセンター「HICO」は、ヒルトン慶州のすぐ近くにあります。

今年10月に開催予定のAPEC首脳会議の会場「HICO」

“屋根のない博物館”慶州の歴史観光スポットを紹介

石窟庵へ続く山門

 かつて新羅の都が置かれた慶州は、数多くの歴史的建造物や史跡が点在していることから“屋根のない博物館”と称されることも。そんな古都・慶州で最初に訪れたのは、郊外の山間部に位置する石窟庵(ソックラム)と仏国寺(プルグクサ)。どちらも世界文化遺産に登録されていて、当時の仏教文化の水準の高さを感じることができる史跡です。

このような林道を約20分ほど歩く
山の中腹の南東斜面に建っている石窟庵
花崗岩で石窟を造り、そのなかに滋味深い表情の本尊仏を安置している(出典:韓国国家遺産庁)

 676年に韓半島(朝鮮半島)を統一した新羅は仏教を手厚く保護し、あちこちにお寺が造られました。仏教の理想社会を建築で表現しているとされる仏国寺は、俗世から石橋をわたって仏の世界(=境内)に入るような造りが特徴で、10ウォン硬貨にも描かれている多宝塔なども有名。韓国の国内でも老若男女問わず人気の観光名所なんですって。

こちらは仏国寺。後ろは浮世と仏国土をつなぐ象徴的な意味を持つ石階段(※現在は文化財保護のため渡れません)
瓦に願い事を書いて寄進する風習がある韓国のお寺。土産物店も大繁盛
願い事が書かれたカラフルな提灯がたくさん
なでると幸せになれるという金の豚さん。ピカピカ!
仏国寺・大雄殿の前に建つ多宝塔は10ウォン硬貨の裏に描かれている国宝
びよ~んとのびるチーズが美味しい10ウォンパンに描かれている、この塔!

 慶州でのランチは「韓国絶品グルメ30選~慶尚・大邱・釜山編~」で堂々の3位に選ばれているユッケビビンバ。渋く光る真鍮の器に彩りよく盛られて運ばれてきました。

生牛肉バンザ~イ!レストラン「ポムントゥル」のユッケビビンバは1万4000ウォン(約1400円)

 コクのあるコチュジャンタレをかけて、ごはんと一緒によ~く混ぜたら完成。「野菜たっぷりだからヘルシー」と思ってついつい食べ過ぎてしまう韓国料理はいつだって箸が止まりません! 日本では牛の生肉は限られたお店でしか食べることができないので、私は韓国に行ったら必ず食べるグルメです。

こちらは濃いめの味が美味しい肉料理「トッカルビ」。ごはん付きで15000ウォン

 お腹がいっぱいになったところで、いよいよ慶州の中心地へ。バスを降りて向かったのは韓服(ハンボク)レンタルショップ。そう、今回は韓国伝統衣装での街歩きを楽しんできました!

このような韓服レンタル屋さんがあちこちに。着方はとっても簡単
まずは好きなチマ(スカート)をチョイス。はっきりした色が個人的にはオススメ
お店の人がチマに合うチョゴリ(上着)を選んでくれる。もちろん自分で選んでもOK
帽子やヘアアクセサリー、バッグなどの小物も

 参考までに、こちらのお店の韓服レンタル料金は、1時間1万2000ウォン、2時間1万6000ウォン、3時間2万ウォン、終日3万ウォン。ちょっとだけお高い新羅韓服という伝統的な衣装もあるようです。武官気分になれる(?)男性の衣装もありますよ。

変身完了! いざ、ファンニダンギルへ

 慶州の人気観光コースといえば韓屋を改装したカフェやレストラン、写真館、ショップなどが立ち並ぶおしゃれストリート「ファンニダンギル(皇理団ギル)」の散策です。新しくてどこかレトロな“ニュートロ”がブームの韓国。ここ慶州でもそれを感じることができました。若者がいっぱいです。

原宿と軽井沢と川越を足して3で割ったような(個人の感想です)メインストリート
通りを1本外れると静かな路地裏の雰囲気に。雰囲気のあるフォトスポット探しが楽しい
韓服のままで素敵にリノベされた韓屋カフェでひとやすみ。いい思い出です

 多くの観光客や修学旅行生などであふれるファンニダンギルのすぐ近くには、大小の古墳がいくつも点在する大陵苑(テルンウォン)があります。「こんな街の真ん中に古墳がたくさん!」とびっくり! 公園として整備されているので写真撮影にもオススメです。

新羅時代の王墓である古墳が大小23基も並ぶ史跡公園「大陵苑(テルンウォン)」
新羅の時代にタイムワープした気分

 そんな大陵苑から南へ少し歩いたところには、新羅第27代の善徳(ソンドク)女王のときに造られたと言われている東洋最古の天文台「瞻星台(チョムソンデ)」が建っています。

 56人の国王が統治したと言われている新羅ですが、そのうち女性は2人いて善徳女王はそのうちの1人。2009年に放送された韓国の人気歴史ドラマ「善徳女王」にも、この天文台が出てくるシーンがあるそうですよ。

東洋で現存する最も古い天文台「瞻星台(チョムソンデ)」。高さは約9mあります

 慶州は夜の観光コンテンツも充実しています。夕食後に美しいライトアップ夜景を堪能したのは東宮と月池、そして月精橋。東宮と月池は韓国のテレビドラマ「僕が見つけたシンデレラ~Beauty Inside~」にも登場する名所です。

東宮と月池は新羅時代の王宮の別宮があった場所
2018年に韓国国内最大級の木造橋として復元された月精橋(ウォルチョンギョ)は歴史書「三国史記」にも出てくるそう
実際に橋を歩いて渡れる月精橋。夜は川の水面に映る姿が美しい

 韓国ではほとんどの人が修学旅行で訪れるという歴史のまち、慶州。ソウル駅からも高速鉄道(KTX)で2時間ちょっと、高速バスでも3時間半ほどで到着します。次の韓国旅行は古都・慶州に数泊して、千年の都の栄華を感じる歴史旅を計画してみては?

空室・料金チェック
ゆきぴゅー

長野生まれの長野育ち。2001年に上京し、デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。独立後はイラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”として、雑誌やWeb連載のほか、企業広告などのイメージキャラクター制作なども手がける。