旅レポ

クアラルンプール郊外、洞窟内部の寺院やSNSで人気のピンクモスクのスケール感に圧倒される!

クアラルンプール郊外にあるバツー洞窟の入口に立つ巨大なムルガン像

 前回はクアラルンプールの市内を紹介したが、今回は郊外にある魅力的なスポットを紹介する。マレーシア最大規模のヒンドゥー寺院であるバツー洞窟、行政の中心地として建設されたプトラジャヤなど見どころはまだまだたくさんある。

デカイ鍾乳洞に作ったバツー洞窟は一見の価値あり

 最初に紹介するのは「バツー洞窟(Batu Caves)」で、「バトゥー洞窟」とも呼ばれているマレーシアのなかで最大規模のヒンドゥー寺院だ。クアラルンプールからはクルマで北に約30分ほどの距離にある。

 名前にあるとおり山中にポッカリと空いた洞窟のなかにある寺院で、そこまでの272段の階段が美しい景色と訪問者への修行(?)と思わせる試練も与えてくれる。約4億年前にできたと言われる石灰岩の洞窟は自然豊かな場所であり、現在においても動物の楽園である。

 特にサルが多く住み着いていて、これもSNSで人気になっている。でも、賢く気ままなサルたちはときに思いがけない行動を起こすことがあるので、階段の上り下りは常に気を付けておきたい。ビニール袋は食料が入っていると認識しているのでひったくられるし、食べ終えたカスを投げつけることもあるので油断は禁物だ。そのようなワイルドさも含めてヒンドゥー教のマレーシアにおける聖地なので、クアラルンプールに行った際は訪れてもらいたい場所だ。

カラフルな272段の階段がSNSで人気の「バツー洞窟」には年間160万人以上が訪れる
しっかりとした階段が整備されているが、上るのはそれなりにキツイ!
巨大な鍾乳洞のなかに寺院がある
そこら辺にいるおサルさん。どこから持ってきたか分からないミルクボトルを抱えていた

サンウェイの街では医療ツーリズムを推進

 クアラルンプールの南西郊外にはサンウェイグループが作った街「サンウェイ シティ(Sunway City)」がある。サンウェイは錫の採掘から始まり、近年では不動産開発などを手掛けるマレーシアの大手企業グループだ。

 錫の採掘跡地を中心に、テーマパークである「サンウェイ ラグーン(Sunway Lagoon)」、多くの学生を抱える大学「サンウェイ ユニバーシティ(Sunway University)」、大規模ショッピングモール「サンウェイ ピラミッド(Sunway Pyramid)」などがあり、オフィス棟や集合住宅なども建設している。

テーマパークを中心にホテルやショッピングモール、病院、大学、オフィス、住宅などが集まるサンウェイ シティ

 今回訪問したのは高級シニアサービスレジデンスの「サンウェイ サンクチュアリ(Sunway Sanctuary)」と総合病院の「サンウェイ メディカル センター(Sunway Medical Centre)」。

 サンクチュアリはリタイアしたシニア向けの集合住宅で、食事や清掃はもとより、24時間体制のコンシェルジュサービスや健康維持のための検査やレクチャーなどを受けることができる。このほか、体験ステイのパッケージやリハビリテーションを目的とした宿泊パッケージなども用意している。ホテル同様の施設もあり、温水プールやフィットネスルーム、ビリヤード場、ミニシアター、カラオケラウンジ、ゲームルーム(麻雀)など、多くのニーズに応えられるようになっている。

こちらはもっともシンプルな「デラックス スタジオ」。ほか、広さや設備別で7タイプある
ミニキッチンやテラスなどを備えている
リゾートホテルのようなインフィニティプールなど、レジャー施設も充実している

 そして隣には60以上の診療科目があり、病床数616床を有するメディカル センターがある。最新の医療設備や治療技術の導入を積極的に進めている総合病院だ。マレーシアの医療水準は高く評価されており、近年では治療や検査を目的とした医療ツーリズムが注目されていることから、こちらの施設も国内外から人気を集めているそうだ。

病院の1階ロビーにある巨大な水槽は大切な癒しスポット
日本人専用センターを設けており、日本人スタッフが常駐している

プトラジャヤ観光では湖上クルーズがオススメ

 プトラジャヤはクアラルンプールから南に約25km、高速道路で30分ほどの距離にある行政の中心都市。1990年代半ばから開発が始まり、クアラルンプールから機能を移転させてきた街だ。自然保護を大きなコンセプトとして開発してきた経緯があり、都市面積全体の約38%が公園や湖などで占められ、緑や水が街中にあふれているのが特徴だ。また、外観が美しい建築物も多く、ピンク色の「プトラモスク(Putra Mosque)」や首相官邸である「ペルダナ・プトラ(Perdana Putra)」の見学を目的に多くの観光客が訪れている。

新しい都市なので近代的なビルも多いプトラジャヤ

 観光に便利なのが、プトラジャヤ湖を1周する「プトラジャヤクルーズ」。約1時間かけて湖上からプトラモスクやペルダナ・プトラを見ることができ、水上の開放感もあってなかなかの人気アクティビティになっている。搭乗した船にも多くの観光客や修学旅行の学生が乗り合わせており、デッキから流れ行く景色を楽しんでいた。大人料金は50RM、日本円だと約1570円(1RM=31.4円換算)。

船で湖を1周するプトラジャヤクルーズ
デッキが開放されると多くの人が船外に
風が気持ちいいのが船のいいところ
プトラモスクとペルダナ・プトラ

SNSでも人気のピンクモスクはスケールと美しさに驚かされる

 ピンクのプトラモスクは公開時間であれば観光客もなかを見学できる。月~木曜は9時~22時、金曜は9時~11時、15時~22時が公開時間だ。

 公開されているとはいえ、イスラム教の宗教施設であるから作法や服装は守らないといけない。女性にはすっぽりと全身を覆うローブを貸してくれるコーナーが併設されているので利用しよう。内部は美しくて広く、そして厳かな雰囲気が漂う特別な空間であることがヒシヒシと感じられた。

とにかく大きいプトラモスク。1万5000人を収容できるそうだ
観光客もなかに入れるので、その美しさを間近で見ることができる
公開時間を記載した看板
NGポーズもあるので注意
ローブ貸し出しコーナー
なんと日本語で解説してくれるスタッフもいた。それも関西弁交じりで

便利なエアポートホテルは飛行機好きにもうれしい

 空港にほど近いエアポートホテルは旅には便利な存在であるが、クアラルンプール国際空港のすぐ近くにもある。今回紹介するのは「サマサマ・ホテル・クアラルンプール・インターナショナルエアポート(Sama-Sama Hotel Kuala Lumpur International Airport)」だ。客室数は442室とキャパシティが大きく、空港とは屋内通路でつながっているのがとても便利。しかも、24時間体制で無料のバギーで送迎してくれるのが非常にうれしい。また、飛行機好きには窓から見える景色も魅力の一つと言っていいだろう。

実用的な家具を備えた「デラックスルーム」。窓の向こうには空港の景色が広がる
望遠レンズがあれば14L(32R)を離着陸する飛行機を撮影することも可能
浴室はシャワーブースのほか、バスタブも備えている

デイリー運航のJAL便で成田まで快適フライト

 帰国に利用したのはJALのJL724便(クアラルンプール~成田線)だ。コロナ禍では減便していたが、現在はデイリー(週7便)で運航している。スケジュールは22時50分クアラルンプール発~翌7時00分成田着、所要時間7時間10分のナイトフライトだ。機材はボーイング 767-300ER型機、もしくは787-8型機を使用している。ちなみに成田発のJL723便は、11時15分成田発~17時55分クアラルンプール着で運航中だ。

 今回の旅もいよいよ終わりだなと思いながらJALのカウンターでチェックインすると、搭乗券と一緒にお知らせカードも渡してくれた。これによると手荷物検査が2回あることが記されており、時間ギリギリだと厳しいことも教えてくれる。この辺りが同社のホスピタリティであり、異国にいても日本が近くに感じられる瞬間だ。そして、機内で提供されるオリジナルドリンク「スカイタイム ももとぶどう」に今回もホッとし、帰国への途についた。

成田に到着したJL724便。機材はボーイング 767型機
細かな心遣いが記されたアナウンスカード
快眠できたおかげで寝ぼけており、機内食メニューは何をリクエストしたか覚えていないが、スカイタイムだけは条件反射でオーダーした

 4回にわたってペナン島とクアラルンプールの見どころを紹介してきたが、魅力的なスポットがまだまだあるのがマレーシアの奥深さだ。都市化されていない地域は自然が色濃く残り、街は近代化を進めつつも伝統を残すといったバランスを非常に大切にしているのが伝わってくる。ローカルフードも日本人の口に合うものが多く、グルメを巡る旅もおもしろいかもしれない。そして記事でも紹介したように、語学留学や医療ツーリズムの訪問先としても注目の国だ。

野村シンヤ

IT系出版社で雑誌や書籍編集に携わった後、現在はフリーのライター・エディターとして活動中。PCやスマートフォン、デジタルカメラを中心に雑誌やWeb媒体での執筆や編集を行なっている。気ままにバイク旅をしたいなと思う今日この頃。