旅レポ
ペナン島はユネスコ文化遺産の街に映えスポット、ビーチリゾートや大自然も楽しめる魅力あふれる島だった!
2024年3月12日 00:00
クアラルンプールから飛行機で1時間のフライトを経て、やってきたのは“東洋の真珠”と呼ばれるペナン島。
イギリスが統治していた時代もあり、東洋と西洋の文化が入り混じった独特の景観や食文化などが観光客を魅了してやまないマレーシア屈指の観光地だ。早速、オススメのスポットやペナンに来たなら立ち寄りたい屋台メシを紹介していこう。
ペナン島を一望できるペナン・ヒルは一度は行ってみたい
ペナン島はマレー半島の北西部にあり、中心都市のジョージタウンはペナン州の州都になっている。タイにもほど近いこの島と対岸を含むペナン州はクアラルンプールの次に大きな都市圏になっていて、人口は177万人もいるというから驚きだ。それだけ人が集まる魅力がこの地にあるということなのだろう。
そんなペナン島の中心地であるジョージタウンからクルマで約15分ほどの場所には、大人気の観光地である「ペナン・ヒル」がある。島でもっとも標高の高いこの場所は833mあり、丘というよりは山。これは「登るの大変じゃね?」と思うが、心配はご無用。山肌を一直線に走るケーブルカーが運行しているので楽々と上がることができる。運賃は大人往復で30RM(リンギット)だ。日本円だと約942円(1RM=31.4円換算)。ちなみに訪れた日は休日なので乗車待ちの列はかなり長めだったが、力業ともいうべき頼もしいファストレーンを利用してショートカットさせてもらった。ファストレーンの料金は80RM(約2500円)。
このケーブルカー、最初に開通したのは1923年だから100年前と長い歴史を持つが、現在は近代的な車両にリニューアルし、約5分で到着する。見上げるような勾配に体感スピードもかなりのものなので、ペナン島に行った際にはぜひとも体験してもらいたい。下りで運よく先頭に乗れれば、ジェットコースター気分も味わえるらしい。
ケーブルカーの頂上駅に降りると、展望台や食堂、ヒンズー教の寺院、イスラム教のモスク、政府機関として現在も使われている英国様式の建物などがあるが、さらに眺望のよい頂上まで続く自然保護区「ザ・ハビタット(The Habitat)」に行くのもオススメだ。熱帯雨林を突っ切る吊り橋、ペナン島を一望できる円周状の展望台、個性豊かな森の動物たちなど、見どころは多い。こちらの入場料は60RM(約1900円)で、VRツアーなどがセットになったものもある。
街歩きがとにかく楽しいジョージタウンはウォールアートが大人気
2008年に世界文化遺産として登録されたジョージタウンは、西洋、マレー、中華が入り混じり、伝統ある建造物が多く残されている。登録エリアはそれほど広くはないので徒歩で回ることも可能だが、無料の巡回バス(CAT)も走っているので効率よく回ることができる。
そのなかでもとにかく人気なのが、いろいろな場所に描かれたウォールアートだ。SNSなどでも映えスポットとして紹介されている。どこにどのようなアートが描かれているかマッピングした資料はマレーシア政府観光局のWebサイトで紹介しているので、それを参考に街歩きを楽しむのもいいだろう。
いくつかある伝統的な建物のなかでも人気なのが「ブルーマンション(The Blue Mansion)」とも呼ばれる「チョン・ファッ・ツェ・マンション(Cheong Fatt Tze Mansion)」だ。19世紀の大富豪であったチョン氏の豪邸で、鮮やかなインディゴブルーの外壁に内部は風水を取り入れた格式ある造りは誰もが目を奪われる。今でも目立つのだから、当時は憧れの大邸宅として人々の羨望のまなざしを集めていたのだろう。現在はホテルとして運営しており、宿泊客のほか、レストラン利用客、見学ツアー参加者(有料)も内部を見学できる。
ホーカーで地元グルメを堪能する。オススメはホッケン・ミー
マレーシアのローカル飯を堪能するには屋台街(ホーカーセンター)が便利だ。今回立ち寄ったのは「新世界」というショッピングモールにある「New World Park Food City」。パッと見ただけでも20以上の店舗が軒を連ね、それぞれが自慢の料理を提供している。
筆者がオーダーしたのは、ペナン風というホッケン・ミー。クアラルンプールで提供されるものは名前が一緒でもまったく違うので、これまたおもしろいところだ。ペナンのホッケン・ミーは、ビーフンと卵麺という2タイプの麺が入っているのがデフォルトだそうで、それぞれの食感を楽しめるのが特徴。そして、エビのダシが効いたスープにこれまたよく合う。辛味が欲しい人は、レンゲに注がれたサンバルをスープに溶いて食べるとこれまたピリ辛で美味い! 店によって味が違うそうなので、いろいろと食べ歩くのもおもしろそうだ。
ビーチリゾートでのんびり過ごすこともできるペナン島
今回宿泊したのは「ローンパイン・ペナン・トリビュートポートフォリオリゾート(Lone Pine, Penang, A Tribute Portfolio Resort)で、2023年にマリオット傘下としてリブランドしたリゾートホテルだ。
ペナン島には数多くの宿泊施設があるが、リゾートホテルは北側のビーチ沿いに集中しており、ローンパインもその一角にある。設立は1948年と歴史があり、界隈の品格のある老舗ホテルとしても名が知られており、マレーシアのホテルアワードなども数多く受賞している。手入れの行き届いた室内に美しい庭園、そしてその向こうにはマラッカ海峡(海峡といってもだだっ広い海だが)と、ジョージタウンのにぎやかさからは一転してのんびりとした気分を味わえる。
惜しむらくは今回は滞在時間が短く、それほどゆっくりはできなかったこと。バルコニーに設置されていたバスタブも使わなかったので、今度はぜひともリベンジしたい。
快適に過ごせる街中の高級ホテル
ジョージタウンにある高級ホテルも紹介しておこう。ブルーマンション近くに立地する「ジョージ・ペナン・クレスト・コレクション(The George Penang By The Crest Collection)」は、2018年に建てられた新しいホテル。場所柄、遺産規定のガイドラインに抵触しないよう、外装はコロニアル調のデザインでクラシカルな雰囲気を漂わせている。内部も機能美あふれるデザインで設えており、快適な時間を過ごせるようになっている。とにかく街歩きを楽しみたい人には抜群の立地であることは間違いない。
長期滞在には欠かせないコワーキングスペースもある
ペナン島は自然が豊かで、古都らしい歴史を感じられる街はとってもフォトジェニック。しかもグルメも安くて美味しいのだから人気があるのは当然かもしれない。そして、マレーシアの特徴でもあるが、ホテルがリーズナブルというのもあって長期滞在にも適している。
そのような過ごしやすい環境もあることから、2006年から15年連続で「ロングステイ希望滞在国1位」(ロングステイ財団調べ)というのもうなずける。最近ではネット環境の充実もあり、ノマドワーカーも増えている。ペナン島にも便利なコワーキングスペースがあるので2店ほど紹介しよう。
まずはブルーマンションの近くに位置する「ハンドレッド・イヤーズ(Hundred Years)」。1910年に建てられた建物を活用しており、名前のとおりの長い歴史を感じながら作業に没頭できるスペースだ。利用はプランはいろいろ用意されているが、シンプルな1日利用は39RM。
もう一つはペナン島でもっとも高いビル「コムター・タワー・ペナン(Komtar Tower Penang)」にほど近いショッピングモール「プランギン・モール(Prangin Mall)」のなかにある「マスコ・コワーキングスペース(Masco Co-working Space)」だ。広いスペースのなかにはデスクがズラリと並び、ミーティングルームのほか、息抜き用のプレイルームなども用意している。こちらも1か月単位の利用や部屋ごとのプランなど細かく設定されているが、1日料金は30RMだ。
1日ではまだまだ見て回れないペナン島に後ろ髪をひかれつつ別れを告げ、次に向かうのは首都であるクアラルンプール。近年の開発ラッシュもあって、高層ビルが立ち並ぶ大都会というからこちらも楽しみだ。次回はクアラルンプールの現在をお届けしよう。