旅レポ

ハーバー・ブリッジのアーチのてっぺんへ! 休日のシドニーの朝は賑わうビーチとマーケットを堪能

ボンダイ・ビーチ周辺の賑やかな朝を満喫

 オーストラリア政府観光局によるプレスツアーに参加してきた。

 シドニー2日目は、ボンダイ・ビーチ周辺の賑やかな朝を満喫。朝食から楽しめるカフェや、フレッシュな野菜や果実、ハンドメイドアイテムが集うマーケットなど、賑わいのなかに穏やかな休日の空気を感じられる時間だった。

 さらに午後からは、シドニーのハーバーを舞台に、人気のアクティビティも体験する。

シドニーの朝は早起きしておしゃれなモーニングを

Lox Stock and Barrell

 ビーチ散策にもってこいの快晴に恵まれた爽やかな朝、オープンに合わせて訪れることができたカフェがある。Glenayr Avenue沿いにあるカフェ「Lox Stock and Barrell(ロックス・ストック&バレル)」では、この日もオープンすぐから朝食を楽しみにやってくる人々の姿が多くみられた。ランチタイムには行列ができることもあるという人気店だ。テラス席の陽射しの下でゆったりと朝の時間を過ごす老夫婦の姿に、思わず穏やかな気持ちが湧いてくる。

 オーストラリアのカフェを訪れたら、クリーミーなフラットホワイトも楽しみたい。ラテのようにミルクが使われたコーヒーなのだが、スチームの違いによりさらに泡が細かく滑らかになっている。ミルク部分はもちもちとした感覚で、かわいらしいラテアートがいつまでも形を保っていた点もうれしい。フラットホワイトという名前からはミルクがたっぷり使われている印象を受けるが、ラテよりも甘さは控えめで、しっかりとエスプレッソの風味を感じることができるドリンクだ。

フラットホワイト

 朝食として、自慢のベーグルが使われたサンドイッチをいただいた。さまざまなベーグルの種類と具材から好きな組み合わせを選択することが可能で、今回はコンビーフがぎっしり詰まったゴマ風味ベーグルのルーベンサンド(20AUD)を注文する。コンビーフといっても、ほぐした牛肉というより、ハムやローストビーフのようなスライスされたお肉に近い。朝食としてはボリューミーな印象を受けるが、意外にもコンビーフがさっぱりとしており、おいしく平らげてしまった。ちなみにこのベーグルサンドは、1日を通じて注文できるメニューに含まれている。ランチとして注文しても大満足の一品になるだろう。

ルーベンサンド

ビーチ周辺のマーケットで現地の生活を体感

パディントン・マーケット

 シドニーのビーチ周辺では、毎週末にマーケットが開催される。会場は小学校の校庭や教会の広場などさまざまで、人気の会場には出店の順番待ちが続いているところもあるという。内容も、新鮮な野菜・フルーツなど食品が集う会場や、ハンドメイド雑貨が広場いっぱいに出店している会場など、マーケットによって異なる買い物を楽しむことが可能だ。付近にはオーガニックスーパーもあり、早起きが楽しみになるようなショッピングが待っている。

 小学校の敷地内で毎週土曜日に行なわれる「Bondy Farmers Market(ボンダイ・ファーマーズ・マーケット)」には、新鮮な野菜やフルーツ、蜂蜜などのオーガニック食品が集っていた。珍しい果物やこだわりをもって生産された卵などが豊富に展開されており、アウトドアワゴンを引いてたくさん買い物をしているファミリーも多い。マーケットの出入り口となる門の前では、犬たちが家族を待っている様子もみられた。歩いて散策するだけでも、賑やかなシドニーの休日の朝の雰囲気を体験できる。

マーケットで買い物をする飼い主を待つ犬たち

「PADDINGTON MARKET(パディントン・マーケット)」は、シドニー最大規模を誇るマーケットだ。歴史を感じる建物が並ぶエリアに位置する教会の敷地内で、クリエイターたちが自慢の作品を露店に並べる。このパディントン・マーケットは、デザイナーやアーティストの登竜門ともいわれるマーケットだという。新進気鋭の作家たちによるユニークなアイテムに加え、オーストラリアらしいデザインのグッズも豊富で、唯一無二のお土産を見つけられそうだ。

クリエイターたちによるハンドメイドアイテムが大集合

 ちなみに、オーストラリアではキャッシュレス文化がかなり浸透しているため、こういったマーケットでもクレジットカードで支払えることがほとんどだ。それぞれの出店者が端末を用意しているが、タッチ決済にしか対応していない場合もあるため、不安な人は先にクレジットカードを使えるかどうか尋ねてみるとよいだろう。

オーガニックスーパー

水上からハーバーの景色を眺めるランチクルーズ

ランチクルーズでシドニー・ハーバーをたゆたう

 オペラハウスをはじめとするハーバー周辺の風景は、水上から離れて眺めるのもおすすめだ。キャプテンクック・クルーズのランチクルーズなら、優雅に食事を楽しみつつ、船上からシドニーのランドマークを眺めることができる。シドニーハーバーは夜景も見事だが、時間帯ごとに異なる表情と出会うことができるため、何度も訪れたくなってくる。

出航前に近くのショッピングセンターでちょっと休憩

 出航場所はサーキュラー・キーとキングストリート・ワーフの2か所から選択可能。ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館でサーキュラー・キーのかつての様子が描かれた作品を鑑賞してから訪れると、高層ビルが立ち並ぶ都会的な街並みに圧倒される体験ができる。

いざ船へ

 今回は、前菜とメイン料理を堪能できる2コースのランチクルーズ(大人95AUD、子供45AUD)に乗船することができた。メニューは季節や仕入れ状況によって異なるそうだが、ここでもメイン料理としてバラマンディが提供されていた。

 クルーズを楽しみながら食事を楽しむ場合、窓際の席を確保できるかどうかも気になる点だろう。同クルーズでは、オプションプランを利用することで、窓際テーブルの利用を確約することができる。デッキに出てシドニーハーバーの風を感じたり、オペラハウスを背に写真を撮影したりできるため、特別な日のお祝いのようなシチュエーションでもぜひ旅行プランに入れてみてほしい。

船上からの景色

ハーバーブリッジのてっぺん、134mの高さまでアーチを上る

高さ134mの橋のてっぺんまで上る

 シドニー・ハーバー・ブリッジは、ポート・ジャクソン湾(シドニーハーバー)の南岸と北岸を結ぶアーチ橋だ。全8車線のハイウェイと鉄道線路、自転車専用道、歩道が整備されており、車線が世界一多い橋となっている。全長1149m、高さ134mと、その数からも巨大さをイメージすることができるだろう。

シドニー・ハーバー・ブリッジ

 橋そのものの姿を眺めたり、歩道を歩いて渡ったりするだけでもその大きさを感じられるが、なんとこのハーバー・ブリッジでは、アーチ部分を歩いて上れるアクティビティが提供されている。筆者としては、子供の頃から「橋のアーチ部分を歩いてみたい!」と空想していたため、このようなアクティビティがあることを知ったときは衝撃を受けた。オペラハウスをはじめとするシドニーの風景を上空から眺められる、またとない機会でもある。

 アーチの真下がハイウェイであることから、釘1本でも落としてしまえば大きなリスクにつながる。このため、ツアーに参加する際は、用意されているつなぎに着替え、すべての持ち物をロッカーに置いていかなければならない。オーストラリアでは陽射し対策が必須だが、メガネやサングラスは落下を防止するストラップで襟元とつなぐことで自分のものを持ち込める。キャップとハンカチは、所定のものをレンタルし、外れないように固定する。スマホやカメラも持ち込むことはできないが、同行してくれるクライムリーダーが景色や参加者の姿をしっかり撮影してくれるため、思い出の記録はお任せしよう。

 身支度を完了した後は、30分ほどかけてしっかりとレクチャーを受け、はしごを上り下りする練習も行なう。クライムのスタート時に安全ベルトを通す橋のワイヤーはツアーのルート全体に張り巡らされており、コースが終了するまで外れないようになっている。傾斜のある部分では安全ベルトが引っかかってしまうこともあるため、手すりにつかまりながらスムースに進むことができるよう、しっかりと練習しておこう。筆者も練習時には左右どちらの手を使えばよいのか混乱しそうになったが、実際に同じ動作を繰り返しているうちに慣れてくるので、心配はいらない。

 なお、今回体験した際は、練習場の近くに自由に使える日焼け止めが用意されていた。ただでさえ陽射しの強いシドニー・ハーバーで、最終的に134mの高さまで到達することになる。サングラスや所定のキャップをしっかりと身につけ、つなぎの下にサンシェードを着ておくなど、日焼け対策を忘れないようにしよう。また、途中の給水スポットでは、必ず水分補給をするようにしたい。

 ブリーフィングが終了したら、いざツアー開始だ。アーチを上り始める前に、ハイウェイの轟音の上を歩いて進む。安全が確保されているとはいえ、非常にスリリングな光景である。

 傾斜の急な部分をはしごで乗り越えた後は、緩やかな傾斜を階段で進んでいく。ハーバー・ブリッジやシドニーの歴史について解説を聞きながら、遮るもののない圧倒的な景色を眺めよう。オペラハウスが美しく見えるスポットやてっぺんで、クライムリーダーに写真を撮ってもらうことができる。

 頂上まで辿り着いたら、今度は橋の反対側へ横断。上りとは異なり、広大な海を右手に眺めながら地上を目指す。照りつける陽射しの下、この時期の気温で長時間歩いているとどんどん疲れが押し寄せてくる。そんなときは、途中にあるスイッチを押してみよう。勢いよくミストが噴射され、最高に気持ちがいい。

 コースそのものにハードな箇所があるわけではないが、3時間も歩き続けてゴールに辿り着いた瞬間は、達成感でいっぱいになった。せっかく日常から離れて旅をするなら、ぜひブリッジクライムのようなアクティビティにチャレンジし、清々しい気分を味わってきてほしい。

シドニーの街並み

編集部:大竹菜々子