旅レポ

豪華客船クイーン・エリザベスに乗ってシドニーからショートクルーズしてきました!

シドニーで泊まったホテルの客室から見たクイーン・エリザベス

 12月中旬に開催された「クイーン・エリザベス シドニー~メルボルン3日間」プレスツアーに参加してきました。

 クイーン・エリザベスといえば豪華客船の代名詞。優雅な船旅とまったく縁のない人生を送ってきた私でも知っている世界一有名な豪華客船です。乗船することが決まってから約3か月、ワクワクしながら旅の準備を進めていました。

3層吹き抜けのグランドロビーはクイーン・エリザベスの船内でも人気のフォトスポット。優雅な雰囲気にうっとりでした

 ここで今回のクルーズ日程をご紹介しましょう。

12月13日(火)乗船@シドニー、出港19時
12月14日(水)終日クルーズ
12月15日(木)入港6時、下船@メルボルン

 豪華客船の旅というと、10日間とか2週間とか、はたまた100日くらいかけて世界一周なんていうのも聞きますが、今回は3日間のショートクルーズ。寄港もせず終日洋上というのは2日目だけ。そう、実はこんな短いものもあるのです。

 それでも、今まで経験してきた旅とはひと味もふた味も違った洋上の旅ならではの醍醐味を味わうことができました。ちょっとおおげさかもしれませんが、新しい旅の楽しみを知ってしまった感じです。

シドニー~メルボルン間は陸路だと約880km(飛行機を使うのが一般的のようですが)。東京から山口県くらいのイメージです。オーストラリアは日本の面積の約20倍! 大きいですね

英国女王の名を冠した客船、クイーン・エリザベス

 乗船したのは、2008年に引退した「クイーン・エリザベス2(QE2)」の名を受け継ぐ3代目クイーン・エリザベス。ご存じの方も多いと思いますが、名付け親は2021年9月に崩御された英国のエリザベス2世女王です。

 運航会社キュナード・ラインの客船は、このクイーン・エリザベスとクイーン・メリー2、クイーン・ヴィクトリアの3隻が世界の海を運航中。そして2024年春には新造船クイーン・アンがデビューします。ちなみにクイーン・アンの処女航海のチケットは2022年5月の予約開始日に即日完売したそうですよ。

2024年にデビューするクイーン・アンと、現在運航中のクイーン・メリー2、クイーン・ヴィクトリア、クイーン・エリザベス(提供:キュナード・ライン)

 初めての船旅、それも“世界で最も有名な豪華客船”に乗るにあたっては、旅の準備段階から特別感がありました。まずキュナード・ラインからのメールです。乗船50日前くらいから1週間に1回くらいずつ届くのですが、船内ではこんなエンタテイメントがありますよとか、ダイニング&バーはこんなところがありますよ、スパの予約もできますよといった内容です。

キュナードから届くメール(英語)の一部。メールのリンク先に飛ぶと、より詳しい情報が載っています

 もう1つがクルーズを予約済みのゲスト専用サイト「My Cunard (マイキュナード)」。ここに予約番号や氏名、生年月日などを英語で入力するのですが、このMy Cunardにログインすることで、レストランの事前予約やオンラインチェックイン、荷物タグ、ボーディングパスの発行などが行なえます。それらの作業が乗船日までのカウントダウンのようで「いよいよ近づいてきた~!」と気持ちが盛り上がっていったのでした。

クルーズを予約済みのゲスト専用サイト「My Cunard」の画面。ログイン後、オンラインチェックインやボーディングパスをダウンロードしたりできます

12月のシドニーへ

歴史的エリア「The Rocks(ザ・ロックス)」にあるロード・ネルソン・ブリュワリー・ホテルはオーストラリア最古のパブとしても有名

 羽田空港から夜のフライトで、乗船前日の朝に到着したシドニー。南半球なので12月は夏のはずですが、日本の夏の猛暑とはまったく違う爽やかな気候。小雨が降っていた午前中は肌寒いくらいでした。日本の5月ごろの気候でしょうか。

古い建物と新しい建物が混在するシドニーの街。街を歩いていてもマスクをしている人はほとんど見かけませんでした
オペラハウスと並ぶシドニーの街のシンボル、ハーバー・ブリッジ
オーストラリアのローカルフード、ミートパイ

 到着してから乗船まで約24時間フリータイムがあったシドニー。宿泊したのは「フォーシーズンズホテル シドニー」です。部屋に入って、窓からの景色を見て大興奮。クイーン・エリザベスが出港するシドニー湾を見渡せて、オペラハウスはもちろん停泊中の豪華客船が見えるではありませんかっ!

「あれが明日乗るクイーン・エリザベス! やっぱり大きいなぁ~」と感動していたら、まったく違う客船であることが判明。しかもクイーン・エリザベスはもう一回り大きいと聞いてびっくり!

フォーシーズンズホテル シドニーのゲストルーム。窓から見える景色が素晴らしい
てっきりこれがクイーン・エリザベスだと思っていたら違いました

 今回は、乗船24時間以内に自己診断式の抗原検査もしくは48時間以内のPCR検査をすることが義務付けられていました。検査結果と一緒に、パスポートの顔写真ページ、日付と時刻を表示する時計などが一度に写っている写真を提示する必要があるということで、夕方ホテルの自室で抗原検査を実施。無事陰性で、あとは翌日の乗船を待つのみです。

乗船時この写真を提示しました
クイーン・エリザベスだと思っていたクルーズ船は夜中に出港していきました

 翌朝は6~7時の間にクイーン・エリザベスが入港すると聞いていたので、早起きして窓際のソファでスタンバイ。すると5時50分ごろに、朝日を左舷に浴びて神々しいまでに美しい客船が港に入ってくるのが見えました。あれぞ、女王船クイーン・エリザベス! またまた1人で大興奮です。

来ました! 今度こそクイーン・エリザベスです

 後日航海スケジュールを調べて分かったのですが、このクイーン・エリザベスには、12月2日にパースを出発し、アデレード~メルボルン~バーニーいう11泊のクルーズを楽しんだ人たちが乗っていたようです。

 ちなみに現在もクイーン・エリザベスはオーストラリア各地をクルーズ中で(3月中旬まで)、その後シンガポールや台湾を経て、4月には4年ぶりに日本へ寄港します。横浜発着のクルーズが4本予定されていますよ。

これを撮っていたときは乗客の様子を考えることすらしませんでしたが、クルーズを体験した今では「まだ部屋で寝ている人がほとんどだろうなぁ」とか「早起きの人はデッキ9のリド・レストランで入港シーンを楽しみながら朝食を食べているのかなぁ」とか想像できるのです
こうしてみると前日に停泊していたクルーズ船よりだいぶ大きいのが分かりますね

クイーン・エリザベスの近くまで行ってみた

大きい! そしてかっこいい!

 興奮冷めやらず二度寝もできそうにないので、さっさと朝食をすませてスマホ片手に港へ。ホテルからは歩いて5分もかからない距離です。部屋の窓から見ても大きいなと思ったけれど、近づいていくとその大きさに圧倒されてしまうクイーン・エリザベス。全長は294m、全幅は32.3mあるそうです。

この姿、乗船してしまうと撮れないので何枚も
オペラハウス側から。中央の茶色い建物が、泊まっていたフォーシーズンズホテル シドニー

いよいよ乗船ですの

オーストラリアでは、この青紫色のジャカランダの花が咲くと夏が来ると言われているんですって

 シドニーの街を少し散歩してからホテルに戻って荷物をパッキング。スーツケースのハンドルに「My Cunard」からダウンロードして印刷してきた荷物タグを折りたたんで付けます。荷物は自分でよっこらしょと持って乗船する必要がなく、お部屋まで運んでもらえます。そのために部屋番号が明記されているというわけです。

ハンドルに荷物タグを付けて完了
「マスク着用必須です」のサイン
手にはボーディングパスとパスポート
乗船します

 旅客船ターミナルで無事チェックインを終えていよいよクイーン・エリザベスの船内へ。人生初のクルーズ旅スタートです。次稿では、今回利用したお部屋の紹介とシドニー出港の様子をレポートします。お楽しみに!

ついにクイーン・エリザベス船内へ
ゆきぴゅー

長野生まれの長野育ち。2001年に上京し、デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。独立後はイラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”として、雑誌やWeb連載のほか、企業広告などのイメージキャラクター制作なども手がける。