旅レポ
“最新”がいっぱいの南の島グアム(その2)
客室にインフィニティプール!? 「デュシタニ」の最上級スイートとボールルーム、秘密部屋(?)に潜入
2016年7月28日 00:00
単純に宿泊施設だけを提供するのではなく、ショッピングモールや多彩なレストラン、ビジネス向けのコンベンションセンターなど、目的の異なる施設を集約した統合型、あるいは複合型のリゾート施設として運営するのが、昨今の大規模ホテル開発における世界的な流れにもなっているといえるだろう。
2015年にグアムの中心街タモン地区でオープンした「デュシタニ グアム リゾート」も、そんな複合型リゾート施設の1つ。運営・管理するのは1948年にタイで創業したDusit International(デュシット・インターナショナル)で、同社は母国タイはもちろんのこと、中国、中東、東南アジア、米国で合わせて30近くのホテル・リゾートを展開する(2016年7月現在)。「デュシタニ」は、今や高級ホテル・リゾートブランドの代名詞的存在になりつつある。
デュシタニ グアム リゾートの、宿泊・リゾート施設としてのレポートはすでに2015年に本誌に掲載しているが、今回は、そのなかでは触れていない上級スイートルームと、ビジネスカンファレンスなどに利用可能なボールルーム、ミーティングルームに入ることができたので、その内容をお届けしたい。
圧巻の眺望。最上級グレードの「プレジデンシャル スイート」
デュシタニ グアム リゾートの総客室数は421。そのうちスイートルームは74室あり、なかでも広大でラグジュアリーな居室空間を実現しているのが「プレジデンシャル スイート」(1部屋)と、「ヴィラ スイート」(6部屋)の2つだ。
最上階の30階にあるプレジデンシャル スイートは、153m2の広さで2つのベッドルームをもつ、通常のスイートルームのなかでは最上級グレードの客室。バスルームも2つあり、一方の浴槽はジェットバスとなっている。最上階ということもあって、バルコニーから臨むオーシャンビューは極上の一言。眼下に広がるエメラルドグリーンの海に圧倒され、現実離れしたビーチやプールのミニチュア感に思わず呆然としてしまう。
利用人数は4~6名で、1泊料金は3000~4000ドル。家族で利用するケースが多く、平均的に4~5泊していくという。ほぼ同様のファシリティで1ベッドルームの客室は「アンバサダー スイート」として、こちらも1室のみ用意されている。
スパルームやプール付きバルコニーでぜいたくな時間を過ごせる「ヴィラ スイート」
低層の5階に位置するものの、プレジデンシャル スイートとはまた違ったラグジュアリー感を演出しているのが、デュシタニ グアム リゾートに6室のみ用意されている「ヴィラ スイート」。広さは100~306m2で、1ベッドルームの「One Bedroom Villa Suite」(5室)と、3ベッドルームの「Villa Azul(Entertainment Suite)」(1室)の2タイプがある。
1ベッドルームの客室は、インフィニティーエッジのプランジプールと屋外シャワーを備えた広いバルコニーに加え、トリートメントを受けられる専用のスパルームを室内に用意しているのが最大の特徴だ。2~4名利用で1泊3000~4000ドルと、料金はプレジデンシャル スイートとさほど変わらない。3ベッドルームのビラ スイートはバーベキューも可能なプライベートテラスが利用でき、料金は1泊9000~1万ドル。複数組の家族や祖父母らと利用するのに適しているだろう。
最大2000名収容のボールルームに、料理もできるミーティングルーム
デュシタニ グアム リゾートはコンベンションセンターとしての機能も備える。最大2000名を収容可能な広さ1169m2「グランド ボールルーム」、同1100名を収容するAとBに分割利用も可能な広さ547m2の「ロイヤル ボールルーム」、2つのサロンとその間にあるリビングルーム、さらには少人数での会議に便利な3部屋続きのミーティングルームもある。
最大収容人数の多いボールルームもそうだが、後者のミーティングルームも使い方によっては面白そうだ。このミーティングルームは、会議や歓談に使える「セラー」という名前の部屋と、シェフによる本格的な料理にも対応するキッチンを備えた「パントリー」という名の部屋、そしてメイン会議室となる「スタディ」の3部屋からなっている。
完成間もないこともあって、ミーティングルームの本格的な活用はまだこれからとのことだが、例えば長時間に渡る重要な会議を行なう際、スタディで話し合いを進め、休憩時間はセラーでワイングラスを傾けたり、食事時間にはパントリーでシェフが料理したものをいただく、といった使い方が考えられる。
グアムのような南国リゾートは、日々の仕事の疲れを癒やすために休暇で訪れるイメージが強いが、このような施設があれば、癒やしのついでにビジネスの重要な局面となるミーティングやカンファレンスに参加する、といった過ごし方も考えられるわけだ。将来的には、ビジネスにおける最新の情報発信地としてグアムやデュシタニ グアム リゾートが活用されることになる、かもしれない。