旅レポ
身も心もリラックスしたい人におすすめしたいインドネシアの旅(その2)
ジャワ島最東部、新興観光地バニュワンギでの穏やかな時間
2016年7月26日 00:00
インドネシア共和国観光省主催の「インドネシア メディアトリップ」レポートの第2回はジャワ島最東端の街「バニュワンギ」の巻です。まず、前日までバリ島を堪能していたツアー一行はフェリーに乗って対岸の街バニュワンギへ向かいます。
距離にして5kmにも満たない船旅ですが、実は2時間半ほどかかりました。乗船時間だけでも1時間半弱、陸地続きなら歩くぐらいの時間がかかってます。またタイムスケジュールどおりに出航しないそのノンビリした空気のなか、駐車場で乗船を待つこと約1時間。過密スケジュールでも定時運行が当たり前の日本の交通機関に慣れた筆者ではありますが、こんな時間を過ごすのも旅の風情とばかりにフェリー乗り場周辺の散策などをして出航の知らせを待ちました。
初めての土地を訪れたときは眼に映るすべての風景が新鮮なものです。真っ青で高い空やかわいいプルメリアの花、海峡を行き来するフェリーなどを眺めてフラフラする時間は、このあとのスケジュールを考えると少々不安にもなるものの、これも旅のスパイスだと気持ちを切り替えると、これまた楽しい時間です。
ちなみにバニュワンギは小さな空港もあります。日本からの直行便はないものの、時間に余裕がとれない旅の場合は、飛行機で行くのもよいかもしれません。日本の空港からジャカルタもしくはデンパサールへ行き、スラバヤを経てバニュワンギ、と乗り継ぐのがよさそうです。
新興観光地バニュワンギの市街地で過ごす穏やかな時間
さて、前置きが長くなりましたが、早起きしたにもかかわらずバリ島側の港(ギリマヌック港)からわずか5km程の対岸、バニュワンギの港(クタパン港)に到着したのは11時30分頃。が、同じ国のすぐお隣の島でありながらバリ島とジャワ島では1時間の時差がありますので、時計の針を巻き戻して実は10時30分。時計を合わせる手間以外なにも変わりませんが、なんとなく得した気分です。ここから2日間にわたるバニュワンギの街の観光がはじまりました。
港から市街地まで向かい、まずはベチャと呼ばれる自転車タクシーでの路地散策や市場での買い物など、時折アウェー感を感じながらも地元の方の生活に密着した時間を過ごします。こういう旅、個人的には大好きです。
市場に並ぶ肉や魚、野菜や香辛料、衣類など、そしてそこで買い物する人々を、あまり生活の邪魔にならないように、でもしっかりと眺めることで垣間見る生活感は筆者にとって海外旅行の大きな楽しみだったりします。また、これから観光客を受け入れるために行なわれているという歓迎イベントの試験的な試みにも招かれ、そちらも地元の人々と触れ合える大変楽しいものでした。
バニュワンギは今、観光都市として非常に力を入れているそうです。その答えが大きな観光イベント開催なのか、豊かな立地を活かしたゴルフ場開発なのか、はたまた巨大ホテルの建設なのかはまったく想像もつきません。今回見た昔ながらの街並みこそが観光資源なのかもしれません。いずれにしてもまだその取り組みがスタートして間もないであろうこの街の生活感あふれたありのままの姿を味わうのなら、その旬は案外“今”なのかもしれません。
もちろんこの街の周辺にはビーチリゾートや美しい山々などほかの魅力にもあふれているのですが、やはり街と人の風景は旅には欠かせないものだと筆者は思っています。
街の喧騒から隔離された楽園「イジェン リゾート&ヴィラ」
初めて訪れた街の生活感をたっぷり味わったあと、今度は海沿いの街を離れ、山のなかのリゾートホテルへ。我々一行を乗せたマイクロバスでは少々無理があるような狭く、勾配もきつい田舎道をどんどん突き進み、山間部の集落も越え、ヤシの木とライステラス(棚田)が広がった絶景のさらに奥にあるリゾートホテル「イジェン リゾート&ヴィラ(Ijen Resort & Villas)」がバニュワンギでの宿泊地でした。
昼間の市内観光とはうって変わって、今度は街の喧騒から完全に隔離された楽園で過ごします。このロケーションが素晴らしい! 敷地内にレストランもプールも完備しているので困ることはありませんが、ちょっと夜の街を徘徊してみようとか、ちょっと買い物でも、などという希望は完全に断ち切られます。ただただゆったりとした敷地から眺めるライステラス(棚田)の風景に癒されながら、夜には南十字星を眺めながら過ごす極上の時間こそがここの醍醐味です。
バニュワンギの街とライステラスに囲まれたバイジェン リゾート&ヴィラでの、のんびりとした時間を過ごした一行は、このあと今回のツアー最大の目玉、青く輝く神秘的な火山「イジェン」でのトレッキングに向かいます。