【イベントレポート】パリ航空ショー2015
豪華絢爛なビジネスジェットからエンジンテスト機までパリ航空ショーで注目の商用機ギャラリー
(2015/6/24 00:00)
- 2015年6月15日~6月21日(現地時間) 開催
フランス パリ郊外のル・ブルジェ空港で開催された「パリ航空ショー2015」には、地上展示、飛行展示含めて、多数の航空機の実機が展示された。商用機についても、おなじみの旅客機から高嶺の花のビジネスジェットまで、さまざまな機種が展示されている。本稿では、そうした商用機の中から注目の展示を紹介する。
ボンバルディア
今回のパリ航空ショーでは、ボンバルディアの「C」シリーズが実機の展示飛行も行なったことで注目を集めたが、そのほかにも航空機を持ち込んで地上展示を行なった。
「Global 6000」は、約1万1112km(6000nm)という長航続距離を特徴とするビジネスジェット機である。1万1112kmというと、東京からの太平洋横断はもちろんのこと、東京からパリ航空ショーの会場までノンストップで乗り付ける、なんてこともできる。
エンジンはリアに配置されており、機体後部にロールスロイス「BR710A2-20」を2基搭載する。定員は13名。
展示されたボンバルディアのリファレンススペックの内装は豪華そのもので、リムジンのようなギャレーや、2個を使ってフルフラットベッドにできるソファなど、快適な空の旅が約束されているようなリッチなデザインになっている。
また、シェードや室内照明をiPadやiPhoneからリモート制御することができ、シェードは6セクションに分けられた部位ごとにまとめてシェードの上げ下げを操作できる。
国内でも短距離路線で利用されているターボプロップ機「Q400」は、“NextGen”モデルを展示。初期型との違いは客室照明のLED化やオーバーヘッドコンパートメントの拡張など。実機の展示ではかなり大型のスーツケースをオーバーヘッドコンパートメントに収納できており、キャリーケースを持ち込もうと思ったのに機内手前で預けることになってしまった、という事態は減りそうだ。
ボンバルディアはこのほか、エールフランス系LCCの「HOP!」へ納入する100席級のリージョナルジェット旅客機「CRJ1000」を展示。その長大なボディが人目を引いていた。
ボーイング 757をベースにしたHoneywellのテスト機
ちょっと珍しい機体としては、ハネウエル(Honeywell)が所有するボーイング 757をベースとしたテスト機(登録記号:N757HW)が展示されていた。これはHoneywellが受託するフライトテストに利用されている機体で、前方に3つ目のエンジンを取り付けるためのパイロンを備えるのが外見的な特徴。ここにテスト対象のエンジンを取り付けて飛行することもできるわけだ。
こうした特性の飛行機ということもあって、航空機の開発・製造市場が小さい日本を訪問することは稀だが、2014年9月に突如として関空(関西国際空港)を訪れ、話題となったことは、一部マニアの間で記憶に新しい。
ダッソー「Falcon 8X」
フランスのダッソーが開発、製造している「Falcon」シリーズの最新モデルで、2015年2月に初飛行を行なったばかりの「Falcon 8X」も、パリ航空ショーで飛行展示を行なった。
Falconシリーズは、先述のボンバルディアGlobalシリーズ同様に長距離運航が可能なビジネスジェットで、こちらは3発機であることが特徴。従来機のFalcon 7Xから機体を延長し、エンジンをプラット・アンド・ホイットニー製「PW307D」へ変更。航続距離も約1万1945km(6450nm)へ延長した。