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ANA、ビジネスジェット「Global 7500」のリッチな機内を公開! コロナ禍でも増益、市場拡大へ
2021年4月13日 07:00
- 2021年4月9日 公開
ANAビジネスジェットは4月9日、ビジネスジェット事業の概要説明と機体の内覧会を実施した。
同社はANAホールディングス(51%)と、ビジネスジェット事業の草分け的存在の双日(49%)による合弁会社で、設立は2018年7月。自前で機材を保有しないブローカーで、顧客のオーダーに応じて業務提携している全世界40社以上の運航会社をリサーチ、最適なフライトプランを提案している。
ボンバルディア Global 7500
羽田空港で公開したボンバルディア「Global 7500」は、ビジネスジェットとしては最大級の機材。その最大の特徴は機内スペースの広さで、従来機「Global 6000」が3エリアの客室を持つのに対し、Global 7500は全長を伸ばすことで4エリアへと増加。快適性と居住性がアップしている。
ボンバルディア「Global 7500」
航続距離: 1万4260km
巡航速度: 982km/h
客席数: 通常時12名、就寝時6~7名(仕様により異なる)
客室幅: 2.44m
客室高: 1.88m
客室長: 16.59m
荷物許容量: 5.53m
コロナ禍で増益。設立時目標「5年目に売り上げ10億円」は達成可能と片桐社長
事業概要説明にはANAビジネスジェット 代表取締役社長の片桐純氏、双日 航空産業・交通プロジェクト本部 航空事業部 ビジネスジェット事業 課長の櫻井洋平氏が列席した。
片桐氏はANAビジネスジェットの戦略的な位置づけとして、ANAホールディングスが「“時間価値の最大化”による顧客満足度の向上」「フルサービスキャリア(ANA)とLCC(ピーチ)に続く事業エリアの拡大」、双日側は「日本におけるビジネスジェット市場の拡大」「既存のビジネスジェット事業の拡充」を目的にしていると説明。
設立以来、「ANAブランドへの信頼や信用」をバックボーンに、「お客さまの問い合わせは年々増えてきている」ことから、「日本はマーケットとしての規模は小さいが、潜在需要は大きいと確信している」と述べた。それを裏付ける形で2019年度には単年度黒字を、2020年度はコロナ禍だが増益を果たしており、立ち上げ時に目標とした「5年目に(売り上げ)10億円」は達成可能であるとした。
同社のチャーターサービスは、日本からANAなどの海外定期便で渡航してから、域内移動をビジネスジェットで行なう「エリアチャーター」と、日本からダイレクトに海外へ出国する「グローバルチャーター」、国内移動の「国内チャーター」の3パターンを提供している。
コロナ禍以前(~2019年)はエリアチャーターが約60%を占めていたが、コロナ禍(2020年)にはグローバルチャーターが半分を占める状況に変化しており、問い合わせおよび成約件数は増加しているという。特にコロナ禍では「空港での専用動線」「プライベートな機内空間」「Point to Pointの移動」の確保が可能であることから、関係者以外との接触を減らせるとして、利用者からは好評の声をいただいているとコメントした。
チャーター可能な機材は大型機(13席程度)、中型機(8~10席)、小型機(4~5席)の3タイプを用意しており、飛行距離や搭乗人数に応じて最適なプランを提案。加えて、海外チャーターで最短3日前、国内チャーターでは最短2日前での手配実績もあるといい、柔軟かつスピーディな対応が可能であるとの事例を紹介した。
気になる料金はグローバルチャーターの場合、東京~北京で約1500万円(大型機、往復)、国内チャーターの場合は、東京~下地島で約1200万円(中型機、往復)、約700万円(小型機、往復)。
定期旅客便と比較すると高額だが、「以前からの(メリットである)時間短縮の最大化に加えて、感染リスクの低減もあり、ビジネスジェットのマーケットの拡大は十分にあり得る」と考えており、移動の選択肢の1つに加わることを期待していると述べた。
続いて桜井氏が登壇。同社について、ビジネスジェットの販売、アフターサービス、資産運用を軸にビジネスを展開しており、15年以上に渡り販売などトレーディングを行なっていると前置きした。
こうした事業に加え、日本に拠点を置く唯一の海外オペレータ(運航会社)として「フェニックスジェット」を設立。アメリカの不定期運送事業ライセンスおよびケイマン国籍の飛行機チャーターライセンスを獲得しており、世界最高水準の安全性とともに、機内サービスには日本流のおもてなしを行なうなど、幅広いユーザーニーズや要望に応えることが可能であるとした。