【イベントレポート】

【関空旅博2017】ファミリーで楽しめる統合型リゾートが充実してきたマカオ。開発ラッシュはまだまだ続く

マカオ観光局がセミナー実施

2017年5月27日~28日 開催

関空旅博2017でマカオ観光局がセミナーを実施

 5月27日~28日に関西国際空港で開催された「関空旅博2017」で、マカオ観光局はセミナーを開催。マカオ観光の基本的な情報から、発展を続けているIR(統合型リゾート)の最新情報などを解説した。

 セミナー参加者には、マカオに行ったことがある人が多かったが、5年以内に行った人になると1割程度。「カジノ」のイメージが強かった時代に行ったことがある人が多く、ここ数年のマカオの変化を知る場となった。

マカオ観光局 松本二実氏

 まずはマカオの基本情報として場所やエリア、公共交通機関の説明が行なわれたのち、タバコについての注意を促した。最近はマカオも禁煙が進んでいるとのことで、持ち込みに関しても2015年7月からは持ち込みの免税範囲が縮小。紙巻きタバコが19本までと厳しく制限されているという。

 熱帯に近いマカオは高温多湿な土地だが、マカオ観光局 松本二実氏は「ビーチリゾートではないので1年中いつ行っても楽しんでいただける。しかし、5月から9月ぐらいは湿度が高くて蒸し暑いので、気候として過ごしやすいのは10月から12月。平均気温も25℃ぐらいで、湿度も60%ぐらいにまで下がる」と紹介した。

 マカオの定番の観光地としては、入場料がかからない世界遺産群や、ポルトガル統治時代の建物が並びドラマや映画のロケ地にも使われているラザロ地区、古きよきマカオを感じられる十月初五日街などを紹介した。

マカオの基本情報
マカオ内には鉄道がなく、移動はバスとタクシーで
喫煙に関しては厳しく取り締まられている。持ち込み本数の免税範囲も19本と一般的な紙巻きタバコの1箱未満なので要注意
シーズンは問わないが10月~12月には湿度も下がって気候的には過ごしやすくなるとのこと
大航海時代、ポルトガル統治時代、そして中華文化が混じるマカオ
世界文化遺産「マカオ歴史市街地区」。無料で楽しめる世界遺産で、日本語による説明も用意されている
欧州風の景観でドラマや映画のロケ地としても使われるラザロ地区から、古きよきマカオの雰囲気を味わえる「十月初五日街」まで、さまざまな文化、景観を楽しめる

 一方、現在のマカオは「コタイ」と呼ばれる埋め立て地の開発が進んでおり、大規模IRが2007年を皮切りにどんどん進出している。コタイには6社が進出し、IRの拡張を続けている。

IRの開発が進むコタイ地区

 ギャラクシー・マカオは、日系のバンヤンツリー・マカオのほか、ザ・リッツ・カールトンやJWマリオットなど著名なホテルが入る。ファミリー向け施設が多く、松本氏は「IRというとカジノが多いのかな、と思われるかもしれないが、ファミリーで楽しめるエンタテイメントやショッピング、レストランなどが統合して入っているのが統合型リゾート」と説明。世界最長の575mの流れるプールがあり、マカオの気候から3月ごろから11月ごろまで入れるのも魅力だという。

 サンズ・チャイナは、マカオのコタイ地区開発の先駆けとなったザ・ヴェネチアン・マカオのほか、2016年9月に開業した同地区でもっとも新しいザ・パリジャン・マカオなどが入る。ザ・パリジャン・マカオもファミリー向け施設が充実しており、アクアワールド(他施設宿泊者も有料で利用可能)や、メリーゴーラウンドがあるキッズクラブも用意されている。

 また、ザ・パリジャン・マカオでは、2016年9月の開業時にこけら落としに公演された故マイケル・ジャクソンの楽曲で構成されるミュージカル・ショー「スリラー・ライブ」は、その人気の高さから4月28日~9月3日に再演されている。

 このほか、2007年に開業したザ・ヴェネチアン・マカオは、2017年で開業10周年。2016年のInstagramで最多投稿された世界のラグジュアリー・ホテルで6位を獲得。そのザ・ヴェネチアン・マカオの隣にあるサンズ・コタイセントラルでは、2017年の旧正月明けから年末まで、西遊記をテーマにした新しいショーが行なわれていると紹介があった。

 そして、同じ企業が運営する8の字型の観覧車が特徴のスタジオ・シティ・マカオと、公演開始から約6年を経てなお人気という「ハウス・オブ・ダンシングウォーター」が見どころのシティ・オブ・ドリームズ。ハウス・オブ・ダンシングウォーターは、今でも日によって満席のことがあるそうで、「Webで予約できるので事前に予約して行くのがお勧め」とのことだ。

 ザ・パリジャン・マカオに次いでコタイ地区で2番目に新しいウィン・パレスは2016年8月に開業。ホテルの前で繰り広げられる噴水ショーと、それを上空から見られるゴンドラ「スカイキャブ」が見どころ。マカオ半島にもグループのウィン・マカオがあり、同様に噴水ショーが行なわれているが、ウィンパレスはその10倍の規模だという。ウィン・パレスの館内はアート作品が多く、非常に貴重もしくは高額なものが公共スペースに展示されている

 コタイ地区以外の人気のエンタテイメントとして、オープン・トップ・バスの紹介があった。松本氏お勧めのルートは「夜7時にマカオ半島のフェリーターミナルを出発して、マカオ半島のウィン・マカオで噴水ショーを見学。そこからリスボアの夜景を見てコタイ地区へ。そしてコタイ地区を一回りしながらIRの夜景を楽しみ、ザ・ヴェネチアン・マカオで降りるルート」だという。

 定番のマカオタワーについても紹介があり、有名なバンジージャンプは日本人が一番多く飛んでいるそうで、1回4万5000円相当の料金がかかるが2回目以降は半額、4回飛ぶとその後は無料になるのだという。

 また、マカオパンダ館の2016年6月26日に生まれた珍しい双子のパンダや、最近仲間入りしたレッサーパンダも人気になっている。

 グルメは中華料理と宗主国だったポルトガル料理、そしてポルトガル料理をベースに大航海時代にさまざまな国から集まったスパイスなどを効かしたマカオ料理が揃う。このほかにもローカルグルメや、関西では「アンドリューのエッグタルト」で知られる「ロード・ストウズ・ベーカリー」のエッグタルトなども紹介された。

 マカオは高級料理のレストランも増え、ミシュラン香港・マカオ2017には星付きが19軒で、日本料理店も含まれている。

 2017年以降のマカオの新施設については、マカオ半島のフェリーターミナルの隣に「レジェンド・パレス・ホテル」がオープン。タイパ地区に「マカオ・ルーズヴェルト・ホテル」が近日オープン。1泊1000万円というウルトラ・ラグジュアリー・ホテル「The 13」は2017年7月にオープンする予定となっている。また、マカオでは2軒目のMGMブランドのホテルとなる「MGMコタイ」が2017年9月または10月にオープンする。

 2018年も開業ラッシュは続き、マカオ半島のフェリーターミナル近くに「レジェンデール・ホテル」、コタイ地区に故ザハ・ハディド氏設計の「モーフィアス・ホテル」、マカオでもっとも有名な「リスボア」ホテル系列の「グランド・リスボア・パレス」がオープンする予定となっている。グランド・リスボア・パレスには、シャネルなどのデザイナーを務めたカール・ラガーフェルド氏が手がけるホテル、ヴェルサーチで知られるパラッツォ・ヴェルサーチ氏が手がけるホテル、リスボア系列のホテルの3棟が入ることになっている。

2017年に開業、または開業予定のホテル
2018年に開業予定のホテル

 マカオの交通インフラも整備が進んでおり、タイパ地区にある臨時のフェリーターミナルの建設が終わり、2017年6月1日にオープン。現在の臨時ターミナルに比べて4倍の規模となり、隣にあるマカオ空港と遜色ない施設になっているという。

 2019年にはマカオ・ライトレール・トランジット(LRT)の一部が開業予定。最終的にはマカオ半島とコタイエリアを結ぶ予定だが、まずはコタイ地区を開業する見込みになっている。

 そしてマカオと香港、中国の珠海市を結ぶ全長36kmの海上橋「港珠澳大橋」は、2017年内に完成し、2018年の年明け早々にも供用が開始される見込みだという。フェリーで70分かかるが、橋が開通することで20分ほどでマカオと香港を往来できるようになる。

マカオは1年中なんらかのイベントが行なわれており、2016年に初めて開催された「マカオ国際映画祭」には、日本からも有名俳優が訪れた
マカオへのアクセスは香港経由なら関西以西を中心に地方空港からも多数の便が運航されている。直行のマカオ航空は成田、関空、福岡に就航。6月30日までは搭乗券を提示することでウィン・パレスのスカイキャブが無料になるキャンペーンも実施している
マカオ観光局のWebサイトやSNSでは、マカオの最新情報を発信
現地に行く際に役立つのが、マカオの気象情報や公共バスの情報を提供するWebサイト