旅レポ

さらに広がった華やかすぎるマカオの巨大統合型リゾート「ギャラクシー・マカオ」(第3回)

新しく加わった2つのラグジュアリーホテル「ザ・リッツ・カールトン・マカオ」と「JWマリオット・ホテル・マカオ」

オールド上海がモチーフのラウンジ「China Rouge」にあるカウンター。魅惑的なアートが飾られ圧倒される

 マカオのコタイ地区にある2011年5月開業の巨大統合型リゾート(IR)「ギャラクシー・マカオ」のレポート3回目。このギャラクシー・マカオは、2015年5月に拡張され約2倍に広がった。今回は、新しく加わった2つのホテル「ザ・リッツ・カールトン・マカオ」と「JWマリオット・ホテル・マカオ」を中心にお届けする。

 ギャラクシー・マカオには3つのホテル棟があるが、そのうちの一棟にこれら2つのホテルが入っている。

巨大統合型リゾート「ギャラクシー・マカオ」にある3つのホテル棟。一番奥に見えるのが、新しく加わったホテル棟になる
新しいホテル棟には、「ザ・リッツ・カールトン・マカオ」と「JWマリオット・ホテル・マカオ」が入っている

全室スイートで提供される「ザ・リッツ・カールトン・マカオ」

ザ・リッツ・カールトン・マカオのエントランス

 ザ・リッツ・カールトン・マカオ(The Ritz-Carlton, Macau)は、254の部屋が全室スイートで提供される。この全室スイートでの提供は同ホテル初で現在唯一となっている。

エントランスから続くエレベータホール
51階にフロントロビーがある
51階ロビー横にバー&ラウンジがある
昼間のバー&ラウンジで提供されるハイティのスイーツ類

 ザ・リッツ・カールトンは、アメリカのマリオット・インターナショナルが持つホテルブランド。日本にも進出済みなので、馴染みのあるブランドだろう。パリやロンドンのホテルから展開してきているので、全体に西洋文化を色濃く、インテリアデザインも重厚な高級感がある。ウェディングも可能で、そのコーディネートを決めるアトリエも見学できた。

ザ・リッツ・カールトン・マカオ プレミアスイートのリビング。最上級タイプの部屋
プレミアスイートの寝室。キングサイズベッド
プレミアスイートのバスルームとトイレ
ビバレッジ類も充実している。コーヒーメーカーもある
冷蔵庫は引き出しタイプ
53階にはザ・リッツ・カールトン・マカオ クラブラウンジも設けている。チェックインも可能
クラブラウンジはデザインの違う部屋に分かれていて趣向が凝らされている
クラブラウンジでの軽食の一例。あくまでも一部
フルーツがていねいに均等にカットされている
麺類など調理して提供してくれるコーナーも充実している
ザ・リッツ・カールトン・マカオにあるスパ「ESPA」入口
ESPAのロビー。カップル用トリートメントルームも備えている
オリジナルのエッセンシャルオイルやローションなども販売
ザ・リッツ・カールトン・マカオ ボールルームのホワイエ。グランドフロアにある
ザ・リッツ・カールトン・マカオ ボールルーム
結婚式での新婦待合室 BRIDAL ROOM
ザ・リッツ・カールトン・マカオ ウエディング・アトリエ。結婚式のコーディネートをする
ウェディングドレスイメージ
テーブルセッティングを選ぶ場所
さまざまな調度類も展示されている

アジアで最大規模となる「JWマリオット・ホテル・マカオ」

 JWマリオット・ホテル・マカオ(JW Marriott Hotel Macau)は、1015室もの部屋があり、内71室のスイートを提供し、アジアで最大規模を誇る。JWマリオット・ホテルもマリオット・インターナショナルのホテルブランドで、ラグジュアリーブランドとしてリゾートや主要都市で展開している。マリオットグループ創業者「John Willard Marriott」からブランド名を付けている。

JWマリオット・ホテル・マカオ エグゼクティブ・スイートのリビング
エグゼクティブ・スイートの寝室
エグゼクティブ・スイートの浴室
別室のシャワールームも広い
JWマリオット・ホテル・マカオ ボールルーム ホワイエ
JWマリオット・ホテル・マカオ ボールルーム

 また、キッズルームの「The Kids Club(キッズ・クラブ)」もあり、800m2の空間で3~17歳までの子供が遊べる。子供と大人のペアで2時間、平日120MOP(マカオ・パタカ、約1560円、1MOP=約13円換算)、週末150MOP(約1950円)。ホテル宿泊者は30%引きになる。単なる運動スペースではなく、アスレチックっぽいものや、ミラールームなど子供のクリエイティブ性を引き出す楽しみ方ができるよう工夫されている。

子供が遊べる「キッズ・クラブ」
遊べる場所は800m2もある。迷路のような通路。ここはごく一部
エアーの入ったバルーンでできた部屋。音楽に合わせて色が変化する
ミラールーム。迷路になっていて、踏むと足下のライトが光る
別料金だが子供用に散髪できるサロンもある。子供用ヘアサロンはマカオ初

眺めのよい高級中華レストラン「Lai Heen」

 ここからはグルメ関連のレポートをいくつかお届けする。

 中華料理の「Lai Heen(ライ・ヒーン/麗軒)」は、広東料理をベースにしたハイレベルな料理を期待できる大きなレストラン。130名までサービスができる。「ミシュランガイド 香港/マカオ 2016」で推薦(リコメンド)レストランに選ばれている。

 ザ・リッツ・カールトン・マカオの51階に位置していて、マカオで最も高い場所にある中華レストラン。ちなみに、レポート第1回の冒頭に掲載したギャラクシー・マカオ全体の夜景写真は、この部屋から撮影している。夜間にはギャラクシー・マカオ全体の照明を使ったレーザーショーが行なわれるので、ぜひ鑑賞してみよう。

 プライベートルームも5室ある。デザインは日本のストリックランド(代表:赤尾洋平氏)が手がけていて重厚かつ繊細、こちらも中華がモダンにアレンジされていて芸術性が高く見応えがある。

 シェフのBill Fu氏は、前職のザ・リッツ・カールトン・香港「Tin Lung Heen」でミシュランの二つ星を獲得している。中華料理というと重いイメージがあるが、料理は中華が基本の味付けだが、西洋が上品に融合していて食べやすい。見た目も中華然とせずにとてもモダンだ。

中華料理レストラン「Lai Heen」
仕切られた座席が多くある
プライベートルームも5室ある。大人数にも対応
Roasted Suckling Pig、Barbecued Iberico Pork in Honey Souce、Marinated Jelly Fish in Sesame Oil。前菜盛り合わせ。豚のロースト、イベリコ豚のバーベキュー焼き、キクラゲのごま油マリネ
前菜がビールに合いそうだったので、ビールを頼む。マカオでは青島(チンタオ)ビールがもっともポピュラー
白ワインは、Francois Carillon(フランソワ カリヨン) 2012 Bourgogne Chardonnay(ブルゴーニュ シャルドネ)
Double-boiled Maitake Mushroom Dentrobium Orchid and Winter Melon。マイタケと洋ラン、冬瓜のスープ。自然で素朴な味わい
Deep- fried Crab Shell Filled with Crabmeat and Onion
中にトロトロの蟹が入っている。簡単に言うと上質な蟹クリームコロッケ。濃厚な味
Wok-fried Prawns with Okra and Fresh Lily Bulbs。オクラと百合根の炒め物
Braised Bean Curd Sheet with Assorted Mushroom。湯葉風の豆腐とキノコ炒め
Steamed Fried Rice with Diced Abalone, Duck and Shrimp Wrapped in Lotus Leaf。チャーハンを蓮葉で包んで蒸したもの
デザート。Chilled Mabgo Cream with Sago, Pomelo and Aloe Vera。タピオカ入りのマンゴークリーム。ザボンとアロエ入り。甘みは控えめ

オールド上海をモチーフにしたデラックスラウンジ「China Rouge」

「China Rouge(チャイナルージュ)」は、古きよき時代の上海をモチーフにしたバー&ラウンジ。内部にはさまざま魅惑的なアートが飾られ、別世界にいるような気分にさせてくれる。中は広めなので、大人数でも入れないということはないだろう。大きなカウンターもあるので1人でも問題ない。飲物はカクテルが主体で、ワインやシャンパンなどもある。ステージの生演奏や客席をまわってのダンスショーなども楽しめる。

 場所はギャラクシー・マカオのグランドフロア「G001」になる。1回目にレポートしたダイアモンドロビーのエントランスを出た外側に入口がある。

ダイアモンドロビーから外へ出たエントランス車寄せ
車寄せ横にバー&ラウンジ「China Rouge」が見える
China Rouge入口
いきなり妖艶なアートが出迎える
入口の受付カウンターも圧倒される
China Rouge店内。古きよき時代の上海がイメージ
ステージでは生演奏も行なわれる
周囲を囲むようにソファが配置されている
中央に大きなカウンター。ここでも迫力のアートを鑑賞できる
座席の周囲を巡ってダンスショーをする時間帯もある
普段一般に公開していないVIP向けの部屋。壁面の妖艶なアート作品が迫力
トイレ入口前にもアートなオブジェ

 ここまでギャラクシー・マカオの代表的なホテルを4つ紹介したが、どれも個性があるので、ぜひ何度か訪問して体験してみてほしい。日本さながらの安心を得たいなら「ホテル・オークラ・マカオ」、部屋でもスパを満喫、そしてアジアンな香りに包まれたいなら「バンヤン・ツリー・マカオ」、洋風のラグジュアリーを極めるなら「JWマリオット・ホテル・マカオ」、さらにそれを一歩進めてスイートでと考えるなら「ザ・リッツ・カールトン・マカオ」というイメージだ。スイートをJWマリオットとリッツ・カールトンの選択は悩ましいところだろうか。

 さて、ギャラクシー・マカオのレポートは次回で最終回。次回は、エンタテイメント系の楽しみ方のほか、マカオ半島や旧市街周辺なども見ていく。

村上俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、Web媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。