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27台のレアなバス、2年分の中古部品に白熱ステージ! 「スルっとKANSAIバスまつり」行ってきた

2026年6月7日 実施
27台の展示バスは、太陽の塔の下に展示された

 関西のバス28社、鉄道12社が勢揃い! バスを楽しみつくすイベント「スルっとKANSAIバスまつり2026」が6月7日に開催された。

 会場となった万博記念公園(大阪府吹田市)の「太陽の広場」「下の広場」では、鉄道・バス事業者がいっせいに集結! レアなバスの展示やバスグッズ・中古部品の販売、さらにステージではショーや各社のPRタイム・ゆるキャラのステージなど……。10時の開場前には、あいにくの強い雨をもろともしない数百人の人々が、入口前に行列を作った。

当日のスケジュール

 大阪・関西万博への対応でまったく余裕がなかった昨年(2025年)には、「バスまつり」は関西では開催していない。会場内を見る限り、2年という空白期間が、前回の開催と比べて思わぬ変化をもたらしたようだ。

レアなバス27台「太陽の塔」前に大集結!

 バスまつり最大の楽しみは、「なかなか見ることができないバス」を眺めたり、乗車できることだろう。万博記念公園の象徴である「太陽の塔」の足元に停車した27台のバスのうち、ほんの一部を見てみよう。

ジーンズバス(下電バス)

ジーンズバス外観
車内はデニム生地尽くし

 ジーンズ・デニム生産の聖地とも言われ、全国の5割以上がこの地で生産されるという「児島」(岡山県倉敷市)を走る「ジーンズバス」は、なんと「デニム仕様」だ。

 車内には手作りのミニジーンズが100着以上も飾られ、車内のシートカバーはさまざまな色のデニムをつなぎ合わせたパッチワーク仕様。外から差し込む太陽光とデニムの色合いで不思議な空間が作られるなか、このバスに乗って「ジーンズストリート」やミュージアム・縫製工場を巡るのもよいだろう。

 なお、運行している「下電バス」は、この地で長らく軽便鉄道を運行していた「下津井電鉄」が前身であり、いまも残る駅舎や線路跡と組み合わせて、岡山の街を1日巡るのもよさそうだ。

チャギントンバス(岡電バス)

「チャギントンバス」と太陽の塔

 カラフルな列車を見ているだけでも楽しいアニメ「チャギントン」仕様のバスが、バスまつりにやってきた。半世紀以上もそこに建っている「太陽の塔」との組み合わせはなんだか不思議で、その場を離れず、ずっとバスを眺めている子供が印象的だった。

 岡電バスの方にお話を伺ったところ、この車両は普段は岡山空港方面を走っているとのこと。さらに岡山市内に入れば、路面電車が丸々一両チャギントン仕様の「おかでんチャギントン」もあり、子供にとっては1日中チャギントン尽くしで過ごせるのがうれしい。

バスファン向け、ちょっと不思議なレア車両

神戸市交通局の車両
高槻市交通部の「スペースランナー」

 神戸市交通局(神戸市バス)の車両は、急な坂道の多い舞子地区を走りきるための「V8エンジン」を搭載している。いまは環境性能に優れた6気筒・直列4気筒エンジンが主流になっており、轟音とともに走るパワフルなV8搭載のバスは、神戸でも4台しか現役車両がないという。

 また高槻市交通部(高槻市バス)の「スペースランナーA」は、日産ディーゼル(現UDトラックス)の最後期のバス車両であり、三菱ふそう・エアロスターのOEM車として生産されたため、車体が「西日本車体工業」ではなく「三菱ふそう」だ。よって「見た目はふそう、エンジンはUD製」というめずらしいモデルであり、ほとんど製造していない貴重なバスだという。一目で分かれば、かなりのバス好きだ。

いすゞ エルガEV(Osaka Metro)

 このほか、地元・大阪シティバスは万博輸送で232万人を運んだ「いすゞ エルガEV」、阪急バスも路線バス仕様のEVバスを展示していた。

2年間で廃止バス多数! 中古グッズ勢揃い

北大阪急行が延伸した際に多量に廃止したバスの案内看板
全但バスの丸看板。各社とも販売している
旧美濃駅保存会

 バスまつりのもう1つの楽しみは、中古バス部品販売とグッズ販売だ。

 各社とも、廃止になったバス路線の丸看板や業務用品などを倉庫に貯めておき、バスまつりなどの機会に、一気に売りさばく。各社にお話を伺ったところ、「2025年に開催されなかったので、提供商品も2年分」とのことで、売る方も買う方も満を持してバスまつり開催を待ちわびていたようだ。

 販売する商品も、「2024年の北大阪急行延伸とともに大幅改変となった、千里中央発のバス乗車案内」(阪急バス)、「2024年に廃止となった京都・園福線のバス停丸看板」(JRバス西日本)、「多量の停車ブザー」(全但バス)、「レトロ車両から取り外した灰皿」(奈良交通)、「小銭入れ、関係者用ネクタイ」(高槻市バス)、「運行時刻を管理する「スタフ(運行指示書)」(各社)などさまざま。

 なかには「旧美濃駅保存会」のように、並みのホビーショップでは歯が立たないようなトミカや玩具類、貴重なバスグッズを販売し、廃止となった駅舎や旧車両の保存資金に利益を充てているような団体もある。各社ともバスまつりのグッズ販売では、かなりの総力戦を展開しているようだ。

多量のグッズを持ち運ぶ人々も多数
「ごぶごぶフェス」看板がいたるところに立っていた

 午前中にレアグッズの争奪戦があったあとは、バス停の丸看板や古い時刻表などを抱えて移動する人々が、グッと増えた。なにぶん、普通のファンがこういったグッズを購入できる機会はバスまつりなどの限られたイベントしかないのだ。

 なお、今回の大阪開催では、真横の敷地で音楽イベント「ごぶごぶフェス」が開催されていたため、同イベントのCEOである浜田雅功さんのグッズを着用した人々と、多量のバスグッズを抱えた人々が、大雨のなかで同じ通りを行き交っていた。BGMがわりに、かなり広い範囲で聞こるサンボマスター・INIの生演奏を聞きながら……。筆者は過去にさまざまなバスイベントを取材してきたが、この組み合わせはめったに体験できないだろう。

バス会社のゆるキャラが競う!はずが……

わずかな晴れ間に外に出てきたゆるキャラたち

 バスまつりは、毎回ごとにステージで盛大なイベントを開催する。今回は、バス会社同士のマスコットキャラクターが一斉集合し、当日の投票で決まる「キャラクター総選挙」の結果発表も行なわれるはずだった……。あいにくの大雨で、ほとんどのキャラクターが欠席してしまったのは残念だ。

 なお、総選挙の結果は以下のとおり。1位と3位が雨天欠席であった。

1位: たかつきばすお(高槻市営バス)
2位: バースケ(阪急バス)
3位: にしばくん(西日本JRバス)

「ぴたまる」は比較的自由に動き回っていた
「キャラクター大運動会」で、万歩計の歩数を競う。「お侍さん」が人間にしか見えない

 各社のキャラクターが激しく動く「キャラクター大運動会」は、ステージにビニールの屋根を設置したうえで、予定どおり開催した。ステージに上がるのに難儀するほど巨体の「バースケ」(阪急バス)が意外と奮闘したり、「ぴたまる」(PiTaPaキャラクター)、「お侍さん」(太秦映画村キャラクター)がところ狭しと走り回ってファンサービスにいそしんだり。中止となったアトラクションもあるなか、ステージを盛り上げていた。

関東でも別に開催バスまつり

万博記念公園の入口では、ミャクミャクがお出迎え
かつての高速バス看板まで販売されている。奈良交通ブースにて

 2001年から開催している「スルっとKANSAIバスまつり」も、コロナ禍での中止を挟んで、20回以上も回を重ねている。

 首都圏でも東京都交通局などがバスまつりを開催している。こちらもイベント内容は盛り沢山だが、参加社局は首都圏近郊が多く、関西のバスまつりほど参加地区が幅広くない印象がある。

 バスに興味がなくてもイベントが盛りだくさんで、普段見かけない部品やグッズを、ついつい買ってしまう。そんなバスまつりに、来年も足を運びたいものだ。