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山梨県が「(仮称)富士トラム」調査結果を公開。条件付き自動運転も検討

富士山麓~五合目の新交通システム

2025年6月5日 発表
新交通システム「(仮称)富士トラム」

 山梨県は6月5日、富士山麓から五合目までを結ぶ新交通システム「(仮称)富士トラム」構想について、2024年度に実施した調査結果を公開した。

 富士トラムは、2024年11月まで提案していた富士山登山鉄道(LRT)構想に代わり、富士山有料道路(通称・富士スバルライン)への導入を検討している移動手段。富士山の課題とされている富士北麓エリア6市町村から五合目へのアクセスを担うほか、富士山とリニア新駅「山梨県駅」が直結することで将来的に県内各地への二次交通網を構築する。

 開業時には軌道法を適用し、富士スバルラインへの一般車両の進入を制限することで、富士山のオーバーツーリズム解消にも一定の効果があるという。

 導入にあたっては、以下4つの条件を挙げている。

(1)急曲線・急勾配の富士スバルラインを走行
(2)緊急時には自動車が走行できる構造
(3)上空架線を用いないなど景観に配慮
(4)排気ガスを排出しない動力源での走行

 今回の調査では、すべての条件を満たしている富士トラムとLRT、中央案内軌条(トランスロール)、バスの5システムについて比較検討を行なったところ、輸送力や安全性、導入・維持管理費用、来訪者コントロールなどの観点で、富士トラム(磁気マーカ誘導方式)が優位と判断。

 GOA3(鉄道系)やレベル3(自動車系)に相当する条件付き自動運転の導入も検討するとのこと。なお具体的な開業時期は明らかにしていない。

比較検討した5つの交通システム ※画像を開いてからクリックで拡大
比較検討結果 ※画像を開いてからクリックで拡大
富士トラムを構成する各要素 ※画像を開いてからクリックで拡大
自動運転の導入について ※画像を開いてからクリックで拡大
維持管理費用の比較 ※画像を開いてからクリックで拡大